表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS爺、百合エロゲ―の世界のダンジョンに挑む  作者: 蒼井茜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/65

見捨てるのも大切

 放課後、職員室で蓮野の話を聞いた。

 まぁ知ってる内容というか、先代が完全な隠居を決めたという事で私の立場は固まったという話である。

 つまり以前病室に突撃かましてきた婆さんみたいなのはもう出てこない、分家の連中も私を認めた、先代がそれを了承して本家の継承権を持つ事になったという話である。

 上兄が継承権放棄して、下兄が一番継承権が強いというが私は興味が無いのでパス。

 そう伝えた瞬間だった。

 ガっと肩を掴まれたのである。


「命、よく聞いて……」


「なに」


 珍しく真面目な表情をしている蓮野。それに少し驚いた」


「私たちみんな継承権とかいらないの。早々に放棄した馬鹿を見習って私達も捨てるつもり。だから継承できるのは命だけになるの。というわけで後はよろしく」


「ふざけんな」


「……真面目な表情で頼めば行けると思ったけど、難しいものね」


「ごりおしじゃないか」


「まぁ、そうはいってもお爺様もお父様もその辺了承してくれてるから実際命でほぼ確定なのよ、次期当主」


「……さてはその為に黙ってたな?」


 いや、立場的に知ろうと思えばすぐにでもわかる内容だっただろう。

 ただ意図的に伏せられていた、隠されていたのだ。

 気付けというのが無茶だが……くそっ、せっかく知ってたのに回避できなかった。

 思えば命は次期当主という立場に悩んでいるキャラだったのを思い出したぞ……それを支えるのが主人公になるかどうかがルートの肝だった。

 駆け落ちルートと、次期当主ルート、二つのハッピーエンドがあるとして有名だった一方で、バッドエンドは実質全滅エンドしかないという仕様だった。

 その全滅エンドの種は積んだし、地盤も固めた、私自身も強くなったから問題ないのだが……。


「蓮野、こういう時はいい方法がある」


「ないわ、もう後継者として命で決定だから」


「まだ間に合う」


「残念ながら先月のうちに私達は継承権を放棄したの」


「正統後継者になったら蓮野は好きなだけ金を使って研究ができる」


「残念だけどお金は自前でも腐るほど持っているの。それに研究より女の子が好き」


「上兄を殴り倒して無理矢理後継者にする」


「あれはもう放棄して長いのと、自前の会社が随分と成長しているから無理ね」


「下兄を生贄にする」


「あっちは今頃ブラジルよ。羅神聖国との打ち合わせもあるって言ってたから独自のルートで探索者としてやっていくみたい」


「なら蓮野を殴る」


「残念だけど今あなたが話しているのは幻影、私のスキルよ」


 くそっ、本格的にすべてのルートを塞がれた!

 というかお前それ一応ユニークスキルだろ!

 影魔術、汎用性が高くできない事を探す方が難しいと言われるスキルをこんな事に使いやがって……なら探し出してぶん殴るか!

 とりあえず幻影に延髄蹴りをかましてから、消えるのを確認して職員室を飛び出す。


 思い出せ、後れを取った分私にできるのは報復だけだ。

 あいつは今どこにいる……そうだ、この時間帯ならば主人公を襲っているはずだ。

 そう思い、やらかした。

 気付いたのは教室に飛び込んであられもない格好になった主人公アキラを見た時だった。


「……ふんっ!」


「おごっ……」


 蓮野の腹に一発拳を叩きこみ、それからアキラを見なかったことにしてその場を去る。

 百合の神聖な空間に混ざるという許されざる行為をしてしまったが、復活すれば蓮野は続きに戻るだろう。

 アキラは……すまん、尊い犠牲だし空間が文字通り尊かったから許せ。

 相手が蓮野という一点だけが悪なのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ