咲かねえ花と残せぬ名
だいたいこういうの描くと、タイトルに困るんですよ。
飽くなきを恥じることなく
懲りねえやつだと顰められよう
したっぱら膨らませた亡者になって
枯れ木の腕をのばすのなら
爛れたトマトに齧りついても
満たしたいものがあるんだろうから
欲深きを諫める物語は数あれど
咲かねえ花を胸に飾っちゃあ
尖った襟をまた正すのさ
みすぼらしくもあつらえた
こいつがただの一張羅
残せぬ名でも石に刻んで
よごれたへそをどんと据えよう
生き地獄だと呪おうが
こいつはほんの一丁目
明日なきを嘆くことなく
冴えねえおのれを愛せるのかい?
目のしたを窪ませてる隠者になって
瓦礫の山にのぼるのなら
崩れた斜面にしがみつくんだ
てっぺんになにがあるわけじゃないが
負け犬を慰める子守唄は数知れぬ
咲かねえ花を胸に飾っては
歪んだ襟が不揃いだけど
けたたましさが袖をひく
こいつがただの一張羅
残せぬ名こそ石に刻んで
まがったへそをぐいとひっぱる
こりゃ極楽と強がるか
こいつはほんの一丁目
でも、意外とこういうの好き。