表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS爺、百合エロゲ―の世界のダンジョンに挑む  作者: 蒼井茜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/65

主人公交代のお知らせ

「あー、久しぶりの日光……溶ける」


「アキラ、いつの間に吸血鬼になった」


「吸血スキルなら覚えたよ……この前ダンジョンで」


 久しぶりにダンジョンの外に出てきたアキラ、それを偶然見つけた私は顔をしかめながら突っ込みを入れる。

 臭い、そりゃ何日もダンジョンに籠っていればそもうなろう。


「食堂まだやってるかな……」


「アキラ、先にお風呂」


「えーお腹空いたよ」


「食堂はもう閉まってるし開いてても門前払い。臭い」


「そんなに……?」


「すごく。洗ってない犬をどぶに突き落としたみたいな臭いがする」


「うげぇ……じゃあお風呂は開いてる?」


「寮の風呂なら24時間入れるようになっている」


 この学校はいくつか浴場を用意する事で24時間いつでも身体を清められるようにしてあるのだ。

 主にダンジョンで活動する生徒のために、という事だが……ゲーム的なシステムを無視すればそういう話になるのか。

 スチル回収のためにひたすら風呂に通ってた時期が私にもあった、ゲームでだけど。

 ついでに言うなら女児の身体の方に慣れたので今更同性の裸を見たところで思う所はない、そんなには……。


「じゃあまずお風呂か……それからコンビニで何か食べよ」


「なら私が買い出しをしてもいい」


「んー、いや、一緒にはいろう! ダンジョンでの話聞いてほしいし!」


「構わない」


 この時の私を全力で殴ろう、手段は問わない。

 そう心に決めたのは風呂場についてからだ。

 アキラの隣で髪の毛を洗いながら視線に気づいた。


「ちっぱいもなかなか……」


 ピッと石鹼水をアキラの目玉に直撃させる。

 のたうち回っているのを無視して髪を纏めてから浴槽に入ると、アキラが背後から抱き着いてきた。


「………………スキンシップは苦手だ」


「私は結構好きだよ」


「なら蓮野の所に連行する」


「勘弁してくださいマジで」


 表情が消えうせたアキラだが、それでも私を離さない。

 こんなイベント知らないぞ。

 好感度の高い相手と風呂に入ると多少キャッキャうふふなシーンはあるが、こんなのは知らんぞ。


「ふむふむ、小さいように見えて弾力はあり……」


「胸をもむな、摘まむな、撫でるな!」


「おぉ、お腹も柔らかい。お肌すべすべで羨ましい!」


「ふんっ!」


 鳩尾に一撃、悶絶するアキラから距離を取る。


「そういう目的ならば実力でねじ伏せる」


「やってみなぁ?」


 ゆらりと立ち上がったアキラを相手に徹底抗戦の構えを取る。

 拳を握り、頭に巻いていたタオルをほどいて鞭のように使う。

 湯船の中で貞操をかけた戦いが始まった。


 水の抵抗を受けながらも素早く接近してくるアキラの頭を掴み跳躍、そのまま背後に回り水面に着地して回し蹴りを頭部へ叩きこむ。

 しかし片手で防がれる。


「おぉ、つるつる」


「どこを見ている変態!」


 水面をもう一度蹴り上げて残っていた脚で蹴り、流石に受け止められないと判断したのか回避したのを見てからパシンとタオルで背中を叩く。


「いったぁ!」


 鞭として使えたので多少のダメージにはなっただろう。

 ただ素の攻撃力がなさすぎるな……。


「このぉ」


「ふっ……」


 髪を纏めるのに使っていた紐を操りアキラの脚を捕らえる。


「ぎゃんっ」


 色気のない悲鳴を上げながら湯船に倒れ込んだアキラの頭部を踏みつけ、動かなくなるまで放置した。

 ふぅ、なんとか貞操は護れたようだ。

 だがアキラは目覚めてしまったらしい、百合の破道に。


 とりあえずこいつと風呂に入るのはこれで最後にしたいものだ。

 気を失ったアキラをおぼれない位置に置いて風呂から出る。

 のぼせるのは知らん、その前に起きればいい。

 湯冷めも知らん、襲ってきた報いだ。


 ちょうど私が出ようとしたところで静江とばったり出会った。


「あれ、命?」


「静江、悪い事は言わないから今はやめた方がいい」


「え、なんで?」


「中で猛獣が寝ている」


「猛獣?」


「百合の破道に目覚めたアキラ。襲われても責任はとらない」


「お風呂で寝るとか危ないじゃない。介抱してくるわ」


「あ、いや、人の話を……」


「百合だか何だか知らないけどダンジョン帰りにはよくある事よ、人が変わっているなんて。その程度で友達を見捨てられるわけないでしょ」


 チョロインたる由縁が出てしまったか……。


「静江、恨まないと約束してほしい」


「なんで命を恨むのよ」


「ここで静江を見捨てる私を恨まないでほしい。頼むから」


「……まぁ、忠告されたし見捨てたわけじゃないでしょ? だから私は自分の意志でアキラさんを助けに行くのよ」


 か、かっこいい……百合怪獣を相手に助けに行くと言い切る姿勢。

 今だけはお前が主人公だ、静江。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
自分が羊であることには気づかないが相手は狼であることを知っていて、尚且つ自分も狼であると勘違いしたおバカちゃん
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ