0 始まり
「遂に今日か…」
今日この日、日本に歴史的な大事件が起きる。
「後ちょっとですね」
「…失敗は許されない。頼んだぞ」
「はい。任せてください」
心臓のドキドキが止まらない。
大犯罪者でも緊張はするんだよ…
「移動を始めよう」
「了解しました。各部隊にも伝えます」
失敗は許されない。楽園の為だ。
「我々も移動を開始しよう…全ては楽園の為に!」
「はい」
俺は部屋を出て、玄関に向かった。
靴を履き、外へ出る。
そして、家の前に止まっていた車に乗った。
「はぁ……緊張する…」
「あの綾人さんも緊張するんですね」
「当たり前だ。俺は昔からプレッシャーに弱いんだよ!」
まぁ、今はそんな事も言ってられない。
「ふぅ…全員乗ったか?」
車庫に5台の車が並ぶ。
1つの車に10人だ。
それらの車が一気に走り出した。
「しっかり準備はしておけ」
後ろに乗る同士に向かって言った。
数分後。
2台の車が、首相官邸近くに止まり、残りの車は、首相官邸裏に回った。
「ふぅ……行くぞ…」
より早く。できるだけ殺されずに相手を殺す。
この日の為に苦しい修行をしてきた…
「さぁ……始めようか…」
これから歴史が変わる…
俺は、首相官邸へ走り出した。
門の近くに軍が居たが、気にせず射殺だ。
「よし…」
昔ゲームでやったな〜…
まさか俺がやる側になるとは……
俺は、門を飛び越えて、首相官邸に入った。
「な、なんだ!?」
「うるせぇ」
サイレンサー付けた意味よ…
まぁ、構わん。
「…ひとまず隠れるか?いや、そのまま進むか」
裏からも俺の仲間がくる。
「…いや、正面突破しよう」
見つからない道は、時間がかかる。出来れば早い方がいい。
俺は、階段を駆け上がって、廊下に出た。
「お、おっけ!」
廊下に出ると、迷彩服を着た男らが居た。
あいつらは、俺の仲間だ。
親指を立てていたから、ここは制圧済みか…
「3階か…」
さらに階段を上がり、大きな部屋に侵入した。
他の部屋の奴らは、あいつらが処理してくれるだろう。
「殺しに来たぞ」
俺はそう言い、部屋に居た人間を全員殺した。
「すまんな首相」
倒れた首相に向かってそう呟き、改めて部屋を見回した。
「会議中か?まぁ、どうでもいい」
ほんとに数分だったな…
未だにドキドキが止まらないぜ…
「まだ終わりじゃない。」
首相や、大臣を殺したら次は、警察や自衛隊が動くだろう。
「全国に部隊を配置。各地の警察に総攻撃だ。」
俺は、警視庁を叩こう。
「直ぐに移動するぞ」
「はい」