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ただの領主が神様に勇者認定された件~植物研究のためだけに世界を守る~  作者: 雲英侑李


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第39話 ただの領主がエルミーア王国に帰還した件

「一時的にでいい。アランに王位を任せたい。」


決闘の翌日、ブレクルス王に呼び出され、唐突にそんなことを言われた。


「は?」


「言葉の通りだ。この国は強者を王に置いてきた。俺の先代までもそうだ。俺が即位してからは200年ほど王位が変わることはない。俺の不老は国民にも知られているからそれは問題ない。」


「俺があんたに勝ったせいで国民からそんな声が多く来ている、と?」


「いや、どちらかというと俺をいたわる声だ。もちろん負けたことで勇者を王にするべきだという声も多い。だが、魔王との戦いもあり、アランにも負けた。俺は幸せなことに国民から愛されているようでな。そんな俺をいたわって休めという声が多くてな。」


「だからといって俺かよ。まぁ、この国の歴史からして他に適任者もいないか。」


「念のため、挑戦する気のある者がいないか集ってはいる。すまないがすでに決定事項だ。」


「分かったよ。その代わり政治は他の人らに任せっきりになるぞ?」


「構わない。大きな決断の時に決断を下せばそれだけで問題ない。なに、元領主からしたら領地経営よりも簡単な話だ。」


「分かった。ブレクルス王には世話になったからな。引き受けよう。魔王を倒した後はまたこの地を任せるぞ。」


「もちろんだ。このブレクルス、未来永劫勇者アランの力になると誓おう。その成長この目に焼き付けさせてもらうぞ。」


「あぁ。あっという間にあんたを追い越してやるよ。」


という会話があり、成り行きで一時的にとはいえ一国の王になることが決定した。


「えーーー!!!!!!!」


「そんな騒ぐなって。」


「だって、アランが、この国の!?」


「だから落ち着けって。あくまでも一時的にだ。魔王を倒し終わったらブレクルス王に戻ってもらうことになってる。なんでも魔王との戦いに俺との決闘でかなり消耗しているから国民から心配されたんだと。」


「それじゃもっと長い間このお城にいることになるの?」


「そっか。そろそろ家が恋しくなってきてたんだけど。」


「ヒナツの言うこともわかる。この国のしきたりで俺への挑戦者を募ってるらしい。その挑戦があと半月後らしいんだ。ブレクルス王には戻る許可はもらってるんだが・・・」


「世界樹使っていいの?」


「それも許可をもらった。向こうに生やすのは勝手にするとしてどうする?」


「帰ろ!」


「お、おぅ。乗り気だな。」


「最近贅沢な食事ばっかりでたまには普通のもの食べたいし、アランに食べてもらいたいし。」


「そうだな。俺も久々にヒナツの料理が食べたくなってきた。それじゃ、2人は用意してくれ。といってもほとんど荷物は置いてきてるから装備類だけだろうが。俺はブレクルス王に伝えてくる。」


「「はーい」」


ブレクルス王に2週間ほど戻ると伝え、ヒナツ、アラと共にエルミーア王国のアラと出会った付近に世界樹を生やし、王都の家へと帰宅した。


「さすがに急だし、今日はみんなでご飯食べに行こっか。」


「そうだな。アラもそれでいいよな?」


「うん。でもなんだか嫌な予感がするんだよね。具体的に言うならもう人の気配を感じるんだけど・・・」


「俺も気づいてて無視してたんだから言うなよ。」


コンコン


「どちら様だ?」


「モスでございます。ドルマニス王の名代としてまいりました。」


「やっぱりか。戻ったばっかりなんだが・・・」


「王が面会を、と。」


「分かった。俺だけでいいんだよな?」


「はい。国王様がアラン様に対してあまり友好的でないのは私も承知しておりますので。」


言葉を濁したが、思うところはあるみたいだな。まぁ、隣国の王になるんだ。いくらあの王でもあまり変な口も叩けなくなるだろう。






「勇者アランよ。よくぞ戻った。」

「どうせねぎらうつもりなんかないだろ?本題に移れ。」


「相変わらずであるな。魔王討伐の詳細について話すのだ。」


「はぁ?まぁ、いいや。魔王サノイは大量のモンスターを召喚できる力を持っていた。だからこっちも植物の物量と質で応戦した。ブレクルス王の協力もあって勝てた。こんなもんでいいか?」


「とりあえずいいだろう。次だ。近頃我が国の各地で強力なモンスターが目撃されるようになっておる。調査に行ってくるがいい。」


「どのくらいの期間が予想される?」


「貴様の瞬間移動を利用しても1か月はかかるであろうな。」


「ならお断りだ。」


「なぬ?国王からの依頼である。断ることは許さん。」


「あんたが許すかどうかよりも俺らにその時間がねぇんだよ。俺たち3人は2週間後にはブレクルスに戻る。魔王を倒すまで向こうを拠点にする。」


「理由を聞こう。それ次第では貴様を罪人として捕らえることも辞さないぞ。」


「ここにいる全員が口外しないと誓えるのならいいだろう。」


「誓わせよう。」


「英雄国ブレクルスでの魔王との戦いの後、国民からの声を受けて俺とブレクルス王による決闘が行われた。そこで、俺が勝利した。魔王との戦いと俺との決闘を見た国民たちがブレクルス王の身を案じ、俺を国王にするべきだと騒いだらしくてな。半月後には挑戦者を集め、国王を決める決闘が行われる。戻ってきたのは俺の仲間が俺たちの家が恋しいといったのと、本格的にブレクルスに拠点を移す準備をするためだ。モンスターを討伐しろというのなら聞くが、時間のかかる調査はお断りだ。」


「そうであったか。ならばここは引いておいてやろう。」


さすがに隣国の次期王との関係を悪化させるわけにもいかないか。


「何かあればあんたがいつも遣わせているモスで伝達しろ。俺はこれで失礼する。」


そんなやり取りがあり、俺は解放され、ヒナツとアラと久々の庶民的な食事を味わった。やっぱり、この食事のほうが落ち着くな。

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