第52話 ただの領主がスキルを進化させた件
1つはっきりとしたのはこいつが俺のことを未だ舐めているということだ。おそらく実力的には相手のほうが上だが、俺のスキルはある程度の実力差を覆せる力を持っている。スキルまで込みの実力で考えれば俺のほうが上だ。
それにここ最近の強敵との連戦。今なら・・・
「いろいろと考えているみたいだけど無駄よ。あなたはここで死ぬの。」
「それはどうだろうな。」
ブレクルス王曰く、鍛えることでスキルは進化することがあるらしい。俺が勇者としてスキルを強化したのとは異なる、スキルの名前ごと変わるような進化だ。今俺はその予兆を感じている。魂というものがあるのかどうかすらわからない。しかし、俺は今確実に魂の疼きを感じている。
「来ないならこっちから行くよ!極大魔術 白新星!」
集中するんだ。こいつの攻撃なんて無視してとにかくスキルの力を高めることに集中するんだ。どれだけ攻撃されようと一撃で消滅しない限りは俺が死ぬことはない。こいつに今の俺に対してそれはできない。
「避けないのね。それとも勝てないことを悟ったのかしら?何か言ってみたらどうなの?」
スキルの成長が止まった?いったいどうすればさらに成長させることが出来る?俺にできることは植物の交配を繰り返すことによるスキルの練度の成長くらいじゃないのか?いや、俺に宿ったスキルだ。魔力が関係している可能性もあるか。ならば・・・
「あら、武装を解いちゃって。いいわ、楽に殺してあげる。」
魔力を疼きを感じる中心部に集中させる。制御できないほどの量の魔力だが無理やり押し込む!
「極大魔術 混沌の光」
「スキル{植物を支配せし者}」
飛んでくる魔法の光線と俺の間に神盾が出現する。強引な変形でさえ植物であれば一切のデメリットなく行うことが出来る。植物の性質から不可能とされている植物同士での交配も可能だ。
「何!?」
「すまないがお前の負けだ。」
これまでは神蔦を伝って流していた魔力だが、俺が顕現させたすべての植物に俺の魔力が通う。植手流が進化する。
「植手流奥義 茨の剣」
本来茨はこの世界にもある鋭い棘が茎に生えている植物だ。だが、この技は違う。敵をその姿にする技だ。神蔦剣を大量に出現させ、魔力で操り敵を串刺しにする。
「グアッ」
「痛いだろ?こんなもの序の口だ。今となっては格下になったお前に現実を教えてやる。{植物を支配せし者}」
神蔦剣が膨張する。そしてロアンをも飲み込み、そのまま姿を消した。
神蔦剣が刺さり、寄生を始めた以上あいつは植物だ。そして俺のスキル対象は俺が植物だと認めること。俺が植物と認めた以上あいつは俺のスキル対象になり、跡形もなく消滅したというわけだ。
「勝負あり!現国王ブレクルスの名において勇者アランを正式に我が国の国王に任命する!」




