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TS爺、百合エロゲ―の世界のダンジョンに挑む  作者: 蒼井茜


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怒涛の一年

 しばらくして私は天照学院の中等部に外部生として入学する事になった。

 1年みっちり勉強した結果、学力は問題なし。

 体力はまだ改善の余地ありという所だけれど、少なくとも孤児だった頃から比べたら余程しっかりしてきたわけだ。

 本来女子ならば成長期なんだろうけど、それをいっさい感じさせないのはなぜだろうか……栄養の偏りとかこの一年は無かったから多少背が伸びてもいいと思うんだが。

 だが残念なことに成長痛とか一切なかったんだよね!

 体重は増えたけど身長は伸びていない!

 あと筋肉は明らかに増えた。


 そのくらいだろうか。


「あらあら、いいわね。似合っているわ命さん」


「おぉ、女神の如き麗しさっ!」


「いいんじゃねぇの?」


「良く似合っているよ命」


「馬子にも衣裳とはこの事ね」


 みんながみんな、口を揃えて制服姿をほめてくれるのだが……徐々に蓮野が遠慮なくなってきたな。

 流石に一年も一緒に過ごせばこうもなろう。

 未だに上下兄はべったりだし、父母はあらあらうふふと見守っているような感じではあるが。


「で、どうかしら。着てみた感想は」


「少し大きすぎるような……」


「命は成長が遅れているからね。その分少し大きめにしてもらったの」


「大き目って言うか……デカすぎるだろ」


 袖が余っている。

 これがいわゆる萌え袖か。

 だがあれはセーターとかの柔らかい生地でやる物だったよな……制服のブレザーみたいな硬い生地でやる事じゃないはずだ。

 あ、でもこれはこれで袖から武器を射出するとかできる。


「そこは私がお直しするから大丈夫ですよ」


「お母様」


「あと女子らしくというならスカートをもう少し短くした方がいいわね……あと15㎝くらい」


「蓮野……」


 それぞれに向ける視線は羨望と侮蔑である。


「まぁスカート丈は実際少し詰めた方がいいわよ。今のままじゃ野暮ったいわ」


「そういうものか……ただ実際にこのくらいの丈になるとな」


 つまむようにスカートを持ち上げてようやく膝上まで来る。

 それでも一般的な女子、と言うかマネキンで見た格好からすれば長めだが普段はひざ下スカートになっているレベルだ。


「正直蹴りにくいと思っていた」


 下からカチあげるように下兄の顎にハイキックを叩きこもうとする。

 パシンと掴まれてしまったが、咄嗟の挙動だったのか意識外だったのだろう。

 本人も少し驚いた様子だった。

 無意識の反撃こそ引き出せなかったが、意識できないレベルの不意打ちができたと自信を持っておこう。


「コラ、はしたない」


「スパッツは履いているぞ」


「そういう問題じゃない!」


 パシンパシンと頭を叩かれる。

 蓮野はこの辺結構厳しいが、お母様たちは寛容だ。

 むしろダンジョンのライセンス取ってからは結構自由にさせてくれた。

 というか毎回土産が爆弾過ぎたのもあって、最低限気にかけていればいいやくらいの扱いになったといってもいい。


 私の住んでいたスラムにできた小鬼ダンジョンでは隠しエリアと、そこから繋がる裏ダンジョンともいえる超高レベル前提の危険地帯。

 エロダンジョンとは違う、文字通り命がけの場所があるという事を世間に知らしめたし。

 使い道がないとされていたスライムダンジョンから未確認だったダンジョンへのテレポートの発見。

 更にはダンジョンと認定されていなかった土地が、食材のみをドロップする食料ダンジョンだという結果を見せたりした。


 当然ゲームの知識だったんだが、そのほとんどが上手くいって、たまに死にかけてという状況だったのもあって月神だけじゃなく和皇国全体が上から下への大騒ぎになったわけだ。

 おかげで1年という短い時間でスラム街の暮らしも改善されつつあり、それ相応の健康体ならば食料ダンジョンくらいなら潜れるように制度改正が行われた。


 これにより今日の食事にも困るレベルの人間は減り、更に食糧事情が改善して元気になった連中は余りものを売りさばき、身なりを整え国が用意した施設で生活をはじめてとトントン拍子にいい方向に転がった結果、治安も改善して食糧事情も良い方向へ進んでくれた。


 と、言うのがスラム街関係と一般家庭関係で動きのあった話。

 続けて光あれば闇もあるという話で、超高難易度の裏ダンジョンを利用して荒稼ぎしたりしてた連中や、もっとやばい殺人とかを行ってた連中。

 まぁ前者はライセンス取得を義務付けられただけで、活動そのものには支障はないのだが後者だな。

 要するに犯罪にダンジョンを利用していた連中。


 裏ダンジョンって言うのはエロダンジョンと同じで、魔力という栄養欲しさにダンジョンが人を襲うものだが、循環させる必要がないほど潤沢なダンジョンでしか発生しないものだ。

 ゲーム的に言えば推奨レベル10のステージから推奨レベル90のステージに移動させられるようなもので、これを利用して意図的に殺人、あるいはそれに準ずる行為として洗礼とか言っていた連中がいたわけだが、スタンピードの原因になりかねないとしてかかわった連中は基本的に極刑。

 先例として送り込まれた側は保護しつつ、その後受けさせる側に回ってたらこれまた死刑。

 そんだけスタンピードというのはやばいからな。


 あとその手の情報を隠匿していた連中は全員拷問の後死刑になった。


 まだ物語が始まってもいない今だからこそできるレベリングと、下地作りをと考えていたら国全体巻き込んだ大事になってたぜ!

 ま、逆に言えば責任を負わされず、結構好き勝手出来る帰還だったからこそ無茶したというのはあるんだけどな。

 なんにせよ面倒ごとはぶん投げつつ、こっちはある程度の立場を確保できたからよしとしよう。

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