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革命の断罪





「何をふざけたことを!! 誰ぞ、乱心した聖女を拘束せよ!」


 皇帝と皇太子の廃位を要求するというイリスの宣言に激昂した皇帝が叫ぶも、皇帝の言葉に動く者は誰一人としていなかった。宰相を始めとした大臣達は、黙して座ったまま微動だにしない。


「お前達! 何故私の言葉に従わないのだ!? 大神官!!」


 皇帝に名指しされた大神官は、目を閉じて息を吐くと、ゆっくりと手を挙げた。


「私は聖女様のお言葉に賛同致します」


「なっ……!?」


「私も聖女様に賛同します」


 宰相が手を挙げれば、居並ぶ大臣達もそれに倣った。


「私も」「聖女様を支持します」「聖女様に賛成です」


 次から次へと挙がる手を呆然と見て、皇帝は訳が分からず身を震わせた。


「これは……いったい何なのだ!? 私が何をしたと言うのだ! イリスがエリザベートの娘だと!? あいつは死んだはずだ! こんなことは有り得ない!」


 テーブルの上の書類を投げ飛ばし、髪を振り乱して叫ぶ皇帝。包帯でぐるぐる巻きの状態で議会に参加していたエドガーは、アワアワと慌てるばかりだった。


「陛下。陛下が何をしたのか、という問いに対しては、陛下自身が一番ご存知なのではないですか?」


「何だと!?」


 机を叩いて立ち上がった皇帝へ、イリスは冷ややかなルビー眼を向けた。


「ご自分の犯した罪が分からないというのであれば。私がここに、皇帝エイドリアン及び皇太子エドガーを、国家に対する反逆の罪により告発します」


「な、なにっ……!?」


 イリスの発言を受け、宰相が立ち上がった。


「私は聖女様の命を受け、陛下の所業について調査を行いました。陛下は皇帝の地位を利用し、帝国を破滅に導こうとしています。その悪行の数々は挙げればキリがありませんが、まず第一に、皇帝陛下は自ら発案した隣国サタンフォードへの無謀な侵略戦争を可決させようと画策し、帝国議会に対し不当な圧力を掛けておりました」


「それはっ!」


「先日、処刑予定でありながら牢獄で自死したとされる侍従長の部屋を捜索したところ、侍従長が貴族議員へ向けて贈っていたと見られる賄賂の授受及び脅迫があった証拠となる書類が多数見つかりました。そこには領地の与奪や爵位の継承に関する事項並びに聖女であったミーナの力を取引する内容等、侍従長の権限のみでは成立しない内容が記されていました。皇帝陛下の最側近であった侍従長の背後に誰がいたのか、論じるまでもないでしょう」


「そんなものは、侍従長の独断だ! 私の知るところではないっ!!」


 顔を真っ赤にして怒鳴る皇帝に、想定済みの宰相は更に続けた。


「偽聖女であったミーナによる証言もあります。ミーナは聖女の力を有していた際、陛下に持ち掛けられ高位貴族への治癒や地方の干ばつ地域への降雨に対し、高額な報酬と共に議会で陛下の議案に賛同するよう取引を持ち掛けていたと白状しました。他にも、その取引を持ち掛けられた貴族達から証言を得ています」


 大臣達の厳しい視線を浴びながらも、皇帝は一切罪を認めようとはしなかった。


「知らぬ! 全ては宰相やミーナ、その他の貴族達が忖度で行ったことであろう! 私が指示したという証拠はないはずだ! それに、サタンフォードに踏み込む理由はある! 本日はそれを議論する為にこの場を開いたのだ! ここにいる皇太子エドガーは、サタンフォードの大公子、メフィスト・サタンフォードにより全身に重傷を負わされた。このような所業を許しては、帝国の威信に関わるっ! そのため、戦争という形でサタンフォードに報復するべきだ!」


 声高に主張した皇帝に対して、イリスが冷静に対処する。


「それに関しましては、既に私が証言しています。皇太子エドガー殿下は、卑劣にも聖女である私の私室に侵入し、私を無理矢理手篭めにしようとされました。それを阻止して下さったのがメフィスト殿下であり、その場には陛下は勿論のこと皇宮の護衛や使用人の他、宰相閣下も居合わせたので今更陛下が何を仰ろうと無駄です。寧ろ、皇室の非を認めず隣国を貶めるような発言をされる御姿には、何かしらの思惑があるように思えてなりません」


 イリスの熾烈な視線がエドガーに向かい、頬に大きな火傷痕を残したエドガーはすくみ上がった。



 と、そこへ、議会の扉が開き、渦中のメフィストが姿を現した。



「我々サタンフォードは、帝国と平和的に協議する用意があります」


「な、何故そなたがここにいる!? ここは神聖な帝国議会! 部外者の立入は固く禁止している! 直ちにあやつを追い出せ!」


「私が証人としてお呼びしたのです」


 凛としたイリスが立ち上がれば、メフィストがその隣に並んだ。


「メフィスト殿下は外交のために帝国へいらっしゃいましたが、皇帝陛下はメフィスト殿下を門前払いしたそうですね」


「……っ!」


「更に、偽聖女ミーナの策略により、メフィスト殿下は皇宮の牢獄に捕らえられていました。このような帝国側の不祥事に対し、寛大にも穏便に対応して下さろうとしたメフィスト殿下に対して、皇帝陛下は刺客を差し向けて暗殺を図ろうとしましたね」


「くっ! 何を言う! そんな証拠が何処にある!?」


「メフィスト殿下が御身を護る為に始末した刺客は、宰相の調べにより皇室の諜報部隊だったことが分かっています。彼等に命令を下せるのは皇帝陛下です。歩み寄ろうとして下さったサタンフォードの大公子殿下に対する狼藉の数々は赦されるものではありません。隣国との外交問題を深刻化させ、戦争を引き起こそうとする意図がありありと見て取れます」


「わ、私は何も知らぬと言っておろう! 皇室の諜報部隊を動かすことができるのは、皇帝の他に皇太子もおる! それはエドガーの仕業に違いない!」


「な、な、何を仰るのですか、父上!? ちょ、諜報部隊など、私はそんなものがあったことすら知りませんでしたっ!」


 愚かな親子のやり取りに、議会には重苦しい空気が広がっていった。


 背筋を伸ばしたイリスは、淀んだ空気を裂くように清廉な声を上げた。


「更に、皇帝陛下。あなたは、サタンフォードとの和平協定を推し進めようとしていた私の父、アーノルド・タランチュラン公爵を反逆罪で斬り捨て、タランチュランの一族を処刑しました。しかし、これについても疑念が浮上しております」


「な、なに? タランチュランの反逆行為は疑いようもない事実。そなた、自身の聖女の地位を利用し、家門の復活を画策しておるのではないか!?」


「……これについては、宰相から説明があります」


 ルビー眼を細めたイリスが一歩引くと、代わりに宰相が議会の前に立った。


「これは、タランチュラン公爵が好んでいた銘柄であり、公爵家の労に対し、皇室から贈られたものでありました」


 宰相は、例のワインボトルを取り出して掲げて見せた。


「焼け落ちた公爵邸より見つかったこのワインの中には、幻覚剤が仕込まれており、これによりタランチュラン公爵は正常な判断のできない状況にあったと思われます」


 ザワザワと、議会が揺れる中で皇帝の顔が醜く歪んだ。


「当時、皇室は皇太子エドガー殿下とイリス様の婚約破棄の打診を公爵家に対して申し入れており、幻覚剤により朦朧としたタランチュラン公爵の皇室に対する憎悪を意図的に助長した可能性が極めて高いです。これによりタランチュラン公爵は反逆を企てましたが、実際に反乱が起こったとする皇室の発表には疑問が残ります。と言うのも、皇宮の部隊に被害がないばかりか、帝都の何処にもタランチュラン公爵が挙兵し皇宮を目指したのを目撃した者がいないのです」


 議会の騒めきは最高潮に達し、宰相はもう一段声を張り上げた。


「戦闘は公爵邸の敷地でのみ行われ、五日という短期間のうちにタランチュラン公爵家はイリス様を残し殲滅されました。いくら事前にイリス様が公爵の企みを密告したからと言って、帝国屈指の部隊を持つタランチュラン家をそれ程の短期間で制圧するのは極めて困難であり、事前に公爵家への攻撃準備をし奇襲をかけたとしか考えられません」


「ち、父上、どういうことですか!? あの時、私がイリスから伝え聞いたことを申し上げた時には、既に手遅れだから手出し無用と仰っていたではありませんか! だから私は何もしないでイリスが起きるのを待っていたのですよ!?」


 頭の悪いエドガーが声を張り上げると、皇帝は息子の頭を思い切り叩いた。


「お前は黙っていろっっ!」


 皇帝親子に対する不信感が高まる中、イリスは再び前に出て宣言した。


「忠臣であったタランチュラン公爵家を私欲のために滅ぼし、無謀な戦争を決行する為に議会を買収しようとしたとあれば、その行為は残虐卑劣であり、国家に対する破滅行為に他なりません。エイドリアン皇帝陛下。あなたは国家元首である皇帝位に相応しくありません」


 一度言葉を切ったイリスは、そのルビー眼を怪我だらけのエドガーに向けた。


「そして、エドガー皇太子殿下。あなたは皇太子という地位にありながら、父である皇帝陛下の思惑に気付かず、悪行の数々を放置してきました。私が皇族と判明しなければ、陛下を止められるのは皇太子殿下お一人であったにも関わらず、です。そしてあろうことか、あなたは陛下の手駒となり、聖女である私を害そうとまでしました。殿下もまた、その地位に相応しいとは言えません」


 イリスの目も声も冷たく、心からの嫌悪を感じさせるものだった。


「聖女であり、皇位継承権者である私の名にかけて、皇帝エイドリアン並びに皇太子エドガーに対し、改めて廃位の要求と、その罪に応じた刑の執行を要請致します」


 拍手が鳴り出す中で、皇帝は拍手を散らすような怒鳴り声を上げた。


「全ては憶測にすぎん! 聖女の妄想だ! そして、そもそもイリスが皇位継承権を持っているとする証拠が何処にあるのだ!?」



「……その件に関しましては、私からご説明致します」



 そっと立ち上がった大神官に、皇帝は憎々しげな目線を向けた。


「大神官! ……貴様、この裏切り者がっ!」


「……まず始めに、この場をお借りして皆様に謝罪致します。私は長年皇帝陛下の側近として、神官でありながら様々な悪事に手を染めて参りました。私利私欲のために得た金銭は全て神殿に寄付し、本日この場をもって、全てを告発した後に大神官位を退く所存でございます。後任には、神殿の腐敗を正すために立ち上がったこのベンジャミン神官が就く予定です。今後の神殿は彼の下、清廉潔白となりましょう」


 大神官の横に、ベンジャミンが並んだ。そして大神官は、よく通るその声で話し始めた。



「皇太后陛下の末娘であり、皇帝陛下の実の妹君にあたるエリザベート皇女殿下を赤子の時に皇宮から連れ出したのは、私です」



 衝撃の告白に、議会は再び揺れた。


「当時、聖女であり皇后であった皇太后陛下、皇帝陛下の母君は、皇室内部の政争に心を痛められ、生まれて間もない末娘のエリザベート殿下を皇宮の外に連れ出すよう私に指示しました。これは極秘裏に進められ、私は皇宮の外に待っていた皇太后陛下の協力者へ皇女殿下を引き渡しました。そのお相手が誰であったかは、慎重を期すため私には知らされませんでしたが、エリザベート皇女殿下が皇宮の外へ逃げ延びられたのは間違いありません。その際、身分の証明として、皇女殿下には皇太后陛下のペンダントを託しました」


 大神官が話し終わると、すかさず宰相が立ち上がった。


「ここからは私が引き受けます。イリス様が母君から受け継がれたロケットペンダントは、皇太后陛下がお待ちだったものと酷似しており、タランチュラン公爵夫人の生家とされていた、ウルフメア伯爵家について調査を行いました。ウルフメア伯爵夫人は皇太后陛下の侍女であり、伯爵は皇太后陛下の護衛騎士でございました。皇太后陛下の側近と思われるお二人は、エリザベート皇女殿下が失踪した際にその責任を取る形で皇宮を去り、数年間領地に戻られておいででした。その間にお二人の子として育てられたのがタランチュラン公爵夫人であります」


 イリスは、自身の首に掛かるペンダントを握り締めた。


「ウルフメア伯爵夫妻とタランチュラン公爵夫人は、あまり似ていない親子でした。その為、領地内では養子の噂が広がっていたと言います。ウルフメア伯爵夫妻がエリザベート殿下を匿い育てた可能性は非常に高く、受け継がれたペンダントにより、タランチュラン公爵夫人がエリザベート皇女殿下であることは、疑いようがないでしょう」


「そ、そんなものは、何の証拠にもならんっ!!」


 議会の大半が頷き、イリスの皇位継承権の正統性を確信する中、往生際悪く声を張り上げる皇帝へ大神官が声を掛けた。


「陛下、いい加減に罪をお認めになる気はありませんか」


「何度も言わせるなっ! 私は何もしていない!」


 言い張る皇帝を、悲しげな瞳で見つめた大神官は、隣に立つベンジャミンへ声を掛けた。


「……例の物を」


「はい」


 ベンジャミンが木箱から取り出したのは、古い銀製の杯だった。


「これは神殿に伝わる、大神官のみが扱える聖物です。大神官のみが神より神託を授かれるのは、この聖杯を通してだと言われております。そしてこの聖杯には、神託を伝える他にも神の御意志を確認する作用がいくつかあります」


 大神官が聖杯に聖力を込めると、聖杯は青白く輝きを放った。


「一つは、神への告解です。聖杯を通して神に向かい罪を告白し、それが偽りであった場合、告解した大神官は雷に打たれ命を落とすのです」


 議会の目が聖杯に向かう中、大神官は聖杯の前に跪いた。


「神に懺悔致します。私は皇帝陛下の命により、聖女であったミーナの神聖力を悪用して不当な利益を得て参りました。また、陛下の望みであるサタンフォードへの侵略戦争を推し進めるために、邪魔なタランチュラン公爵を幻覚剤で陥れ、イリス様が皇宮に助けを求めてきた際には睡眠薬を盛って、タランチュラン家の処刑が終わるまで眠らせました」


 聖杯は、不思議な輝きを放ち続けるだけで、大神官の身には何も起こらなかった。


「更に贈賄や脅迫を行う侍従長を手助けし、侍従長が皇后毒殺を企てているのを知りながら放置致しました。これら全ては、皇帝陛下のご意向により行ったことでございます。そして私は……証拠隠滅の為に侍従長を刺し殺した陛下に命じられるまま、侍従長の遺体を処理しました」


 人々の驚きと嫌悪の騒めきの中、告解を終えた大神官は立ち上がり、イリスへと目を向けた。


「他に、この聖杯を通して神への問い掛けをすることにより、物事の正否を審判することも可能です。正否の判定は、正であった場合は何も起こらず、否であった場合は先程と同様、問い掛けた大神官が雷に打たれ命を落とします」


 ルビー眼を見開いたイリスに目で頷くと、大神官は再び聖杯に跪いた。


「神にお伺い致します。こちらにおられる聖女イリス・タランチュラン様は、先帝陛下並びに皇太后陛下の孫娘であり、正当な皇位継承権を有するお方でしょうか」


 静寂の中、聖杯は光を放つだけで、大神官の身には何も起こらなかった。


「神の審判により、陛下の罪とイリス様の血筋が証明されました」


 そう宣言した大神官へと、皇帝はもはや掠れ始めた声を荒げた。


「そ、そんなものは、いくらでも偽装可能だ! そもそもその聖杯が本物で、本当にそのような作用があるかどうかも怪しいではないかっ!」


 指を差し、目を血走らせる皇帝を見遣った大神官は、達観したように微笑むと、皇帝へと向き直った。


「陛下。陛下とは、とても長い付き合いでございます。陛下がそう仰るであろうことは、予想しておりました」


「何っ!?」


 大神官は、ベンジャミンへと顔を向けた。


「ベンジャミン。後の事は頼む」


「……ご心配には及びません」


 短いやり取りの後、大神官はイリスを見やる。


「イリス様。これで私の罪が消えるとは思っておりませんが、これは私なりの贖罪でございます」


 そして大神官は再度、聖杯に跪いた。


「神に告解致します。先程の私の告白は嘘偽りであり、皇帝エイドリアン陛下は潔白で、一つの悪事もなさらず、皇帝位に誰よりも相応しいお方です」


 イリスは、ハッと手で口を覆い、隣にいるメフィストの手を握った。


 青白い光を放っていたはずの聖杯はバチバチと不穏な音を立てながら揺れ、網膜に灼けつくような鋭い黄金の閃光が走ったかと思うと、次の瞬間には雷に貫かれた大神官が事切れていた。


 騒然とする中、大神官の死を確認した宰相が静かに宣言する。


「聖杯が本物であることは、大神官の死により確認できました。これにより皇帝エイドリアンと皇太子エドガーの罪もまた確定となりましょう。そして、イリス様の血筋に関しても証明されました。改めて皇帝と皇太子の廃位と斬首刑を要請致します」


 居並ぶ大臣達が、次々と起立し、宰相に同意を示した。


「イリス・タランチュラン! 何もかもがお前の所為だ!」


 最後まで叫ぶ皇帝は、イリスが今まで見てきたどんな姿よりも無様だった。


 対照的にエドガーは動揺して動けず、この状況についてさえいけていないようだった。


「イ、イリス。私は……父上とは関係ない! ただ、そなたにしたことを、ずっと謝りたかったんだ。考えてみれば、昔からもっとそなたを大事にすべきだった。ミーナに騙されて浮気したことも、本当に申し訳ないことをしたと思ってる……頼むから赦してくれっ! 私が悪かった!」


 今更な謝罪を繰り返すエドガーに。イリスはずっと言いたかったことを口にした。


「悪かった、ですって? それで済むと思っているところがあなたの器の小ささと愚かさを証明しているわ。父の反逆の件で助けを求めた時も、あなたは何もせず傍観していたのでしょう? 両親の影に隠れ、婚約者や恋人に選択を丸投げし、自身では何一つ成せない。そんなあなたに、どんな価値があると言うの?」


「イリス……」


 つぅ、と。エドガーの目から涙が溢れ落ちる。



「あなたの愚行には反吐が出るわ」



 ————『お前の蛮行には反吐が出るっ!』————



 この上なく蔑む視線をエドガーに向けて。イリスは、いつかの屈辱を晴らした。



「あなたのような間抜け男は死ぬべきよ」



 ————『お前のような性悪女は死ぬべきだ』————



 いつかエドガーに言われて絶望したその言葉を、イリスはエドガーに向けて突き付け返した。


「あっ……あぁ……」


 火傷を負った顔を絶望に染め、エドガーは言葉もなく崩れ落ちる。




「連れて行きなさい」



 イリスの命令で、皇宮の近衛隊が皇帝と皇太子を取り囲んだ。















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書籍、電子書籍共に6月9日発売!
コミカライズ企画進行中!

物語完結後から始まる悪役令嬢の大逆転劇
― 新着の感想 ―
[良い点] 大神官が実質自裁したこと、潔くて良かったです。 でもなぜここまで王の不法行為に加担してきたのか、理由がもう少し知りたかった。 [気になる点] 王と王太子を廃位する→なるほど 王と王太子を廃…
[一言] 言われた当のエドガーは、今の言葉がかつて自分が言った言葉だってことを忘れているんだろうなぁ…と思われるのがやるせない。 イリスもこんな男に…とやるせない気持ちになっているのかなぁ…
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