表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Mr.ヒューマノイド 〜聖遺物探索者によるレリックシーク〜  作者: 藤白ぺるか
第1章 ヒューマノイド編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/7

第2話『おっぱいを信仰せよ!』

 俺の名前はアルク・アルゼイン。


 人は俺のことを天才探索者(シーカー)と呼ぶ…………呼ぶ、予定だ。


 探索者(シーカー)とは聖遺物(レリック)を求めて探索(シーク)する者のこと。

 聖遺物の定義は定まってはいないが、大まかに言えば世界中に点在する遺跡や洞窟、沈没船、山奥、廃墟などから発掘される古いアイテムや財宝のことだ。それらを総称して聖遺物と呼ばれている。


 そして探索者の活動意義は聖遺物を発掘、保存、記録し、歴史を紡ぐこと。

 ただ、人によっては遺跡荒らしだと言う人もいるだろう。


 俺の両親も聖遺物探索者(レリックシーカー)だった。

 いつも一緒にいるヒューマノイドのニンフィだって、どこからか拾ってきたという。

 俺が産まれる前にはもう家にいて、色々と面倒を見てくれていたらしい。

 つまりニンフィは俺の親代わりのような存在でもある。


 親代わり、というのには理由がある。

 俺の両親は既に死んだ――死んだことにしている。

 もう数年も家に帰ってきておらず、だから俺は死んだということにしている。


 俺を育てることをニンフィに全て押し付け、あいつらが家に帰ってくるのは年に二度あれば良いくらいだ。

 そして三年前を皮切りに家にすら戻らなくなった。


 たまに帰ってきた時には俺の体が大きくなり成長してるもんだから『どちら様ですか?』と言われたこともある。ぶん殴ってやろうかと思ったほどだ。


 ただ、あいつらの探索してきた聖遺物がこれまた面白い。

 そのせいで、俺も同じく探索者になっちまった。


 長く家で重宝していたのは、普通の食パンが数分で焼きたてカリカリの状態で出てくる聖遺物だ。

 親父はそれを『トースター』と名付けた。

 起動方法は雷魔法(トール)を使わなければいけないが、それは既に魔法を封じた仕掛けである魔道具として存在していた。


 だから微弱な雷魔法を発動させる魔道具とこのトースターを組み合わせることにより、俺は毎日焼きたてのうまいパンを食べることができるようになったのだ。


 そういう未知の発見は俺の心を熱く滾らせた。

 だから俺も両親のように聖遺物探索(レリックシーク)を始めたわけだが、実は探索者になった本当の理由は別にある。



「――アルク様、動かないでください」

「へいへーい」



 ゴシゴシと俺の背中の方でニンフィが音を立てる。

 荒い繊維で編まれた布に石鹸をつけ、泡立てながら丁寧に背中を擦り汚れを落としていく。


 今、俺の背中を布で洗ってくれているのは、一糸纏わぬ姿――裸のニンフィだ。


 彼女の白くてツヤツヤでぷるぷるの肌は昔から全く変わらない。

 ヒューマノイドだからずっと見た目は変わらないのだが、本当に機械なのかと思うほど人間味に溢れている。

 ただ、表情だけは無機質で彼女が笑っているところを見たことがない。


 鏡越しにニンフィの豊満な乳房が見え隠れする。

 俺の背中を擦るたびに前後左右に揺れ、思考を惑わしてくる。

 親代わりのヒューマノイド。普通なら親に欲情なんてするわけもないと思うが、俺の見た目が成長する一方、ニンフィは若いまま。ここ数年出会ってきた女性の中でも一番美人だし、胸もデカい。欲情しないほうがおかしいのだ。


「では、次に前を洗いますね」

「ま、前は自分でできるっていっつも言ってるだろ。左腕で届かない範囲だけやってもらえればいいって」

「あら、残念ですね。小さい頃は洗ってあげていたのに」


 俺は自分が覚えてる限り、自我が芽生えた時から左腕の肘から先がなかったと記憶している。

 少しだけ不自由な部分はあるが、十七年もこの体でいれば片腕がないことくらい屁でもない。


 ただ、こうやって体を洗う時にどうしても届かない部分は出てきてしまう。だからニンフィは洗うのを手伝ってくれているのだ。


「じゃあ、その布貸してくれ……と思わせて、いっただっきま〜〜、いだぁ!?」


 不意打ちでニンフィの胸を揉もうとしたのだが、恐ろしく早い手刀で俺の右手がバチンと振り払われた。


「私からアルク様に触れるのは良いですが、アルク様から私に触れるのはダメですよ」

「そんな殺生な〜っ!」


 皆さん、これが本当の生殺しってやつです。

 彼女の裸を何千回と見てきていながら十数年も耐えてきた俺、凄くないですか?

 誰か褒めて。


 どちらにせよ、彼女が強すぎて俺から触るなんてことはできないんですけどね。


「アルク様が左腕を取り戻した時、いくらでも揉ませてあげる――そう、約束しましたよね?」

「あ、あぁ。でも、少しくらいなら右手で……」

「約束は約束です」

「うぅ……」


 そう、おっぱいなのだ。

 俺はおっぱいで動いているのだ。




 ――ある日、俺は父が家に残した一つの文献を見つけた。



 それは聖遺物の一つである『星夢絵画(フラグメント)』と呼ばれる光の欠片。

 それを五つ集めるとどんな願いでも叶えてくれる魔神が召喚されるという記述だった。


 魔霊は知っているが、魔神という存在は知らなかった。

 どのような存在なのかはよくわからないが、『神』と付くくらいだ。途轍もない力を持っているに違いないと感じた。


 俺がシーカーになった一番の理由はこれだ。

 どこかに散らばっているという星夢絵画を全てかき集め、魔神に願いを叶えてもらう。

 その願いはもちろん今はなき左腕を取り戻し、復活させること。


 そして両腕が揃った時、俺はニンフィの特大級にボインな双丘をこれでもかと揉みしだくのだ。

 その先は、顔を埋めて『ママァ』と言うのだ。


 な。俺がシーカーになった理由、くだらないだろ?

 というより気持ち悪さの方が上回ってるかもしれないな。ママァとか自分で言ってて吐き気がしてきた。

 でも……言ってみたい。


 とにかくこんなくだらないことが俺が動く理由なのだ。

 おっぱいは正義! ボインは正義! 性欲は正義なのだ!



 ん? 俺は尻派だからおっぱいはどうでもいいだって?


 おい、お前。

 人は何で育ってきたと思ってるんだ?


 おっぱいだろ!


 お前は乳飲んででっかくなってきたんだろ!

 尻よりおっぱいに埋もれたほうが幸福感があるだろ! 経験したことないけど。


 だから、俺は全ての尻信者に告ぐ。


 おっぱいを信仰せよ!


 この信仰心が俺を先へと突き動かしてくれるのだ。



「――では、体も洗ったことですし、浴槽に入りましょうか」

「はーい、ニンフィたんっ」

「あっ!?」


 床に転がっていた石鹸に足を取られニンフィがツルッと転びそうになる。

 実はこれ、俺が事前に仕込んでいた石鹸だ。ニンフィが足を取られる位置を計算して置いておいたのだ。


「お尻がガラ空きだぜこのアマァっ!」

「――死になさい」

「ぐはぁっ!?」


 バランスを崩したニンフィのプリケツに飛びつこうとした瞬間、彼女は異常なバランスで体を回転させ転倒を回避。その勢いのまま綺麗な回し蹴りを顔面に喰らった。

 吹っ飛ばされるなか彼女の股間にあるピンク色の美しい貝が視界に入った。揺さぶられている脳にその光景を刻み込みながら浴槽へバシャンと叩きつけられた。



 ん? さっきと言ってることが違うって?


 何言ってんだ。


 そこに尻があれば揉むだろ。


 何も俺はおっぱいだけが好きじゃねえ。

 普通に尻も好きに決まってんだろ!


 ただ、おっぱいの方が俺にとっては夢が詰まってるってだけだ。


 おっぱい・いず・どりーむ。


 あぁ、フラグメントの魔神様。


 早く私の願いを叶えてくださいーー。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ