帝国の危機!?
「陛下、シリウス様が到着致しました」
「ふむ、通せ」
陛下に皇室に入れてもらい挨拶をした後この前のテラスまで誘われてそのままお茶をしながら話をすることになった。
「それで陛下僕に用事とは?」
「そのことなんだが、シリウス、お主に頼みがある」
「頼みですか」
「娘達の事を頼んだ後で申し訳ないのだが…」
「大丈夫ですよ、僕にできることなら引き受けますから」
「そう言ってくれると助かる」
「それで頼みとは何ですか?」
「大樹の大迷宮を調査してほしいのだ」
「それはまた、何というか急ですね」
「実はな大迷宮で災害級の魔物が出たという報告を受けたのだ」
「災害級ですか…」
魔物の中には国をも壊滅させてしまうような魔物がいる。そしてその魔物は頭に黒い模様が浮かんでいる。なので一目で災害級の魔物とわかる。
「このことが事実ならこの帝国が危ないのだ、どうか頼む」
「わかりました。できることなら倒してきます」
「本当か!感謝する」
僕のステータスなら余裕で倒せると思うし何とかなるだろう。
もうすぐ日が暮れるし夜になったら迷宮の中も人が減るだろうし明日の朝までに終わらせて帰ってくるか。
◆
「聞いた?カナ」
「うん、ミナもしかして、ついていくの?」
「当たり前でしょ」
シリウスは十分強いでも私達だって強いんだから。サポートくらいできるわ。
「シリウスがいつ出てもついていけるようシリウスを尾行するわよ」
「わかった」
◆
準備もいらないと思ってそのまま城を出て迷宮までもう少しの所まで来た。
「そろそろ出てきていいよ2人とも」
「やっぱりバレていたのね」
「城を出たあたりからね」
「気づくの、早い」
「それで、一応聞くけど二人はどうしてここに?」
「私達二人は強いわ、シリウスがどう思ってるかはわからないけど…」
「だから、私達も、サポート、したいの」
「わかった」
「そう簡単じゃないって…え?いいの?」
「うん、どうせいつか下見に行く予定だったしね」
二人と迷宮に行くつもりだったし、それが早まっただけだしね。
「でも一つだけ条件をだすね」
「ええ、わかったわ」
「うん」
「絶対に無理はしないこと、災害級が出てるってしってるよね?」
「知ってるわ」
まぁ、これで盗み聞きしていたことが分かったけど、聞き流してあげるか。
「災害級はとても危険らしい、僕も実物は見たことないからね」
「シリウスがそう言うってことは相当なんでしょうね」
ミナが僕にそう言った後カナがゴクリと生唾を飲んだ。
この二人にはこれくらいの緊張はあった方がいいかな、初迷宮な訳だし。
そして、僕たち三人は注意することを確認しながら迷宮である大きな樹木へと向かった。