迷宮へ!
僕は城の一部屋で朝を迎えた。
とうとう迷宮に行く日になった。ミナもカナも昨日は緊張してたっぽいけどちゃんと寝れたかな。
そんなことを考えてたらドアが音を立てて開いた。
「シリウスー、朝よー」
「起きてる?」
「二人ともおはよう」
ミナとカナが部屋に入ってきた。二人とも昨晩はぐっすり眠れたらしい。
緊張してたせいで眠れずに変なところで失敗した、とか迷宮の中だとシャレにならないからね良かった。
「いよいよだね」
「そうね、今日から迷宮に挑戦だったわね」
「わくわくする」
どうやら二人とも緊張は取れ、わくわくしているようだ。ミナもカナもこの五年間しっかり修行したおかげでだいぶ強くなった。迷宮も序盤は余裕だろう。
10層目は攻略済みで地図もある、そのおかげで僕の《メニュー》のマップも10層までは見ることができる。
僕のマップはこの世界の地形などすべてを見れる。…と思っていたんだけど、なぜか迷宮の内部は見ることができなかった。五年前のオードの時は陛下から迷宮の10層までの地図を見せてもらった後に行ったからオードの居場所が特定できた。…もし10層より上だったら無理だったんだよな。
今回の迷宮はミナとカナが主体となって行くつもりなので、二人に地図を持たせて行くつもりだ。
もちろん僕もマップで確認することができる。
「二人とも、いくら強くなったからって油断はしちゃだめだよ」
「そんなのわかってるわよ」
「大丈夫」
「わかってるならいいけど…。それで二人ともどうしたの?」
「朝食の準備ができてるから呼びに来たの」
「早く食べて、早く行こ」
「そっか、じゃあ早く食べに行こうか」
二人は僕を引っ張って部屋を出た。
そんなに迷宮が楽しみなんだ。まぁ、僕も結構楽しみなんだよね。最上階に何があるのか。
~~約一時間後~~
僕達は朝食を食べ終わり、今城の門の前に集まっていた。
「二人とも準備は大丈夫?」
「えぇ、武器も必要なアイテムもしっかり持ったわ」
「準備万全」
二人とも準備はできてるみたいだ。
ミナはフード付きの白いローブにその下には動きやすい服とスカートを着てるようだ。腰には後ろに短剣、左に真っ白な短杖、右には小さなポーチ…マジックポーチがあるだけ。
マジックポーチは見た目とは違い中にたくさんアイテムを入れられる。僕のストレージとは違い内容量の限界があり、アイテムの劣化もするそれに身に着けてなければならない。僕にはストレージがあるから必要のない物だ。でも普通の人からすれば便利なので値段が高いらしい。ミナとカナはスキルにアイテムボックスがあるがそれも内容量に限界がありその上スキルレベルが低いのかマジックポーチよりも内容量が少ない。
そして、カナは鉄の胸当てと動きやすい服とズボンを着ている。腰にはミナと同じように後ろに短剣、右にマジックポーチ、左に聖剣がある。
「私達よりもシリウスはそんなんで平気なわけ?」
「持ち物、少ない」
「ほとんどストレージに入ってるからね平気だよ」
僕は、服の上に黒いコートを着てるだけ。一応で腰の後ろにミナやカナのように短剣をつけてるだけ。
「そういえば、無限にアイテムをしまえるスキルがあるみたいなことを言っていたわね…」
「反則スキル…」
「反則って…。まぁ確かにそうなんだけど…」
「まぁ、いいわシリウスなんだから」
「うん、しょうがない」
納得?してくれたみたいだし良しとするか。
「とりあえず、準備はOKと言うことで出発するか」
「「うん」」
二人の返事とともに僕達は大樹の迷宮へと向かった。