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魔法少女を始めてみよう

 ガチャリ、部屋の扉を開く。

 六畳の小さな部屋。机にパソコン、服がかけられたクローゼット、ベッド、漫画が詰まった本棚。何もかも皆懐かしい──正真正銘、俺の部屋だ。

 目頭が熱くなる。頬に一筋、水が流れる。ああ、俺の半年間は今、こうして報われたのだ。


 取り敢えず俺はベッドに倒れ込み、返却されたスマホの画面を付けたのだった。


──────

───


──地球帰還から10日後


「貴女がミズリちゃん? 別嬪さんねえ……あ、ゴメンなさい。は、はろー?」

「日本語は一通り学んでいますので大丈夫です。今日からよろしくお願い致します」

「あら凄い。ほらほら、上がって上がって!」


 ピンポーン、櫻井邸のインターホンが鳴らされる。家の中の女性──夜空の母親、櫻井結月(ゆづき)が扉を開けると、そこに立っていたのは一人の少女。

 明らかに留学生とは思えない程に熟達した日本語を操る彼女に結月はほっと胸を撫で下ろし、早速彼女を家へ上げる。


「ロンドンより来ました、ミズリ・シャーロット・ミルキーウェイと申します」

「あらあらこれはご丁寧に。私は櫻井結月、何か困った事があったら何でも言ってね」

「櫻井夜空、四月から同じ高校に通う。よろしくな」

「はい。よろしくお願いします」


──とまあこんな風に芝居を打つ。笑いをこらえるのに必死だった。

 その後諸々の説明や部屋のセットアップを終えた俺達は俺の部屋で会議を始める。議題は勿論、例の怪物についてである。


「先日の北京襲撃事件での計測結果が出ました」

「おお、で、どうだった?」

「やはり出現前に──魔力反応がありました。恐らくは魔法によって何者かが召喚していると思われます。召喚者の特定には至りませんでした、申し訳ございません」

「いや、いい。それにしても……やっぱり人為的なやつか」


 昨日、とうとう北京でも怪物が現れ、そしてヒーローも現れた。

 これまで影も形も無かったデカブツが突然現れるなんて考え辛い。通常兵器が通用しないという点も鑑みて、もしかしたら魔法が関わっているんじゃないかと考え、小型人工衛星を打ち上げて観測していたのだ。

 魔法についてのデータはイルミスで十分とれている。だからこそ機械でも魔法を観測する事が出来る様になったのだ。まあ、まだ正確さには欠けるのだが。


 果たして、やはり予想通りだった。

 衛星の結果を信じるならば、あの怪物共は誰かが何らかの目的の為に召喚している事になる。

 そして、現状その犯人として一番怪しいのは同時に現れたヒーロー達だ。彼らの特殊能力もどうやら魔法を使っている様だし、状況証拠としては十分である。ただ確実な証拠にはなり得ない。まだこれまで潜んでいた野良の魔法使いが地球の平和を守る為に表舞台に出て来たというだけかもしれないのだから。


「で、これからどうするか、だ」


 そう、この状況に対して俺は何かしらの行動を起こそうと考えている。

 折角地球に帰ってきたのだ。その平穏を邪魔されてはたまったものではない。


「ミズーリならば軌道上から一方的に殲滅出来ますが」

「まあそれが最適解なんだろうけど……でも見つかるよなあ」


 ミズーリの全長は320メートル。如何にステルスモードを起動させてレーダーに映らなくしていても、そんな巨体が一々大気圏外から主砲を発射していたら確実にバレる。それはちょっとマズイし、多分怪物とはまた別の問題と恐怖を引き起こす事になる。やっぱりマズイ。

 となると、取れる選択は限られてくる。

 俺は深刻な表情を浮かべ、両肘を机の上に立て両手を口元で組む。


「……やはり、例の計画をやるしかなさそうだな」

「本当に、やるのですか……?」

「ああ……やっぱ俺が」

「私がやります」


 普段から無表情のミズリが、この時珍しく困惑した様な、或いは少し嫌そうな表情を浮かべていた。



──────



 それから三日後、東京に怪物が突如現れた。

 展開していた自衛隊は何一つ感知する事は出来ず、ありとあらゆる監視網を抜けて新宿のド真ん中に巨人が現れたのだ。


 だが、この事件において死者は一人も出なかった。これは奇跡としか言いようがなく、これまで世界で発生したどの怪物出現事件でも成し遂げられていない偉業であった。

 では、何故そんな偉業が達成できたのか。決して怪物が弱かった訳ではない。小さかった訳でも狂暴性が低かった訳でもない。

 ただ、ある一人の"ヒーロー"が現れたのだ。その名も──



──『魔()少女マジカル☆ミルキー』

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