表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/81

グレートセイバーズへ!憧れのヒーロー!(後編)

「初めまして、お嬢様方(フロイライン)。会えて嬉しいよ」

「ら、ライヒシャットしゃん」


 さて、ファーティマと別れた二人の前に次に現れたのはゲルマン系で金髪碧眼の青年であった。

 彼は恭しく跪くと二人の手を取りその甲に口づけする。それにまたもサンシャインが名前を呼びながら限界化する。そこには最早、以前ミルキーに対して嫉妬と嫌悪を振りまいていた姿はない。


 錦糸の如き光り輝く黄金色の髪、アイスブルーの瞳、白磁の様に白い肌、均整の取れた顔立ち、中肉中背で背丈は170センチ程──サンシャインよりも少し高い程度。先程のファーティマが大きかっただけに人形の様に思えてしまうが、しかしその立ち居振舞いや服越しからはよく鍛え上げられた身体が見て取れる。


「知っていてくれて光栄だよ。ボクの名はメルヒオール・フォン・ノイエンミュラー、ドイツでライヒシャットという名で怪物を狩らせてもらっている」

「ひゃ、ひゃい。ぼ、僕は」

「サンシャインサムライとマジカルミルキーだろう? 勿論知っているさ、ボクはフロイラインの名前は忘れないからね」


 ああ、仮面越しでもサンシャインの顔が赤くなっているのが伝わってくる。

 貴族然とした目の前の青年に対し、やはりミルキーは無反応であった。一つあるとすれば手の甲にキスをされた時に何らかの毒性物質などが付着していないか、という点だったが勿論杞憂に終わる。

 先程のエドワードの様に敵意を向けられるよりかは遥かにいい。彼女はメルヒオールがサンシャインの方を向いた隙にそっと甲を拭き取り、彼女があたふたとしながら自分がどれほど憧れていたかを熱弁するのを横目で見ていた。


「メルヒ、ハオとダニーは何処にいるか知ってるか?」


 と、そこでスーパーセイビアが訊く。そういえば、居た。


 さて、メルヒオールによると残りの二人は食堂に居る様だ。ミルキー達は彼と別れ、セイビアに連れられ食堂へと向かう。

 艦内通路は軍艦特有の寒色系で薄暗くパイプ類が露出している様な物だった。第二次世界大戦時の戦艦であるミズーリを改造しているのも大きいのだろうが、今もステルスモードで上空に待機しているであろうミルキーの母艦と比べれば、良く言えば軍艦然としている、悪く言えば生活しにくそうだ。通路幅も狭いし。

 そんな事を考えながらミルキーは内部の解析を続ける。パイプの一部から魔力を感じる──恐らく、このオーバーテクノロジーの正体だ。何らかの魔法を使い浮いている、そうでなければこんな鋼鉄の城を浮かせるなど出来ないのだ。


「やあ二人とも、少しいいかい?」

「あ、ジェイムズ!」

「ジェイムズさん! どうしたんですか?」

「いや何、この二人に挨拶をしてほしくてね」


 食堂に着いたセイビア(ジェイムズ)はそこで何やら雑談をしていた二人に話しかける。

 それを聞いた二人はセイビアの背後に立っていた二人をぐい、と覗き込み、そして何かに合点がいった様な表情をして口を開く。


「そうか、ユー達が最近話題のガールズだね! ミーはダニエル・ダ・シルバ! ブラジルでサンバヒーローの名でヒーローをやっているヨ! ダニーって呼んでくれ!」

「俺様はフェン・ハオ・ランだ! 玉虎侠客(ユーフンシャウク)として中国で戦ってる! フェン様と呼べ!」


 サンバヒーローことダニエルは色黒の青年だ。焦げ茶色のドレッドヘアに顎髭、グレーの瞳。背丈はサンシャインと同じ程度で、ザ・ブラジル人といった陽気な雰囲気を放つ青年である。

 玉虎侠客(ユーフンシャウク)ことフェンはアジア人の少年である。かっこいいというよりかは可愛らしい顔立ちをしており、その橙色の瞳はキリリと吊り上げて眼力を強く見せようとはしている様だが顔に負けている。背丈はミルキーよりも一回り小さく、小学生高学年程度だろうか、恐らくセイバーズ最年少なのだろう。

 サンシャインとミルキーも自己紹介した所でダニエルから菓子を勧められる。砕いたピーナッツ、砂糖、塩を固めた、ちんすこうの様な印象もある駄菓子だ。二人は有難く受け取り口に入れる。

 入れた瞬間にほろほろと崩れていく、味は素朴であり幾らでも食べられそうだ。


「グレートセイバーズの売店にはミー達の物が多く売ってるからネ! ユー達が入ればジャパンの菓子も並ぶ筈だヨ!」


 らしい。

 と、そこでフェンが言う。


「所でお前ら、仮面は取らないのか? ここにはヒーローしかいないぞ?」

「あ、あう……ぼ、僕はちょっと……彼女がいる所ではあまり、外したくないというか……」


 サンシャインは続ける。

 彼女は家の事情で、ある程度ヒーロー活動が軌道に乗るまでは正体がバレたくない。スーパーセイビアは知っているのでセイバーズのヒーローならば別にバレていてもいいのだが──彼女はミルキーをちらりと見て言う。


「彼女の正体が判らない以上、迂闊に晒すのはちょっと」

「そうか、大変なんだな。で、まじかる?ミルキーとかいうお前はどうなんだよ」

「私は現状セイバーズに入るつもりはありませんので」


 そう言うと、フェンは一瞬悲しそうな表情を浮かべた後に険しい顔をする。


「な、なんでだよ! ここは楽しいし、仲間だっていっぱいいるんだぞ?」

「そうですヨー? 皆頼りになりマスし、入っておいて損はないと思いますケド? ほら、ジェイムズも何か言ってあげてくださいヨー!」


 二人とサンシャインは縋る様にジェイムズを見る。だが、彼は表情を崩さずに言った。


「まあ入るかは個人の自由だからね。私にそれを強制する権利はない。それに、今回の見学で気持ちが変わるかもしれないだろう?」

「……」


 彼のその言葉に、ミルキーは何も返さなかった。

セイバーズ一覧

・アメリカ:スーパーセイビア

・イギリス:ロイヤルナイト

・ドイツ:ライヒシャット

・エジプト:カフラン・アルザハビ

・ブラジル:サンバヒーロー

・中国:玉虎侠客(ユーフンシャウク)


高評価、ブックマークはモチベに繋がるのでよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ