再び真っ白な空間で… ②
『さて、もう一つの話に入りましょう』
その一言でアーシア様の顔から笑みが消え一気に真剣な顔になった。
「もう一つ、ですか…」
『はい…、シリウスさんオードと会いましたよね?」
オードという言葉に僕は驚いた。
『やはりそうでしたか…、実はですね、今地上では二つの勢力がぶつかっているんですよ』
「二つですか?」
ここら辺は僕も少しはわかる。人族と魔族が対立している。でも確か中立の種族もいたと思うんだけど…。
『確かに今までは中立の種族もありました。ですが近頃その中立の種族たちも二つに別れ始めているんです。今この世界には、人族、魔族、竜人族、エルフ族、獣人族、天使族、堕天使族の7種族ですね』
「天使と堕天使がいるんですか!?」
天使と堕天使って言うと人の背中に羽が生えていてその羽が白いか黒いかっていうあの天使と堕天使か?
『あなたの想像している通りですよ。天使と堕天使は天空にいます。それで話を戻しますが、今までは人族と魔族が主に対立していました。そして天使と堕天使も仲が悪くお互い干渉しないようにしていました。ですがあることをきっかけに全種族が二つに別れ始めました。エルフ族、獣人族、天使族は人族側へ、竜人族、堕天使族は魔族側へ別れ始めました。その原因が私の双子の妹なんです』
「…双子の妹ですか…、もしかして他の女神ってアーシア様の双子の妹何ですか」
『はい、私はこの世界の主神をしています。そして妹達には朝と夜のを任せていまして、朝は光神ソレイユ、夜は闇神リュンヌです』
「光神ソレイユ様と闇神リュンヌ様ですか」
『実は今あの二人は喧嘩中でして、かれこれ五千年間でしょうか…』
「ご、五千年間も!?」
『最初は口喧嘩だったんですけど喧嘩が始まって五百年目くらいにこの世界に異世界から人を召喚や転生をし勢力をぶつけて戦争を始めてしまったんです。さすがに注意をしてやめさせたのですが、私達は神託を通して伝える以外この世界には干渉はしません。あなたの件は例外だったので干渉せざる負えませんでしたが、なのでその後の種族同士の戦争がどんどん大きくなってしまったんです。そしてそれを促したのがどうやらオードとい種族のようなんです』
「オードがそんなことを……」
『はい、ですが今回あなたに撃退されたので数年は出てこないでしょう。そこであなたにオードを止めていただきたいのです。方法はあなたにお任せします。どうか引き受けていただけませんか?』
「もちろん!あんなのを放置してちゃダメですから」
この世界に生まれてまだ五年とちょっとだけどそこで出会った家族や友達を失いたくない……。
『ありがとうございます、シリウスさん。そして、よろしくお願いします』
アーシア様はそう言うと僕に向かって頭を下げた。
「あ、頭を上げてください!僕にもオードを止めたいのは僕も同じですから」
『わかりました。ですがこんなことを頼むんです。あなたにスキルを与えさせてください』
「加護ではなくスキルですか?」
『はい、こちらは私の方で設定ができないためスキル自体はランダムになりますが、後スキルレベルはMAXになると思います』
「スキルレベルですか…」
スキルレベル自体があるのはメアちゃんに聞いてたから知っていたけど僕の《メニュー》では見れなかったんだよな……。だから自分のスキルレベルもわからないし。
『見れたと思うんですが……っ!』
そうだった心の声が駄々洩れだった。
「どうしたんですか?」
『すいません!《メニュー》にスキルレベルを見る機能を付け忘れてました……』
「そ、そうだったんですか……」
神様も忘れたりするんだな…。
『でも今の私に《メニュー》に機能を追加する権限はありませんから…これからのスキルレベルアップで追加されるのを願うしか…でもスキルもあなたの願いに応えてくれると思いますよ』
「そ、そうですよね」
『「………」』
会話が途切れてしまった…。
『は、話しも終わりましたしそろそろ戻しますね』
「はい、お願いします」
『あちらの世界の時間は少ししかたっていないので、あなたの意識が遠のいてから10分くらいですね』
「わかりました、それではお願いします」
そう言った後アーシア様から小さな光が僕の方に飛んできて僕の中に入っていった。
『今スキルを与えました。それでは……』
どんどん意識が遠のいていくここに来た時と同じだ…。
そして僕は意識を手放した。