圭の追想(15)歴史研究会、教授たちの評価
圭の父の遺産相続等は大学関係者と相談し、無事に終わった。
圭は、時折、父の部屋や母の部屋に入ることがあるけれど、かなりの蔵書や資料、骨董等があり、もともとよくわからない。
結局、自分の力だけではどうにもならず、当分そのままにしておくことにした。
圭は、大学には葬儀の後、数日休んでから通いだした。
教授やサークルのメンバーとも、再び交流が始まった。
いろんな古典研究や、主に関東地方の寺社を訪れたりした。
かなり歴史に詳しい人が多く、他の大学の教授もいたりして、かなり勉強になった。
発言も求められるので、そのたびごとに、父の部屋の蔵書から調べて、答えることが多かった。
「君の文は なかなか 読みやすいね・・・」
「お父さんの文は、少し剛直な構成で難解なところもあったけど」
サークルの顧問の榊原教授が、圭の書いた文を他の大学の教授達に見せている。
「うん・・・この書き方は貴方のお母さんの文に似ている、
なかなか、風雅だったなあ・・・美しい人だった・・・」
他の大学の白柳という教授から話しかけられた。
「がっちりしたお父さんの文章の書き方と、このお母さん似の文章と、うまく融合できれば・・・題材によっては、ベストセラーが生まれるかもしれない」
「まあまあ・・・この子は1年生だし、まだまだ教育しなければ」
榊原教授が、うれしそうだ。
「榊原さん・・・娘さんはおいくつに・・・」
白柳教授が尋ねている。
榊原教授
「うん、今年一七に・・・来年私の大学受けさせようかと。」
白柳教授
「そうですか・・大きくなったんですね・・・奥様もお元気で・・・」
榊原教授
「うんうん、自分で商売しているよ・・・儲かっているかどうかはわからないけど・・・」
白柳教授
「あはは、貴方の奥さんなら心配ないですよ・・・しっかりなさっていたもの・・・貴方が商売するなら心配だけど・・・」
榊原教授
「あはは・・・」
圭は、榊原教授と白柳教授が大笑いしていたことを思い出している。




