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ただの領主が神様に勇者認定された件~植物研究のためだけに世界を守る~  作者: 雲英侑李


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第46話 ただの領主が国王とコリス市長に報告した件

「おい、至急の報告だ。国王かそれに近しい人間を出せ。」


王都に戻ってきた俺の要求に衛兵たちは困っているようだったが勇者が来たとなると無視できないのか最終的に大臣の判断で国王を起こしたらしく少しして謁見の間に通された。


「こんな時間に謁見を求めるなど、礼儀を知らぬのか!」


「礼節をわきまえてるからこそわざわざこんな時間に来てやったんだろうが。」


「なんだと?」


「軍勢は排除した。だがそれを率いていたのは悪魔階第3位ネビロスだ。」


「ネビロスだと!?数百年前ディアブロと同じ時代にこの世にあらわれて猛威を振るったというあの・・・」


「知らん。同一個体かどうかなんて当時の情報が少ない以上判断できるかよ。ネビロスは討伐したがディアブロではなかった。そしてネビロス自身は悪魔を召喚できないようだったぞ。」


「何が言いたい?今のところ礼節をわきまえているとは思えぬ発言であるぞ。」


「これでも分からんか。つまり、だ。あんな目立つ場所に突如軍勢が現れたということはあの場所にディアブロが召喚したということだ。遠隔で召喚する術があるのかもしれないが、その可能性は低い。つまり、魔王ディアブロは今現在この国にいることを証明するのに十分すぎる情報だ。こんな重大な情報伝えるのが少しでも遅れれば文句を言われるのはわかっていたからな。わざわざ討伐直後に来てやったってわけだ。」


「そうであるか。では、勇者アランよ・・・」


「魔王を討伐しろってんならお断りだ。魔王の所在もわからない以上俺たちがブレクルスに戻るまでの期間に間に合わない。即位後すぐにブレクルスから長期間離れるわけにもいかない。調査をそっちでやって発見次第討伐に向かえというなら聞く耳は持とう。」


「貴様・・・!」


「お前がどれだけキレようと俺を拘束する術もなければ俺に危害を加えるなんてできないだろ?諦めやがれ。それに俺は次期ブレクルス国の王だぞ?隣国の次期王にそんな態度をとってしまっていいのか?」


「・・・・」


「返す言葉もないか。コリスへの報告は明朝俺からしておいてやる。魔王の捜索に関してはあんたらで頑張るんだな.。」


もう言葉も帰ってこないため、謁見の間を後にする。最初にちょっと強く当たってしまった衛兵に軽く謝罪をし、俺は家に帰り、眠りについた。


明朝仮眠から覚めた俺は疲れているのかまだ眠っているヒナツとアラを残してコリスへと向かった。


「勇者様、例の軍勢は・・・」


「あんたは?」


町に入ると老人が声をかけてきた。軍勢が迫っていることを知っているということはそれなりに上層部か?


「コリスの市町のローレンでございます。」


「コリス市長ってもっと若くなかったか?」


「彼は軍勢の調査をすべく兵を率いてそのまま・・・私の息子でした。」


「そうか、すまない。おれも彼のことは気に入っていたんだがな。」


「息子とご縁が?」


「そうか。普通の民衆には知らん奴もいるか。俺はここ一帯を治めていた元領主のアランだ。」


「そうだったのですか!?それはご無礼を。」


「元だから気にするな。領主のことを意識してる奴なんて市長くらいだからな。あんたも市長になってから関わるようになったんじゃないか?」


「はい。とても誠実な方です。」


「ちゃんとしてるようでよかった。市政は基本的に市長を中心に回っているし、領主なんて入れ替わりもあるから把握していなくて当然だ。さっきの件は気にするなよ。そろそろ本題に入るか。」


「そうでした!軍勢は・・・?」


「一応全滅させた。」


「おぉ!ありがとうございます。」


「が、近くに魔王ディアブロが潜伏している可能性がある。まだ完全に安全といえるわけじゃない。だが、俺も所用でもう少ししたら英雄国に向かわなければならない。だから守ってやれるわけではない。」


「そんな・・・」


「だが、元とはいえ俺はここの領主だ。自分のもともとの領地くらいは守る責務を全うするさ。これを持っていてくれ。」


「これは・・・?」


「ちょっと特殊な植物さ。枯れはしないから世話とかはしなくていい。再び軍勢が現れたり、魔王ディアブロが現れるようならそれを燃やしてくれ。それだけで俺はこの街に危険が起こったことを察知できる。冒険者たちに対処できないようなレベルであればすぐに呼ぶんだ。わかったな?」


「はい。ありがとうございます」


「それじゃ、俺はいったん王都に戻るな。」


市長に別れを告げ家に帰るとヒナツが起きてきていた。


「おはよー、どこ行ってたの?」


「コリスの市町に報告にな。」


「会うの久々だったんじゃない?」


「いや、例の軍勢の調査で亡くなったらしい。今はお父上が市長をされているそうだ。」


「そう、なんだ・・・」


「好青年ではあったが特別思い入れがあったとかではないからそんな表情をするな!それよりそろそろ昼だ。アラを起こして昼飯食いに行くぞ。」

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