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これからよろしく!出撃グレートセイバーズ!

 カシャカシャカシャ、フラッシュとシャッター音の鳴り響くそこでスーパーセイビアは記者会見を開いていた。

 今、彼が居るのはノーフォーク海軍基地の外部。彼は保有している莫大な資産と聡明なる知識を用いてアメリカ海軍との協力のもととある物(・・・・)を建造していたのである。今日はそれの披露の日であった。


「えー、今日は皆集まってくれてありがとう。君達のお陰で、今日というこの日が人類史に残る素晴らしい日となる事が確定したよ」


 彼のその言葉は今、全世界に同時中継されている。

 全世界、あらゆる人種からの七十億の視線に晒されながら彼は得意げに飛び、彼の背後にあった垂れ幕を引く。

 そうしてカメラの前に露わになったのは係留されている一隻の艦艇だ。


「これは……!」

「"ミズーリ"、ですか……?」


 それは戦艦だった。それも、アメリカ人ならばよく知っている──アイオワ級戦艦、3番艦『ミズーリ』。

 現在はハワイのパール・ハーバーに博物館として係留されている筈の彼女は、今5000マイル離れたこの港に居る──その姿を大きく変えて。


「その通り! 私はかの大戦で活躍したこの大戦艦を我らがセイバーズの本拠地とする事に決めた! ただ、ヒーロー達の拠点がただの船では味気無いだろう? だからこそ、私はこれを改造したのだよ」


 まず、艦体の中央からは巨大な安定翼の様な物が伸びている。そこには片翼に2基の計4基ものこれまた巨大なジェットエンジンの様な物が装備されている。

 また、艦尾にあったヘリポートは無くなり、代わりにエンジンノズルの様な物が備わっている。無くなったヘリポートは、安定翼がその代わりを果たす様でそれらしき模様が描かれていた。

 そして艦の艤装だが、こちらは12基装備されていた5インチ両用砲が6基に減らされ、それらがあった場所に1つずつ見慣れない近未来的な砲が追加されている。

 加えて主砲の前方に128セルのVLSが装備されており、ミサイル搭載能力はかなり向上している事が窺える。

 艦橋形状に関してはかなり大型化した。というのも煙突が無くなり、その部分まで人が立ち入る構造物にと延長されたからである。


「名付けて"グレートセイバーズ"! 今日この日をもって、我らはこの空飛ぶ戦艦(・・・・・)を拠点とし活動していく事をここに誓おう!」


 彼のその言葉に記者達がざわめく。

 今、彼は"空飛ぶ戦艦"と言った。確かに見た目は空を飛びそうな物だったが、まさか本当にこの巨体が浮くというのか。

 これまでの常識と照らし合わせれば"有り得ない"。確かに備え付けられた垂直ジェットエンジンは巨大だが、到底戦艦を浮かすには足りない様に思えた。


 だが──今、自分達の目の前に居るのは世界最強の男……不可能を可能にしてきたスーパーヒーローだ。

 その称号が、記者達に彼の言葉が与太話であると笑い飛ばさせないだけの信憑性を与えていた。


「それでは、ご覧頂こう。"グレートセイバーズ"、発進!!」


 彼のその言葉で、背後の大戦艦が動き出す。

 ガタガタガタ、カメラが揺れる。記者達は転がらない様に必死になり──そして、夢の様な光景を目にする事になる。


「う、浮いてる……!」

「まさか、そんな……!!」


 轟音と共にジェットエンジンが動き出し、ゆっくりとその巨体を水面から離していく。

 艦は水の上を進む物──そんな常識が打ち崩された瞬間であった。


「……U! S! A!」


 そんな光景に圧倒された誰かの一言。


「「「U! S!  A!! U! S! A!!」」」


 そこから始まるのは、大合唱。

 その様子をスーパーセイビアは満足気に眺め、そして自分も右手を上げてその中に加わるのだった。



 それはさておき、今日やるのはグレートセイバーズのお披露目だけではない。


「ここ最近は怪物(タイタン)の発生も落ち着いてきた。この機会に私は、セイバーズメンバーが一堂に会する場を設けたいと思っている」

「し、しかしそれではもしタイタンが現れた時に対処出来ないのでは」

「安心したまえ、その際は私が世界の何処へでも駆け付ける事を約束しよう」


 その声に、記者達からはおお、という声が漏れる。世界最強の男の言葉はそれだけで人々を安堵させるのだ。


「これより私はこの艦で世界を回り、地球市民の皆に会うと共にヒーロー達を乗せていく。全員が乗った時、この艦は真に完成したと言えるのだからね」


 彼の演説じみた言葉に、ある一人の記者が尋ねる。


「マジカル☆ミルキーはどうなさるのですか?」


 その名前を彼が呼んだ瞬間、会場の空気が冷え込む。隣にいた先輩記者は慌てて彼を止め、恐る恐るスーパーセイビアの方を見る。

 マジカル☆ミルキーはアメリカでは嫌われていた。何しろセイバーズの勧誘を断り、ある意味では我らのヒーローの顔を潰した事になるのだから。

 だからこそこういった場でその名を呼ぶ事も避けられてきたのだが……


「ふむ、彼女か。彼女については私も気になっていてね、丁度日本にも赴くつもりであったし直々に会ってみようか……もう一人のヒーローについても気になるしね」


 だが、当の本人の反応は極めて普通であった。

 それに記者達は彼の器の大きさに感嘆し、よりその尊敬を深めていくのだった。

元ネタは言わずもがなヘリキャリア。空母だとあまりにもそのままになるので戦艦を飛ばせました。名前が微妙にダサいのは仕様です。まあアメリカらしいといえばらしいと思います。


高評価、ブックマークはモチベに繋がるのでよろしくお願いします

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