バス
10話までは書くよ。
偽悪者と並行して書くよ。
更新速度は遅いよ。
朝のバス亭で、俺はいつも気分が落ち込む。高校に通い初めてから数ヵ月間ずっと何時ものようにだ。田舎のバスだから乗る人は少ない、だから確実に座れるのはいいのだが、乗っている人物が問題だった。到着したバスに乗り込むと前の方に座っていたちゃらい男の二人組、草野と田井がにやにやと俺に視線を向けてくる。こいつらは同級生で俺をいじめている連中だ。頭をこずいてきたり、俺の教科書を勝手に持っていったりと面倒くさい連中なのだ。先生に相談はしたがただじゃれているだけだろと言われてしまった。そのくせ俺が草野達と口喧嘩になると何故か俺を悪者扱いにしてくるので先生はあてに出来ない。他の同級生達は見てみぬふり。まったく本当に灰色の高校生活である。流石にバスの中で何かしてくることはないが、にやにやと見られるだけで気分が悪い。あいつらを視界に入れないようにそらすとべつの人物と目があった。三鈴だ。彼女は近所に住んでいて昔はよく遊んだが今は交流がない。俺と同じ高校一年生で別の学校に通っている。三鈴は赤の他人のようにすぐ目をそらした。当然だろう。実際今はもう赤の他人だし、美少女に成長した彼女が俺なんかと絡むのは釣り合いがとれない。
そっと目をとじる。自嘲でささくれだっても仕方ない。駅につくまで少し眠っていよう。