1 牢獄
なんでだ?何が世界をおかしくした?
「クソっ!」
「早く運べ!」
「……」
俺は、箱を持ち上げて、運んだ。
この箱の中には、様々な弾薬が入っている。
多分、戦争でもするのだろう…
俺の名前は、川広隼斗。
高校に受かり、喜んでいた所で、あの忌々しい事件が起きた。
「どうしてこうなっちまったんだ…」
席に座り、食事を置く。
「おい!お前の飯寄越せよ」
太っている男が俺に話しかけた。
「はぁ!?嫌だよ」
勿論飯をあげる気は無い。
食堂は、決まった数の飯を作ると、もう作らなくなる。
その数は、ここで働いている人全員が食べるには充分な量だが、誰か1人でもお代わりすれば、誰かの分の飯が無くなる。
勿論、量は少なくは無い。だが、お腹いっぱいになる量でも無い。
太った人からすると、少ない量なのだろう。
「なんだと!人が苦しんでいるんだぞ」
「うるさい!この飯は俺のだ」
こういう喧嘩もよく起きる。が、まさか自分にやられるとは思わなかった。
「くっそ!」
太った男は、俺に殴りかかってきた。
俺はそれを避け、奴の腹を殴った。
「ぐっ…てめぇ……」
奴は、更に殴ってきた。
勿論それらも避け、奴の頭にパンチをかませた。
「ぐっ……」
そしたら、奴は倒れた。勿論死んではいない。
「おぉー」
周りから歓声が湧き上がってきた。
「卑しい奴め!」
ここぞとばかりに、奴に罵倒をした人も居た。
罵倒をしたやつは、いつも喧嘩をふっかけられている奴らか?
「…ッチ」
俺は改めて席に座り、飯を食べた。
仕方ない。全て奴…メアのせいだ。
「……クソっ」
数時間後…
刑務所みたいな部屋の布団に寝っ転がった。
「はぁ…」
こんな生活が数週間も続くが、まだ慣れない。
「おい!出ろ」
「…」
「出ろ!」
「……はい」
俺は立ち上がって、男に付いて行った。
「入れ」
俺は無言で部屋に入った。
部屋の中は、警察の取調室の様だ。
「お前に聞く。こいつをやったのはお前か?」
「はい…」
「そうか…それでは、貴様を捕らえる」
「っな!なんでですか!?」
「貴様は大事な労働力を傷付けた。まぁ、だが、奴にも処罰を与えるから安心しろ」
そういう問題じゃない!なんで、俺が……
クソっ!!
「連れて行け」
苦しい労働で、力も出ない。大人しく連れて行かれるしか無いか……
「……入れ」
あの部屋も牢屋みたいだが、ほんとに牢屋に連れられるとはね。
俺は、牢屋に入れられた。
「……狂ってる」
奴らが居なくなった時に呟いた。
みんな狂ってる。それも全てメアと名乗る男のせいだ。