表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/26

第12話 お宝争奪戦

第12話 おたから争奪戦


夜の街を切り裂くように、ほうきが疾走する。

ビルの屋根を縫うように走るジュンの影を、ペイジンは空から鋭く追い詰めていった。


ペイジン「止まりなさい、ジュン!!宝物はその子のものよ!!」


ジュンは振り返り、仮面の下からくすりと笑った。


ジュン「だからこそよ。私が持っていけば――もっと大きな価値になるの」


ビルの屋根から屋根へ、ジュンの動きは軽やかで速い。

まるで重力など存在しないかのように、夜風を切り裂き、足音ひとつ立てずに跳ぶ。


ペイジン「何を企んでるの!?宝物をどうするつもり!?」


ジュン「答えは……まだ秘密。追いつけたら教えてあげるわ」


挑発的な声とともに、ジュンが手首をひらりと返す。

次の瞬間、ビルの看板が切り落とされ、ペイジンの進路を塞いだ。


ニィ「ペイジン!!危ないニィ!!」


ペイジンはほうきを急旋回させ、看板の破片をすれすれで回避する。

そのまま加速し、ジュンの背中に迫った。


ペイジン「もう逃がさないッ!!」

ジュン「ふふ……本当にそうかしら?」


次の瞬間、ジュンは煙のように消え、隣のビルの壁を駆け上がっていた。

その速さと身軽さは、まるで影そのもの。


ニィ「な、なんて動きニィ!?あれ、人間の身のこなしじゃないニィ!!」


ペイジン「どんな手を使ってでも止める……!!」


彼女の目が鋭く光り、スリーピィーステッキが再び魔力を帯び始めた。

夜の街を舞台に、魔法少女と怪盗の空中戦がついに始まろうとしていた――。


夜の屋根を跳び渡るジュンの後ろ姿を、ペイジンは必死に追い続けていた。

ほうきは風を切り裂き、スリーピィーステッキの先端には淡い光が揺らめく。


ペイジン「……でも、変よ!あのジュンって奴……」


ビルの上に月明かりが差し込み、ジュンの影が長く伸びる。

その影が――一瞬、人の形ではなくなった。


ペイジン「なにか……バケモノが、乗り移っているみたい……!」


ジュンが次の屋根に着地した瞬間、その輪郭の中に獣のような影が浮かび上がる。

伸びた爪、狼の耳、月を睨むように光る赤い瞳。


ニィ「ペイジン……見えるニィ!?あれは……!」

ペイジン「……人狼……!?ジュンの体に……!」


影の中でジュンが一度だけ振り返った。

仮面の奥から月光を受けた目が光り、狼のような殺気が一瞬だけ漏れ出す。


ジュン「――追ってくるのはいいけど、ここから先は危険よ?」


その声は人のものなのに、どこか低く、獣の唸り声が混じっていた。

次の瞬間、ジュンの跳躍はさらに速く、

鋭くなり、屋根を砕くほどの力を帯びる。


ペイジン「やっぱり……ただの怪盗じゃない!」


ほうきが加速し、夜の空に二つの影が交差する。

人狼の気配を纏った怪盗と、魔法少女ペイジンの追撃戦が、いよいよ激化しようとしていた。


夜の屋根を駆けるジュンを追い詰めようと、ペイジンはほうきを加速させた。

人狼の影がちらつく怪盗の背中が、すぐ目の前にある。


ペイジン「もう逃がさない……!」


だがその瞬間――

ヒュンッッッ!!


鋭い風切り音が闇を裂き、一本の矢が夜空を駆け抜けた。


ニィ「ペイジン!危ないニィ!!!」


矢は一直線に飛来し、ほうきに乗ったペイジンの身体に――


ガンッッ!!

ペイジン「っ……ぐあっ!!」


衝撃でほうきが大きく傾き、ペイジンの身体がバランスを失う。

彼女は必死にスリーピィーステッキを握りしめながら体勢を立て直した。


ペイジン「な、何……!?どこから……!」


ニィが素早く夜空を見回し、遠くの屋根の上を指差した。


ニィ「ペイジン!あそこニィ!!」


月明かりに浮かび上がったのは、プラチナ色のポニーテールをなびかせた騎士――ブロンズ。

弓を構え、次の矢をすでに番えている。


ブロンズ「……魔法少女ペイジン。やはり貴様も、危険因子か」


ペイジン「ブロンズ……!?どうしてあんたが私を……!」


ブロンズは答えず、冷たい視線のまま二射目の矢を放とうと弓を引き絞った。

夜風が一層強くなり、空気が張り詰めていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ