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TS爺、百合エロゲ―の世界のダンジョンに挑む  作者: 蒼井茜


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シスコンレズ

「はーい、みんな席についているわね。私は月神蓮野。あなた達の担任になるからよろしく。ちなみに恋人は募集中ね」


 我が姉ながらはったおしたくなるな。

 男子が鼻の下伸ばしているけど、無視。

 アキラは隣で頬を染めて憧れの眼差しみたいなの向けている。


「命のお姉さん、美人さんだね……それに月神蓮野って論文で有名だよね」


「よく知ってるな。確かに論文で賞を取っているが……結構マニアックだったと思うけど」


 なんだっけ、ダンジョンにおける人体構造の変革とか言う内容だった。

 ようはレベルアップやスキル会得ってのは人体構造そのものを書き換えているんじゃないかという内容で、ダンジョンはそのための装置なんじゃないかという仮説。

 あくまでも仮説で、まだ研究はこれからというレベルの物だからあまり有名ではないが、それでも見どころはあるとして受賞していた。


「後で色々聞いてみたいな……」


「好きにするといい。私は今日は帰って寝る」


「えー、一緒に行ってくれないの?」


「蓮野の論文は本人の解説付きで読んだから十分。未解明の部分含めて研究の手伝いもしている」


「あー、そっか。姉妹だもんね」


「正確には従姉妹だけど」


「ややこしいね……」


「生まれと育ちが複雑だから」


 私の言葉にアキラが表情を崩す。

 泣きそうというか、悲しそうというか……何とも言えない味のある表情をしている。

 共感力とかそういうのが強いのかもしれないけど、別に私は悲しいとか思ってないからなぁ……。


「一つ忠告」


「え?」


「逃げる準備はしておいた方がいい。あれは雑食」


「……え?」


 アキラが不審げな表情をしてきたが無視。

 忠告はした……あとは本人のやる気と能力次第だ。

 どうなっても私は知らん。

 ……正直助けに行きたいが、巻き込まれる可能性が高いので今回は逃げさせていただこう。


 ついでに目覚めたアキラからも距離を取れたら最高である。

 私が性的に食われる可能性がいくらか下がるから。


 後はダンジョンさえ気をつけておけばいいのだから、まぁ油断しなければと言った所だろう。

 ガハハ、勝ったな。


 それからしばらく蓮野による今後の予定や授業日程なんかが通達された。

 大した内容ではないし、ダンジョンに関する実地の授業なんかもあるから着替えは忘れずにと言われたけどその程度だった。

 面倒くさいから何着かロッカーに入れておくか。

 こうして私の荷物が増えて行って散らかるのだが、昔から片付けは苦手なのだ。

 元がミニマリストという言葉ができるよりも前、物を持ってない人間だったから致し方なし。

 ある程度の収入を得るようになって、それから家も家族も得て、その上で私自身の家具というのは前世今世どちらでもそこまで重要視してなかったから。


 ベッドと箪笥、鏡があれば他は共有の品でいい。

 その程度だ。

 おかげで蓮野が色々押し付けてきて、整理が面倒になって散らかして怒られてたけど。


「あ、命は放課後職員室に来て。今後について相談があるから」


「わかった」


 蓮野に名指しされたが、これも知ってる範囲内だ。

 ゲームでは回想で語られる話だが、先代、つまり私達の祖父に当たる人が正式に隠居する事になるという話だったはず。

 こっちだと裏で手を回しているが、ゲームだと暗躍という感じだったからな。

 それらを正式に終わらせて、月神の正統後継者が義父になるのだ。


 そしてその直後、命が学校から帰ると同じくらいの時間まで教室に残っていると主人公は蓮野に喰われる。

 性的な意味で。

 一応回避可能で、選択肢次第で逃げる事もできる。

 なので頑張れアキラ、自分の貞操は自分で守れ。


「アキラ、今日は早く帰った方がいい」


「え? あ、うん、じゃあそうしようかな……」


「それと蓮野との距離に気を付けるべし」


「なにを危惧しているのかわからないよ……」


 わからなくていいんだ、純粋なJKが知る必要はない。

 いや、蓮野ルートは結構な頻度で地雷が埋まってるからな。

 うっかり選択肢間違えただけでヒロインが蓮野固定になる事もある。

 結果的に「シスコンレズのやべー奴」というあだ名がついていたのは、懐かしい記憶だ……。

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