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拙作の『デラとアルフのドラゴン退治』の世界観に、ゴブスレの主人公パーティの面々を放り込んだらどうなるか?
連載4回目です。
ゴブスレのオリジナル小説では、キャラクターに名前が付けられていませんが、このお話ではパーティ全員の個人名を設定しています。
理由は最後まで読むと判る・・・はず?
ゴブリン村の人口は、全部で六十名。
そのうち半数が子供で、残りの半分が老人や妊婦などであり、戦力とならないため、戦いに参加できる者は二十名に満たなかった。
「まともな戦力は、正味二人だけか。
村人には、防御に徹してもらう他はないな。
結界維持による魔力消費は、考えなくてもいいんだな?」
「いったん魔力を充填しておけば、当分放置しても大丈夫よ。
元々、それ程魔力を消費するような結界ではないのよ。
まぁ、ヌルワジじいさんには、ちょっと重荷すぎたみたいだけど、ゴブリンにしては良くやってるわ。」
種族特性的に、ゴブリンには魔力の高い個体は多くはない。
もっと大規模な集落であれば、あるいは優秀な魔術士を輩出する可能性もあったのかもしれないが、こんな、吹けば飛ぶような小さな村の中で生まれた者としては、むしろ上等と言えた。
一方、グリフたちは、いわゆる上級冒険者と呼ばれている。
上級冒険者は、王宮騎士や王宮魔術士と呼ばれる者たちと同程度の能力があると言われているが、グリフたちは上級に至って久しく、更なる昇級も時間の問題と言うところだ。
もっとも、グリフなどは、なまじ昇級してしまって依頼選択の自由度が低くなることを警戒して、敢えて積極的に上を目指すことはないのだが。
小世帯の冒険者パーティということもあり、グリフは戦士でありながら、戦闘術に特化した魔法もいくつか習得している。
逆に、相方のミンファは、魔術士でありながら、弓術や体術においてもそれなりの能力を持っている。
実際のところ、魔術専門のヌルワジより、戦士のグリフの方が、大きな魔力を持ってはいるのだが、残念ながら、グリフには結界魔法の素養はない。
「結界については専門に任せるとして、こちらから打って出るには、情報が足りないな。」
「正直に言ってもいいのよ?
村を見捨てることはできないって。」
図星だったのか、言葉を返せないグリフに、
「確かに、理屈では分かってるけど、感情が否定するのは、わたしも同様だもの。
でも、ゴブリンではなく、あの子を守るのが目的なら、今までと同じじゃない?」
「ああ、そうだな。」
・・・と、不意に、ゴブリンたちのざわめきが聞こえてくる。
「襲撃か!?」
ざわめきの方角に走り出すグリフだが、程なく並び走るミンファから、緊張の気配が消えていることに気がつく。
「思ったより早かったわね。
運が良かったと、言うべきかしら?」
「運は、余分にあっても問題ない。」
「そうね。
さぁ、みんなをお出迎えしましょう!」
ミンファの弾む声音に、グリフは頷いて応えた。
次回予告
パーティの全員が集結する。
戦いに赴くグリフの決意は・・・




