第33話 ただの領主が新たな流派を生み出した件
「魂の砲撃」
マズい!あれは分身とはいえ魔王の魂を代価にした砲撃だ!その特攻性は・・・
「これなら貴様にも有効だろ?」
「そうだな。当たれば、の話だが。」
強がってはいるが、あれはそもそも純粋なエネルギーの砲撃だ。植物では押し切られる。あいつ自身の元の種族がわからない以上アラに弱点になりうる攻撃を防がせるわけにもいかない。究極の樹人の召喚は間に合わない!かくなる上は・・・
「神盾」
俺のスキルは無限の拡張性を秘めている。植物やモンスターを配合、交配して新たな植物やモンスターを生み出したり、本来不可能なモンスターと植物の交配だってやれる。そしてそれらは俺の意思のままに動くが一つ欠点がある。例えば究極の樹人はそのエネルギーが膨大で、召喚に必要な魔力が俺自身から消費される以上、召喚に少し時間がかかってしまう。さっき5体召喚した時にすぐに召喚できたのは少し前から召喚を開始し、召喚の直前で召喚の儀を止めていたからだ。
そのストックは全てのモンスターや植物に対して1つまでしかできない。神蔦のようにほぼノータイムで動かせるものもあるが、すでに発射された砲撃に反応できるわけもない。
そこで役に立つのが神盾だ。その力は・・・
「我の攻撃を受け止めることができるほどの盾を持っていたとはな。」
絶対的な防御力だ。事前に物質として生み出し、最大限に圧縮して携帯し、能力を起動させることで元の大きさに戻す。神蔦をこれでもかと圧縮しどんな攻撃であろうと防げる盾、神蔦の盾ということで神盾と名付けた。実験的な分、まだ完全なものではない。一度使用すれば1分程度しか持たずに崩壊してしまう。数も用意しているわけではない。
その代わり、いくつか用意していたものはある。それらを駆使してどうにかサノイを倒すしかない。
「だが、それだけ強力な盾、そう長く持つものではあるまい。」
そうサノイが言い終わると同時に盾が崩れ去る。
「やはりか。時間に制限を設けることでその強度を実現していたのか。」
「まぁ、正解とも不正解ともいえないな。アラ、合わせろ。神蔦剣」
こっちは3分程度は持つ。重さと鋭利さに特化した剣だ。この3分で蹴りをつける!サノイももう二重身は使えないはずだ。
「わかったよご主人!英雄双剣術 炎狂裂」
英雄剣術にすら存在していない我流の型!炎をもとに双剣で敵を切り裂いていく!それも狂乱の型という武術まで取り入れ、技として昇華している!
「負けてられないな。植手流菖蒲籠」
俺が新たに生み出した流派植手流。と言っても使用できるのは俺だけだ。俺のスキルで操る神蔦で作った手に剣を持たせ、人間には不可能な手の動きを実現させる。
ならばなぜ流派として確立したのか。それはこの世界における剣術にある。
剣術や流派というものは数多く存在している。その中でもいくつかのグレードがある。
まずは剣派。最も基礎的なもの。鍛錬さえ積めば誰であろうと最低限使用できる。
その次に来るのが剣術。ただし英雄剣術だけは分類が違う。これは一般的な剣士が身につけている技術だ。
そして流派。極めれば達人級とまで言われる剣技だ。これが人類最高峰と言われている。
そして最後、最上級に至る剣技には分類名が定められていない。数百年生きたような魔族くらいしか使用しない。英雄剣術はこれにあたる。
植手流は流派だ。そして俺の精度ならばその剣技は達人以上だ。
菖蒲籠は超高速で敵の周囲を剣で追い込むように攻撃し続けることで敵が意識しないうちに敵を特定の場所に追い込むことができる。それを使用してアラの炎狂裂の範囲から逃がさない!
「ぐぁぁぁ」
アラの強烈な一撃がヒット!サノイの胴から大量の血が吹き出した。




