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お題シリーズ2

人と風と人

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あるところに、とてもたくさんの人々がいました。


 その数は、とてもたくさんです。


 一人や二人、十人や二十人ではありません。


 そんな、とてもたくさんの人は、とてもたくさん。


 人がとてもたくさんいるため、すごく見た目がわちゃっとしてしまいます。


 なぜそんなに人がたくさんいるのでしょう?


 それは風を捕まえるためです。


 その場所に吹く風は、「捕まえるととても幸運になる」と言われています。


 そのためその場所に集まったとてもたくさんの人は、色々な道具を使ったり、色々な方法を考えたりして、風を捕まえようととてもたくさん頑張っていました。







 一方、風は困っていました。


 なぜなら捕まえられたら困るからです。


 風はいろんな場所へ旅をしたいのです。


 いろんな所にいって、いろんな経験をしたいのです。


 今までもそうしてきましたが、まだまだ足りません。


 だからどこか窮屈な場所に閉じ込められるのはかんべんだったのです。


 そのため風は、その場所によりつかないように決めました。


 それ以来の風は、とてもたくさんの人が集まるその場所を訪れる事は、二度とありませんでした。







 かつて、風を捕まえようと、とてもたくさんの人が集まっていた場所がありました。


 しかし今はもう、とてもたくさんの人々はいません。

 

 待てども待てども、風が吹かなくなってしまったからです。


 とてもたくさんの人達は、皆がっかり。


 そして、どこかに風の吹く場所がないか探しに行くことにしました。


 風の噂が出るたびに、とてもたくさんの人はあっちへ行ったり、こっちへ行ったり。


 追いかけっこの始まりです。


 そのたびに風はその場所によりつかなくなり、とてもたくさんの人々は次へ向かいました。


 そのうち、そんな事を繰り返していたら、世界中のどこにも風が吹かなくなってしまいました。



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