圭の追想(8)女子大生四人との歓迎コンパ
圭が、春奈と話をしていると、玄関のベルが鳴った。
「こんな時間に誰だろう・・・ちょっと出てきます・・・」
圭は春奈に頭を下げ、玄関に向かう。
「うん、待っているわ・・・もうちょっとお話したいの・・・その後何か食べましょう」
春奈はうれしそうな顔をしている。
玄関で、インタフォンを通して声をかける。
「あの・・・どちら様でしょうか・・・」
「はい、先ほど大学の部室でお会いした良美です」
まず、予想外の「良美」の声が聞こえてきた。
しかし、良美だけではなかった。
「こら・・・自分だけ言わないの・・・智子とゆかりもいます」
この声は、智子の声。
「え?」
圭が驚いて玄関のドアを開けると 言葉通り、部室であった3人の女子大生が立っている。
「あーーーーー」
その上、後ろから 春奈が出てきた。
「ほら・・・まったく!予想通りだったでしょ、油断もすきもあったもんじゃない・・・」
ゆかりは腕を組んで春奈に文句。
「お世話って、独り占めとは違うのよ・・・春奈」
良美もキツめの顔。
「まったく・・・危ないなあ・・・」
智子は、春奈をにらんでいる。
「貴方たち、帰ったんじゃないの?方向違うでしょ・・・みんな」
春奈は必死に抵抗を見せる。
ただ、圭としては、女子大生4人が玄関で攻防戦を繰り広げているだけのことに
なる。
これでは、「近所の目」も気になってしまう。
「とにかく・・・皆さん居間に上がってください
圭は、結局、全員にダージリンとスコーンを出すことになった。
智子「これ・・・美味しい」
ゆかり「今度 私だけに作ってね」
良美「作り方は誰に教わったの?」
春奈「ちょっと静かになさい・・・ダージリンの高貴な風味が失われるから、そもそも私のために出してくれたのに・・・」
女子大生四人の攻防戦は居間に移っても続いている。
そして、また別の展開を見せた。。
ゆかり「あ・・・でも、これだけだと お腹減っちゃう・・・」
良美「ねえ・・・この子の歓迎コンパしようよ」
春奈「うん・・・そうねえ・・・いいかも」
智子「吉祥寺出ましょう・・・」
かなり早く意見がまとまり、全員で吉祥寺に飲みに行くことになった。
吉祥寺での歓迎コンパは、良美の知り合いのピザハウスだった。
全員で、いろんな種類のピザを食べたり、ビールを飲んだりした。
圭は、自分の今までの生活や父とのこと、綾乃とのことを話した。
ゆかり「そうなんだ・・・いろいろあったんだね」
智子「何かあったらすぐ聞くのよ」
良美「ここの店私の知り合いだから、おなかすいて食べ物なかったら食べにきなさい」
春奈は、ずっと圭の隣に座っている。
「私、すこし酔っちゃった・・・」
智子「ほら・・・飲めないのにかっこつけるからよ」
春奈「だって飲んじゃったんだもん・・・飲めなくても飲みたいこともあるんだから」
ゆかり「まったく・・・今日の春奈 変・・・信じられない」
コンパは11時ごろ打ち上げになった。
圭は、結局、また春奈さんと井の頭線で帰ることになった。
圭は、春奈に声をかけた。
「春奈さん、同じ駅ですので、送っていきます」
「ごめん・・・お願い、足がフラフラする」
春奈は、まだ顔が赤い。
電車から井の頭公園の桜が見える。
少し風に揺れる桜に風情を感じる。
圭は、久我山駅で春奈と降りて春奈を、アパートまで送った。
駅から3分ぐらいだった。
春奈「えへへ・・・近いでしょ、すこし酔っちゃった・・・」
春奈はアパートの前でも頬がかなり赤い。
圭は、頭を下げた。
「これで帰ります、楽しかったです」
春奈「うん、こちらこそ、歩いて帰れる?大丈夫?」
圭「はい、まっすぐの道ですし」
春奈「うん・・・おやすみ」
春奈は、圭が見えなくなるまで、手を振っていた。
圭は、家まで歩く間に綾乃の言葉を思い出していた。
「好きな人ができたら・・・」
圭は、とりあえず、春奈の顔が浮かんだ。
しかし、何か違うような気もした。
圭は、そのまま家に帰り、疲れていたこともありすぐに寝てしまった。




