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第18話 仲間

ブロンズの表情がわずかに鋭さを帯びた。

ブロンズ「お前……ここのものじゃないだろう……? どこから来た?」


ペイジンは一瞬だけ言葉を探し、それから少し肩をすくめるように答えた。


ペイジン「ルークスだよ?仲間みんな持ってて……」


ブロンズの瞳がかすかに光る。


ブロンズ「……奴らの場所は!?

その仲間たちは今どこにいる!」


ペイジンは首を横に振った。


ペイジン「今は私ひとりだし……みんなバラバラになったよ。すごく遠くを冒険してて……だからどこにいるのかも分からないの」


ブロンズは短く息を吐いた。まるで長年追ってきた謎が、まだ霧の奥に隠れていると告げられたような表情だった。


ブロンズ「そうか……。ならば、その仲間たちが何を求め、どこに向かっているのか――それが分かれば、この王国の行く末も見えてくるはずだが……」


ペイジンはそっとピンク色のアルカードクリスタルを見下ろした。母の形見。その輝きが、遠い仲間たちとどこかでつながっているような気がしてならなかった。


ブロンズはゆっくりと新聞を広げた。紙面が夜風にバサリと鳴り、ペイジンの目の前に大きく見せつけられる。


ブロンズ「もしかして……君、クロス・アルカードの仲間で間違いないな……?」


彼の声には確信めいた響きがあった。


ブロンズ「見てみろ。この新聞を。つい二週間前、聖地クロトワリアの七賢人全員を倒してしまったというニュースだ。神官アルデュエルでさえ、彼らの前に降参してしまったという……」


ペイジンは目を見開いた。


ペイジン「えっ……!? クロスくんとセノくんが七賢人を……!? 凄すぎるよ!!誰も勝ったことがない相手だったのに……!!」


※アドバンテイルファンタジア編参照。


彼女の声は驚きと誇らしさで震えていた。あの七賢人――聖地クロトワリアの守護者たち。幾百年にわたり無敗とされた伝説の存在。それを打ち破ったのが自分の仲間だなんて、信じられない気持ちと、胸が熱くなる気持ちが同時に込み上げてきた。


ブロンズは新聞から目を離さず、低く言葉を続ける。


ブロンズ「……その力が今、王国を揺るがしている。七賢人が倒れたことで、均衡が崩れたのだ。お前たちルークスの動きは、もはや王国の歴史そのものを変えようとしている……」


ペイジンは新聞の見出しをじっと見つめた。クロスの名。セノの名。遠い仲間たちの戦いが、確かにここにも影響を及ぼしていることを、初めて実感した瞬間だった。


ブロンズは新聞をたたみ、深い息を吐いてからゆっくりと口を開いた。


ブロンズ「まぁ、それはさておき……彼が“世界の神”と接触したことがあるという話……とても興味深い。」


ペイジンの瞳がわずかに揺れた。クロスのことになると、自然に胸が熱くなる。


ペイジン「クロスさんは幼なじみだけど……私にとっては恩人なんですよ。四年前……私は追われていました。何もかも失いかけて……必死で逃げることしかできなかった。そんな時――クロスさんが助けてくれたんです。左手を掴んでくれて……」


その瞬間のことを、ペイジンはまるで昨日のことのように覚えていた。冷たい雨の中、背後から迫る影。もう駄目だと膝をついた時に、クロスが差し伸べた手の温もり。彼の瞳には一切の迷いがなかった。


ペイジン「クロスさんがいなければ……今の私はここにいない。だから私にとっては……ただの英雄じゃなくて……」


言葉が途切れた。ペイジンは唇を噛みしめながら、手の中のアルカードクリスタルを強く握りしめた。あの日の記憶と共に、それは今も彼女の心に灯り続けているのだ。


ブロンズはしばらく黙っていたが、やがて低い声で言った。


ブロンズ「なるほど……彼がその力を持ち、さらに世界の神とまで関わっているのなら……この国の未来は大きく変わることになるだろうな。」


ブロンズの声が低くなった。彼の視線はペイジンの手にあるピンク色のアルカードクリスタルへと向けられている。


ブロンズ「……そして、その力を……あのアルカードジュエリーが持っているんだ」


ペイジンは無意識に宝石を握りしめた。


ブロンズ「怪盗ジュンがそれを手に入れようと企んでいる……!」


その名が出た瞬間、ペイジンとニィは同時に顔を上げた。さっきまで笑みを浮かべていたジュンの姿が脳裏に蘇る。


ブロンズは懐から一枚の紙を取り出した。そこには美しい文字で挑発的な文章が書かれている。


ブロンズ「予告状も届いたんだ……明日の夜、アルカードジュエリーをいただきに参上すると。城の衛兵たちは警戒を強めているが……奴は並の盗賊じゃない。必ず何か仕掛けてくるだろう」


ペイジンは唇を噛んだ。あのイタズラ好きの怪盗ジュンが、母の形見を狙っている……?


ペイジン「……絶対に渡さない。お母様の宝石だけは……!」


ニィも表情を引き締め、深くうなずいた。


ニィ「来るなら来るで、迎え撃つしかないニィ」


ブロンズは二人を見て、重々しくうなずいた。


ブロンズ「……明日の夜が、正念場になるだろうな」


ブロンズはゆっくりと首を横に振り、ペイジンの持つ宝石にちらりと視線を送った。


ブロンズ「勘違いするな。ペイジン……お前の持っているのはアルカードクリスタルだ。ジュンが欲しているのは、アルカードジュエリーの方だ……」


ペイジン「えっ……? じゃあ、狙われてるのは私のじゃないの?」


ブロンズはテーブルの上に並ぶ赤い果実を指さした。炭酸の泡がまだしゅわしゅわと音を立て、夜空の光を反射して小さな宝石のように輝いている。


ブロンズ「そうだ。そこの赤い果実……さっきお前たちが飲んでいた炭酸に使われていたものだな。あれこそがアルカードジュエリーと呼ばれる品で……価値は計り知れない」


ニィ「……まさか、ただの果実だと思ってたのに……」


ブロンズは厳しい目つきで、会場を一望した。煌びやかな音楽と笑い声の中に、怪盗ジュンの影が潜んでいる気がしてならなかった。


ブロンズ「ジュンはあれを狙っている。予告状はただの脅しじゃない……必ず動いてくる」


ペイジンは無意識に拳を握った。ジュンの真の狙いが、はっきりした瞬間だった。


ブロンズはゆっくりと首を横に振り、ペイジンの持つ宝石にちらりと視線を送った。


ブロンズ「勘違いするな。ペイジン……お前の持っているのはアルカードクリスタルだ。ジュンが欲しているのは、アルカードジュエリーの方だ……」


ペイジン「えっ……? じゃあ、狙われてるのは私のじゃないの?」


ブロンズはテーブルの上に並ぶ赤い果実を指さした。炭酸の泡がまだしゅわしゅわと音を立て、夜空の光を反射して小さな宝石のように輝いている。


ブロンズ「そうだ。そこの赤い果実……さっきお前たちが飲んでいた炭酸に使われていたものだな。あれこそがアルカードジュエリーと呼ばれる品で……価値は計り知れない」


ニィ「……まさか、ただの果実だと思ってたのに……」


ブロンズは厳しい目つきで、会場を一望した。煌びやかな音楽と笑い声の中に、怪盗ジュンの影が潜んでいる気がしてならなかった。


ブロンズ「ジュンはあれを狙っている。予告状はただの脅しじゃない……必ず動いてくる」


ペイジンは無意識に拳を握った。ジュンの真の狙いが、はっきりした瞬間だった。


その頃、王国の城から遠く離れた高層ビルの屋上。夜風が強く吹き抜け、下には灯りに包まれた街が広がっていた。


???「予告状、出しといたよ〜。あとは君の出番だね」


ビルの縁に立つ人物が振り返った。月明かりがその横顔を照らす。怪盗ジュンだ。


ジュン「ありがとう。……さあ、ここからが本番だ」


彼女の腰に装着されたベルトの中央、狼のマークが赤く輝き始める。


ジュン「変身――!!」


叫びと同時に、ベルトのマークがまばゆい光を放った。赤い閃光がジュンの体を一瞬で包み込み、彼女の影が風のようにしなやかに変化していく。


黒いコートがなびき、瞳が闇夜に映える深紅へと染まる。そこに立っていたのは、さっきまでの明るくイタズラ好きな少女ではなく、冷静で研ぎ澄まされた怪盗の化身だった。


ジュン「さあ、アルカードジュエリー……いただきに参上するわ」


彼女は夜空を見上げると、まるで獣のように屋上から飛び出し、闇の中に消えていった。

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