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第17話 夜のパーティ会場

その夜、空は月明かりに照らされ、王国の城が白く輝いていた。


ブロンズはいつもの落ち着いた笑みを浮かべながら、ペイジンとニィの前に現れた。


ブロンズ「魔法少女ペイジン、そしてニィ嬢。よろしければ今夜、王国の城の中庭で開かれるパーティにいらっしゃいませんか?」


ニィ「パーティ……? どうして私たちを……?」


ブロンズ「理由はいくつかありますが――一つは、あの昼間の異変について詳しく話し合う必要があるからです。城の者たちも事態を気にしています。ですが、もう一つは……単純に楽しんでいただきたいのです。あの中庭の夜会は、王国でも有数の華やかさですから」


ペイジンは少し迷った。だが、あの海の向こうからの冷気のことが頭を離れなかった。もし城で何かわかるなら――。


ペイジン「わかりました。行きます」


ブロンズは満足そうにうなずいた。


ブロンズ「では今夜、城の中庭で。煌びやかな灯りの下でお待ちしております」


そう言い残して、ブロンズは夜の街路に消えていった。


ペイジンは歩きながら、ふと気になったことを口にした。


ペイジン「ねぇ、ブロンズはプラチナってご存知ありませんか?」


ブロンズは立ち止まり、少しだけ首をかしげた。


ブロンズ「さぁ……?全く知らない人だぞ……」


その言い方があまりに真面目だったので、ニィが笑いながら肩をすくめた。


ニィ「漫画のキャラクターがいるわけないニィ……」


ペイジン「あ!そっか!確かに……」


ブロンズは不思議そうに二人を見たが、やがて肩を揺らして小さく笑った。


ブロンズ「あなたたち、本当に面白いな。城のパーティに来れば、そのプラチナとやらよりも興味深い人物に会えるかもしれないぞ」


ペイジンとニィは顔を見合わせた。まさかこの夜が、新たな出会いと波乱の始まりになるとは、この時まだ知らなかった。


ブロンズはペイジンの横顔をちらりと見て、少し意地悪そうな笑みを浮かべた。


ブロンズ「しかし……君にはこんな言葉が似合いそうだな……? PE……☆」


ペイジンは一瞬目を瞬かせた。


ペイジン「PE? なんのことだろう?」


ニィは腕を組みながら首をかしげる。


ニィ「聞いたことない言葉ニィ……」


ブロンズは少しだけ視線を夜空に向けてから、わざとらしく肩をすくめた。


ブロンズ「まあ、今はまだわからなくていいさ。いずれ知ることになるだろう。PE――それは君の運命に深く関わる言葉だ」


ペイジンは胸の奥でわずかなざわめきを感じた。何か大きなものの序章を告げられたような、不思議な感覚。


ペイジン「……運命、か……」

ニィ(運命の人格者......!)


夜風が少し強まり、城の方から微かな音楽が流れてくる。今宵のパーティがすでに始まっているのだ。


ブロンズは城の中庭にしつらえられたテーブルの前に立ち、ちらりとペイジンたちを振り返った。夜風に乗って、果実の甘い香りが漂ってくる。


ブロンズ「何を飲みたい? 炭酸もあるぞ。木の実から取って作った特製さ……城の料理人たちが腕によりをかけて作ったものだ」


ペイジンはきょろきょろと並んだ飲み物の列を見回した。赤い果実から作られたワインのような飲み物、琥珀色に輝くジュース、そして透明なグラスの中でしゅわしゅわと泡を弾けさせる炭酸飲料。


ペイジン「じゃあ……その炭酸のやつにする。甘いの?」


ブロンズ「甘いが、後味はすっきりしている。疲れも取れるぞ」


ニィは少し悩んでから、果実酒のような色をした飲み物を選んだ。


ニィ「わたしはこっちにするニィ。なんか身体が温まりそうだし」


ブロンズは笑みを浮かべながら、手際よく飲み物を注いでいった。夜空の下、灯りが反射してグラスの中で泡がきらめき、小さな星々のように見えた。


ブロンズの表情がわずかに鋭さを帯びた。


ブロンズ「お前……ここのものじゃないだろう……? どこから来た?」


ペイジンは一瞬だけ言葉を探し、それから少し肩をすくめるように答えた。


ペイジン「ルークスだよ? 仲間みんな持ってて……」


ブロンズの瞳がかすかに光る。


ブロンズ「……奴らの場所は!? ルークスの仲間たち、今どこにいる!」


ペイジンは首を横に振った。


ペイジン「今は私ひとりだし……みんなバラバラになったよ。すごく遠くを冒険してて……だからどこにいるのかも分からないの」


ブロンズは短く息を吐いた。まるで長年追ってきた謎が、まだ霧の奥に隠れていると告げられたような表情だった。


ブロンズ「そうか……。ならば、その仲間たちが何を求め、どこに向かっているのか――それが分かれば、この王国の行く末も見えてくるはずだが……」


ペイジンはそっとピンク色のアルカードクリスタルを見下ろした。母の形見。その輝きが、遠い仲間たちとどこかでつながっているような気がしてならなかった。

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