迷宮への道中
僕達は今町を出て少しの森の中にいる。そして僕達は魔物に囲まれていた。
「何で、魔物がこんなにいるのよ!」
「前はいなかった」
「それは、前に迷宮に行ったときは魔物に会わないように行ったからね」
「そんなことまで…もういいわ」
前回は魔物に会わないようマップを見ながら進んでいた。
マップには敵の位置が分かるように設定することができた、僕に敵意のある者は赤、他は緑で表示される。このことに気づいたのは村を襲った盗賊を倒した後だ。他にもいろいろ設定があった。でも僕はこの敵の位置をわかるようにしただけで他は変えてない。まぁ、後々変えるかもしれないが。
そんなことより今は魔物だな。
僕達を囲ってるのは犬よりも二回り大きいような獣だ。多分狼かな?
魔物を鑑定するのは何気に初めてだったりするけど鑑定した方がいいな。
(ウルフ)
ランクG 獣型
スキル 《夜目・1》
(シルバーウルフ)
ランクF 獣型
スキル 《統率・1》《夜目・2》《威圧・1》
僕達を囲ってる魔物で一匹だけ色と大きさが違うのがいると思ったらどうやらこの魔物たちのリーダーのようだ。
それにしても魔物を鑑定するとこんな表示になるんだ。レベルではなくランクか。
「あの大きいのがシルバーウルフ、それ以外はウルフだ」
「それなら私達だけでも大丈夫ね」
「うん、大丈夫」
二人ともどうやらこの魔物の名前を知っていたみたいで、今の二人からしたらそれほど強くないこともわかってるようだ。
「私が魔法でサポートするからカナは前よろしく」
「了解」
ミナは自分の腰に差していた短杖を構え、カナは腰から聖剣を抜き構えた。
「それじゃあ行くわよ!」
「うん!」
カナはミナの言葉を合図にウルフ達に斬りかかった。
ミナは短杖から氷を出してそれをウルフ達に向けて放つ。
そしてすぐにウルフ達は全滅した。
ウルフ達は合計20匹近くいた。シルバーウルフは1匹だけだった。
「呆気なかったわね」
「楽勝」
「ミナも無詠唱が馴染んできたね」
「まだ簡単な魔法しか無詠唱できないけどね」
「カナも剣を振るときに無駄がなくなってきたね」
「修行の成果」
二人ともこれくらいの魔物なら楽に倒せるみたいだし迷宮も大丈夫だろう。
「迷宮の魔物もこの調子で倒すわよ」
「うん」
「でも油断はダメだよ。今から目指すのはまだ攻略されてない階層なんだから」
「わかってるわよ」
「うん、油断禁物」
一応二人には釘を刺しとく。
「迷宮の中では罠もあるってお父様が言ってたわ」
「そうみたいだな、中には命に関わる罠まであるって…」
「上層って、聞いた」
僕の《メニュー》さえあれば罠も瞬時に見つけられる。でも今回はミナとカナを主体にしていくつもりだしダメージの受けるような罠は僕が解除しよう。
それから僕達は森を抜け迷宮である大樹の前までやってきた。