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ただの領主が神様に勇者認定された件~植物研究のためだけに世界を守る~  作者: 雲英侑李


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第28話 ただの領主が力を手に入れた件

ブレクルス王に自室に返された俺は悩んでいた。

本当にこれを食べるべきなのだろうか。ただ一つ疑念点がある。なぜリア様は俺にこれを渡したのだろうか?なぜ不老の効果を消したのだろうか?


「すぐ食べるかと思ってたけど悩んでるみたいだね。」


「見るだけに戻るってのは嘘だったのか?」


「いやー、嘘じゃないんだけどね。よくよく考えたらアランが食べなかった時それが万が一出回ったらマズイからアランが食べないなら回収しちゃおうと思って。で、何を悩んでるか聞かせてみてよ。」


「単刀直入に聞こう。なぜ不老の効果を無くして俺に渡した?」


「うーん、なんて答えればいいかな。ブレクルスとの違いを聞きたいの?」


「あぁ。」


「それなら簡単。ブレクルスに渡した時にはまだフロウの効果がついたものしか完成してなかったから。アランに渡す時には完成品を渡したってだけだよ。」


「そうか。なら未完成の方をくれ。」


「え!?もしかして不老願望とかある感じ?植物研究のため?」


「そんなに驚くことか?俺の仲間のことを考えてくれよ。」


「獣人のこと魔王でしょ?」


「もしかしてあんたヒナツについてよくわかってない?」


「まぁ、この世界の種族についてとかはぶっちゃけ知らないかな。」


「だからか。ヒナツは虎人族(こじんぞく)。俺も仲間になった当初は数が少ないくらいの認識だったが今ではヒナツ自身も自分以外の生き残りを知らないほどだそうだ。どこかの小国が虎人族の長と対立し20年ほど前に軍を率いて討伐軍を組んだらしい。そこから逃げ仰た数人の生き残りの子がヒナツなんだとさ。その両親もヒナツを亡命させた後にその小国の兵に見つかり殺されたらしい。」


「そんなことが・・・。でも、それと不老に何の関係が?」


「虎人族はその戦が起こる前から数が少なかったそうだ。その理由は永遠に近い時を生きるから。虎人族はエルフ以上に寿命が長いらしい。それにどれだけ歳を取ろうと18歳から姿が変わることがないそうだ。」


「ちなみにヒナツちゃんは・・・?」


「22だそうだ。」


「もっと幼いと思ってたよ。」


「そういう種族だから仕方ないさ。そしてアラ。彼女も魔王である以上永劫の時を生きる。」


「それはそうだね。殺されない限り生き続けることができる。」


「俺が不老になりたいのはだからこそだ。彼女たちを置いて逝くことなど俺にはできない。」


「変わったね。」


「そうだな。勇者になってから随分と変わったさ。いや、仲間を得てからと入った方が正しいか?」


「確かにね。それじゃ、とりあえずそれ返して。」


「?・・・あぁ。」


リア様に果実を渡すとそれは消えるかのようになくなり見た目がそっくりの果実が出てきた。


「ほら。これが未完成品。成長限界を無くす代わりに不老になる果実だよ。万が一他の人に食べられると困るから食べ終わるまで見てから帰るね。」


コンコン


「あんた本当に運が悪いな。入れるがいいか?」


「いいよ。ヒナツちゃんでしょ?」


「この気配はアラもいるな。はーい。」


「アラン。ブレクルス王と何か話してたみたいだけど・・・」


そこまで言ってリア様の存在に気づいたらしい。


「リア様!?」


以前会っているヒナツはびっくりしているがアラは何が何だかという様子だ。


「アラは知らないよな。こちらこの世界を作った神様、リア様だ。」


「・・・」


「どうもー。神様のリアちゃんだよー」


「えぇーーーーーーーー!!!!!!!!」


「まぁ、そういう反応になるよな。」


「アランが持っているのは?」


「俺に力をくれる果実だ。リア様、この2人にももらえたりしないか?」


「デメリットが実質ないからちょっとズルいけどまぁいいよ。」


「デメリット?ちょっと待って、アランはどんなデメリットを負うの?返答次第では意地でも止めるよ。」


「大したものじゃない。というより俺からデメリットのあるものを望んだんだ。ないものももらえるがそのデメリットが俺からしたらメリットでしかないからな。」


「本当に?」


「本当だ。」


「一応教えておくね。この果実はブレクルス王も食べてるんだけど、不老、老いなくなることがデメリット。その効果は自身の成長限界を無くす。言い換えればどこまでも強くなれる果実だよ。」


「老いなくなる?ご主人はそれでいいの?人間は老いるからこそ人生を謳歌できるとかって聞いたことあるけど・・・?」


「お前たちといることが俺にとって何よりも大事なことなんだ。永遠に近い時を生きるお前たちとな。」


「ボクたちのため?」


「そんな!ダメだよ!私たちのために自分を蔑ろにするなんて。」


「いーや、俺のためだ。俺がお前たちとずっと一緒にいたいからこうするんだ。」


「そう、なの?」


「あの、あんまり長居すると他の人に見られかねないからさっさと決めて食べるなら食べて。それを見届けないと帰れないから。」


「だそうだ。ほら早く2人も受け取って食べろ。」


味は・・・無味だな。この見た目で食べた気もしないし味もしない。不思議な感覚だな。


「なんか変な感じー。食べ物じゃないみたい。」


「だな。」


「それは仕方ないでしょ。食べ物じゃなくて生物の限界を越えるためのものなんだから。それじゃ私はこれで。」


俺の前に今日だけで2度も姿を見せた神様は今度こそ帰って行った。天界みたいな場所でもあるのか?長居すると他の神様に怒られるとかあったりするから急いでたのか?世界が平和になった後に会えたなら聞いてみてもいいな。



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