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ただの領主が神様に勇者認定された件~植物研究のためだけに世界を守る~  作者: 雲英侑李


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第9話 ただの領主が魔王を仲間にした件

エンシェントスパイダー、それは硬い外骨格を持った巨大な蜘蛛というのが表現としては正しいだろう。群れを形成するタイプではなく、個体で縄張りを形成するタイプのモンスターで同種のモンスターで争うことをせず、それぞれの縄張りを形成する。個体の強さによって縄張りの範囲が変わるが、今回の広さならドラゴンといい勝負ができるくらいの強さだとみておくべきだろう。


「大丈夫かな?」


「さすがに強いだろうな。ドラゴンクラスまで想定していていいだろう。」


「だよね。魔王だったりしない?」


「俺もそれが気がかりだ。魔王が10人もいるとなると想定外の種族が出てきたっておかしくない。」


「だね。魔王だった時どうするの?」


「前回のやり方で全力で逃げに徹する。相手が話が分かる相手ならいいけどな。」


「魔の王だからね。話が通じるとは思えないけど・・・」


「だな。でも言葉は通じるようだし、希望を持つのは悪くないだろ?」


「それもそうだね。」


「それじゃ行くか。」


「うん!」


初めて2人での実戦だ。相手はかなり強い。これまでの『黒狼(ブラックウルフ)』のメンバーでぎりぎり勝てるくらいの相手だ。だが今の俺にはヒナツと新たなスキルがある。絶対にヒナツだけは守り抜いてみせる!





「着いたね。」


「だな。見るからに入るなって感じだな。ここから先が例の縄張りなんだろうな。もしかしたらすでに縄張り内に入ってるのかもしれないが。」


「気を付けて進もう。」


「だな。とりあえず周囲の植物を動かして気配を探る。」


スキルで植物の感覚と気配察知をするが、目立った気配はほとんどない。

いや、森の奥からとてつもないスピードでこっちに向かってくる気配?この速度だとあと10秒もすればこっちの間合いだぞ!速い!


「ヒナツ、後ろに。」


「え?うん。」


大楯を構えて待ち構える。俺の硬さなら十分に耐えられるはずだ。そのうえでヒナツを進化蔦で囲って守る。ここまでやればとりあえず大丈夫だろう。


ギィィィィン


大楯に強い衝撃!これは重いな・・・



「わぉ!アラちゃんの拳が止められちゃった!すごいね、君。ほんとに人間?」


「失礼だな。そっちこそ、とても人間とは思えない身体能力だが?」


「ごめんごめん。この姿にしかなれなくてさ。ほんとは魔物なんだよ、ボク。おっと、名乗るのが遅れちゃったね。ボクはこの世界に存在する魔王が1人、アラクネのアラちゃんだよー!」


魔王!どうする?ここまで接近されるとまずいな。逃げようがない。


「魔王、か。」


「君も知ってるでしょ?神様のお告げがあったとかで人間には知らされてるって聞いてたんだけど・・・」


「もちろん知っているさ。こんな場所で出会うなんて思ってなかっただけのことだ。相手にのみ名乗らせるなど無礼だったな。俺は冒険者のアランだ。」


「へぇ~君がかぁ。」


「なんだ?」


「いや、ナスクの奴から聞いてたけど思ってたよりもいい男だなぁって思ってね。それにちゃんと彼女さん守ってるし。」


「さすが魔王といったところか?まぁ、彼女というのは間違っているが・・・」


バレている以上ヒナツを動けない状態にしているほうが危ない。


「まぁ、そもそもナワバリに2人入ってきてたことはわかってたからね。それで、君たちは何をしに来たのかなぁ~?返答次第では戦わなくちゃいけないんだけど・・・」


「勇者だからと殺すわけじゃないんだな。」


「まぁ、ナスクの奴の思い通りになるのが嫌っていうのもあるんだけど、そもそも人類の支配領域なんてどうでもいいしねー。ボクはこの場所でナワバリを守れればそれでいいもん。」


「これまで中に入った人間はどうなった?」


「ちょっと痛い目見てもらったよ。でも殺さずに町の前まで送り届けたよ?」


確かに報告では現状死者の確認はされていない。食われたから情報がないだけかもしれないといっていたが行方不明者が急増したとかそういうわけでもないみたいだ。


「成程な。俺たちが来た理由を簡単に言うと、あんたの討伐だ。このナワバリが人間が入ると危険だと報告が入ってその調査と可能なら討伐してこいと言われている。」


「じゃあ戦う?」


「魔王と事を構えたいと思うか?」


「勇者なら。」


「普通の勇者ならな。実力のない俺は極力ことを構えたくない。そこで提案だ。飲んでもらえなかった場合はそちらに都合のいいようにこっちで調整する。ほかの魔王を倒すのを手伝ってくれないか?」


ヒナツは驚いたようにこちらを見る。だが、相手の情報が得られる絶好のチャンスだ。契約さえ結んでしまえばそれを破ることはできない。


「ボクはいいけど、君は本当にそれでいいの?」


「お前がいいのならな。そもそもお前ほかの魔王に比べて弱いだろ?」


「ギクッ」


「やっぱりな。最初の一撃の時点でナスクと比べて実力が劣っていると感じた。ナスクを嫌っているようだし下に見られてるんだろ?」


「そうだよ!何か悪い?そもそも強さの基準が違う異世界から来た奴に勝てるわけないじゃん!」


「それならそいつをぶっ殺して見返してやろうぜ。俺に逆らおうとしたところで人間では俺の命に届かない。どれだけ不意打ちしようと敵わないのだから。」


「強い発言だね。ボクそういうの好きだよ。」


「それじゃ契約と行こう。国王に認めさせるために従魔の契約をさせてもらうがいいか?」


「奴隷として扱わないなら何でもいいよ。」


「それじゃ、勇者アランの名において命ずる魔王アラよ、わが従魔として付き従え。」


「魔王アラ、勇者アランの従魔として付き従わせていただきます。」


従魔の契約完了だ。これでアラは契約上、俺が敵とみなしていない人間に危害を加えることが出来なくなった。


「契約は完了だ。戦いが終わったらお前の好きなように過ごせるよう保証するよ。この森をナワバリとして生きていくのもいいし、人間の町で暮らしていくのもいい。自由にするといいよ。」


「分かったよご主人。」


「あぁ。」


「えぇー!ご主人呼びなのにてれたりとかないのー!」


「すまんな。もともと貴族なものでな。使用人たちには似たような呼び方をされていた。」


「ちぇー。まぁいいや。ほかの魔王たちをぎゃふんといわせてやるんだから!」


「それで、アラは今後どうする?ここで過ごして必要な時に合流するか?それとも俺たちについてくるか?」


「ご主人についていこうかな。ボクだって強くなるチャンスは逃したくないからね。」


ヒナツが少し前から自分のことを私というようになっていたが、結局ボクっ娘が新しく加入したな。3人目のメンバーか。これからまた増えたりするのかな?

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