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転生ゲーマー令嬢は婚約者を玩具にする  作者: 御月源士郎
序章 幼少期編
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20 ガチャ解放

「あっ、あっ、もう…ダメ、無理ぃっ……ああぁっ!」


 アベルの身体が揺さぶられ、ドサリと倒れると、上から大量の子ウーゴが落ちてきて、散り散りに走り去って消えた。

 だがこの子ウーゴ達は立体映像の様なものだ。


「なんだコレ⁉ 面白過ぎんだろ⁉」


 私の横でラルフはゲラゲラと笑っている。


「お〜い、もっと真面目にやってくれたまえよ〜」

「やってるよ!」


 私が不満そうに声を投げかけると、アベルは息を切らしながら逆ギレ気味に努力を主張した。

 私達が何をやっているかというと【アベルパーティー】と言う新しいアプリのミニゲームの1つだ。

 今プレイしていたのは子ウーゴを何匹まで積み上げて抱えられるかと言うゲーム。

 立体映像の子ウーゴが現れ、次々と上から乗っかって来るのだが、これが重さまで感じるようなリアルな物だったりする。

 オートモードでアベルにやらせてみたら、コレがラルフのツボに入ったらしい、まだお腹を抱えて笑っている。

 今回アベルは8匹乗せたところで力尽きた。まあまあ頑張った方だろうか?


「じゃあ、ラルフもやってみる?」

「ハハハ……へ?」

「これパーティーゲームだから」

「パーティーゲーム??」

「皆で遊べるゲームの事、4人まで一緒に遊べるよ」

「うわっ!やってみてぇ!」


 ラルフは予想以上にご機嫌な様子でいそいそとアベルの隣に並んだ。そんな2人を余所に私が1人で鑑賞しているなんであり得ない。

 私も思わず駆け出しもう一方のアベルの隣に並んだ。


 いざ!勝負だ!


「何でレインだけそんなに積み上げて立ってられるの⁉」

「はっはっはっ、コレが子ウーゴへの愛の深さと言うものだよ」

「あっ!お前魔法で強化してるなっ!ズリぃっ!」

「はっはっはっ、これも実力の内だよ君達」


 幻影の子ウーゴが消えたあと、私の上には子ウーゴと言うには一回り程大きなウーゴが消えずに残っている。

 私達が子ウーゴを抱えてるのを見つけ、少しばかり成長を遂げたウルルが嬉々として私の体によじ登ってきたのだ。愛いやつめ。しかし重たくなったな。

 でもコレ、ネタとしては面白いけど、これじゃあポイントが全然溜まらないよ。ポイントが貯められるのはアベルが稼いだ分だけだからね。

 え?ポイントって何の話かって?それは時を遡ること数日前……


ーー新しいアプリの獲得条件をクリアしました。

ーーインストールを開始します。


ーーNow Loading


ーー新しいアプリが追加されました。

ーー【アベルパーティー】

ーー皆で楽しくレッツゲーム!

ーーガチャポイントも貯まるよ!


 新しいアプリきたあぁっ!!

 そろそろ違うゲームで遊びたいと思ってた所なんだよね!

 パーティーゲームかぁ、どんな感じだろう?ワクワクが止まらない!


ーーガチャが開放されました。

ーーガチャを回しますか?


 なんと!ガチャが回せるとな⁉

 回す!回すよそりゃあ!

 初回、10連分のポイントが付いてる!


 ええと、商品ラインナップは…SSR…エクスカリバー、グングニル、ダモクレス、ロンギヌス、村正、天叢雲……なっ!何だこの厨二病全開のラインナップ!

 日本刀もある〜、アベルに着物着せて持たせたい!作るか?着物作るか?

 刺繍とか繊細な手芸は面倒だけど、コスプレ衣装作りなら前世界の知識でできる自信ある!ミシンが無いのだけがネックだけど、お針子さんはミシン使わないし!頑張ればなんとか行ける気がする!

 外れ武器に釘バットとかモップとかありますがコレはこれで唆られるう!

 他にも鎧やらローブやら、マジックアイテムやら種類は色々……更にシークレットアイテムまであるなんて!

 コレは回してまうやろ!そぉ〜れ!


ーーレア:ハイレグアーマー、火炎魔法の魔導書

ーー旅人の鎧、釘バット

ーータワシ1年分、治癒薬✕3、解毒剤✕2


 その結果にガックリと膝をついた。レアがハイレグアーマーと火炎魔法の魔導書だけで後はハズレ。

 釘バットはちょっと嬉しいけどタワシ1年分ってなんだよ?

 ハイレグアーマー着てくれるかなぁ?いや、コレは変態チックでヤバいやつだよね?着せちゃイケナイやつだよね?


ーーガチャポイントが無くなりました。

ーーディーナ様にお布施をしますか?


 ぬ?お布施とな?


ーーディーナ様にお布施を渡すとガチャポイントと交換できます。


ーーディーナ様にお布施をする時は、画面を【お布施モード】にして、必要なラジェを画面の枠内に映してからタップしてください。


ーータップしたラジェはディーナ様の元に送られます。一度タップしたラジェは返金できませんのでご注意ください。


「ここでまさかのリアルマネーッ!!」


 私はこのシステムに愕然とした。

 こんな所でリアリティ出さなくても良くない⁉ 手を出したらヤバいやつでしょ?破滅するやつでしょ?

 なんだか背後がざわざわしてきた。

 そう、一応それなりの家柄のお嬢様ですからね、個人的に使用できるお金はあるんですよそれなりに。

 しかし、それをガチャに使って良いものか、でも、もしかして将来への先行投資と思えば許されるんじゃない?

 いやいや、金があるからって使ったら負けだろう!

 でも!コレはリアルで魔獣討伐に役立つし、アベルのためにも懐を痛めても悪くは……

 あっ!何をしようとしているの?私の右手は何処に向かっているの?その棚には私のお小遣いの一部が入れてある場所……あ、5000ラジェある。コレで何回ガチャ回せるかな?

 やっ、駄目!それは駄目!

 口では駄目と言いながら硬貨を掴んでいるじゃないか?ん?本当は回したいんだろう?

 いやっ!駄目なの!コレは使っちゃ駄目なの!

 私は必死で課金ボタンを押そうとする右手を左手で押さえつけた。

 もしかしたら今後、期間限定のアイテムがあるかも知れない、確率アップがあるかも知れない。だが!今っ!回したい!

 課金しようとする右手とそれを防ごうとする左手の攻防が暫く続くが、遂に左が勝利を収めた。


「ふぅ…試練に勝った……」


 そう、課金は最終手段、基本は無課金でポイント稼いでガチャ回すのが王道ってもんでしょ?

 前世動画配信者としての意地を見せてやらねば!


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