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ただの領主が神様に勇者認定された件~植物研究のためだけに世界を守る~  作者: 雲英侑李


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第27話 ただの領主が英雄王の秘密を知った件

ブレクルス王の強さは異常だ。まさかあれが負けるなんて思ってもみなかった。音速を超える攻撃に反応、そしてその速度を出せるモンスターすら追うことができない速度での超連撃。いくら剣術に選ばれたとはいえ人間にできる芸当なのだろうか?


「どうした?何か考え事か?」


「いや、先の戦闘を見て改良できないものかと。」


「あれ以上強くなるのか?そうなると俺にも手に負えないぞ?」


「本当でしょうか?」


「何が言いたい?」


「単刀直入にお聞きしましょう。私はブレクルス王を信頼していいのか今更ですが天秤にかけています。」


「ほう。」


「あまりに人間離れした力、英雄剣術と鍛錬・才能という言葉だけでは説明がつかないその力の説明を求めます。」


「やはり勇者というのは特別な存在なのだな。あぁ、警戒しないでほしい。魔王が言いそうなことだが断じてアランの敵になることはない。」


「では、説明をしていただいても?ちょうど今この部屋には2人しかいません。」


「分かった。それでは遠い過去にとある世界で起こった事件の話から始めよう。その世界では信託により勇者が決定する。それはこの世界と同じだ。それで勇者に認定されたヴィルドという男がいた。」


「?」


なんでこんな話をするんだ?意味があるからなんだろうから一応黙って聞くか。


「その男は勇者に認定された時点で50歳、戦闘経験なんてないただの露店で串焼き屋を営む男だった。そんな男だが数年かけ訓練をして魔法使いとして魔王と戦い、魔王を打ち破ることに成功した。その世界では勇者は必ず魔王を討伐してきた。しかし、その年齢で魔王を討伐した功績を讃えられ、歴史上で最も有名な勇者になったそうだ。」


「なぜ、そのような話を?」


「まぁ、落ち着くのだ。本題はここからだ。その世界で信仰されていた神はリア様ではない。だが世界自体を作り出した神はリア様だったらしい。とある日、俺の前にリア様が降臨し俺の脳内にはヴィルドの記憶が刻まれた。」


「なぜ?」


「リア様曰く、俺はヴィルドの生まれ変わりなのだそうだ。そしてヴィルドが持っていた力とは言わないがそれに等しい力を俺に授けるとも。おそらく勇者の話をする際にはとうに忘れ去っていたのだろうがな。」


「なんでそう思うのー?」


「そりゃ500年も前の話なんて・・・」


「・・・・・・・・」


俺もブレクルス王も言葉を詰まらせる。そこに入るはずのない人物、いや、神がいたのだから。


「いやー、アランもヴィルドもおひさー」


「どうしてここに?」


「いやー、ちょっと話が拗れちゃいそうだったしねー。あ、今はブレクルスって名前だったね。まぁ、どのみちこの話してたみたいだしいいでしょ?」


「まぁ、いいですが・・・」


ブレクルス王でもリア様には敬語なんだな。


「ってことでお話を整理するね。まぁ、さっきのブレクルスの話からの続きなんだけど、私はヴィルドのことをすっごく気に入っててね。それで転生したその先を探してたんだー。それで見つけたのが2回目の転生後のブレクルスってわけ。」


「はぁ。」


「それでお気に入りだったってこともあるし、気まぐれでブレクルスに力を授けたの。それがこの子の力の正体。決して悪い子じゃないよ。力の内容は不老と成長限界の無効化だけだけどね。この子は無限に成長できるし無限に生きられるってこと。致命傷を受ければ死んじゃうけど、700年以上も生きてこれだけ強いと死ぬことなんてそうそうないよね。」


「700年!?たしかに、それならあの強さも納得だが・・・」


「アランの言いたいこともわかるよ。なんで勇者の種を持つからと自分のもとに来たのか、でしょ?」


「あぁ。無限に生きられて、すでにこれだけの力を持つ存在がいるのならそっちに託すべきだろう。」


「まぁ、言ってることは間違ってないかな。でもね、知ってると思うけど魔王って魔物を操る、支配する王様だから魔王なんだよね。他の世界ではともかくこの世界では。何が言いたいかっていうとその操る力がブレクルスからしたら問題で結局のところ1人で相手にできる数って限界があるわけ。その限界を超えて操ってくる魔王は相性が悪いんだよ。」


「なるほど。だからといってなぜ勇者ならいけるとなるんだ?」


「この世界の勇者はね、種を発芽させると大量のモンスターを同時に相手に取れるようなスキルをゲットするんだよ。そうだったでしょ?」


「まぁ、そうだが・・・」


「アランほど好きなものが顕著に出る人ってのはなかなかいないけどアランみたいに使い方次第でたくさんのモンスターを相手できるスキルが勇者には宿るの。で、これまでは魔王が生まれない平和な世界だったから種が発芽するなんてことはなかった。でも、これだけの数の魔王が同時に生まれて勇者の種が発芽する必要性が急遽高まった。あとはわかるでしょ?」


「俺に干渉して勇者であることを自覚させ種を発芽させた。」


「そゆこと。ってことで2人の橋渡しは終わり。今日来たのはこっちがメイン。」


そう入って俺に果実を手渡す。


「これは?」


「まさか・・・!」


「ブレクルスはわかってるみたいだね。これはブレクルスに渡したものと同じ不老の体を手に入れられる代物、って言いたいところだけど、あなたそれ望まないでしょ?力を望むタイプでもないし。だからちょっと違うもの。不老の効果だけ無くして成長限界を無くすってだけのね。」


「なぜこれを?」


「いや、アラン結構面白いからアランのことをたまに見てるんだけどそろそろ成長限界に達しそうだからね。アランは肉体には恵まれてるんだけど何に対しても才能がないからもうそろそろ成長が止まっちゃうんだよね。」


「そうなるとどうなる?」


「スキルの使い方を考える以外に強くなる手段がなくなるね。成長しないんだもん。魔王が啀み合ってるおかげで成長に時間は使えるからね。一応倒せずに引退なんてことになっても困るから老化を抑える力は含まれてるけどせいぜい20年寿命が伸びるかどうかくらいだと思うよ。」


「そうか。」


「食べるかどうかはあなたの自由。あとはまた見るだけに戻るから。それじゃ2人とも、またね。」




「「またねって、またくるつもりなのか?」」

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