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見知らぬ存在
『澪ー、起きなさい』
お母さんの声で目が覚めた。
重たいまぶたをこじ開けて、枕もとのスマホに手を伸ばす。
七時二十七分。
今から起きれば、一時間目には間に合う時間だった。
画面を見つめたまま、天井に視線を移す。
そのとき、スマホが震える。
『今日も来ないの?』
友達からだった。
『だるいから』
すぐに既読がつく。
『また?笑』
『また』
トーク画面を閉じて、インスタを開く。
ストーリーを流し見していると、見覚えのある名前が目に入った。
黒川朔。
一年の頃、同じ軽音部だった人。
話したことはない。
クラスも違う。
ただ、インスタでつながっている。
それだけだ。
何気なくストーリーを開く。
『今日も眠い』
白い文字だけのシンプルなストーリー。
「知らんし」
思わず笑う。
閉じようとして、指が止まった。
そして気づけば返信欄を開いていた。
『それな』
勢いでおっくた。
すぐに後悔した。
話したこともない相手だ。
なのに数秒後、
スマホが震えた。
『だよな』
黒川朔からの返信だった。




