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もしもゴブスレを俺が書いたなら  作者: 金剛マエストロ
2/9

拙作の『デラとアルフのドラゴン退治』の世界観に、ゴブスレの主人公パーティの面々を放り込んだらどうなるか?

連載2回目です。

今回も短くてすいません。

全8回予定でしたが、9回になる見込み。


 ゴンと、くぐもった音とともに弾かれた蛮刀をかいくぐり、両刃の長剣はゴブリンの首をなかば切断した。

「七つ。」

 わずかにそうつぶやくと、男は、チラと右手に握った剣に目を落とした。

「まだ、いけるか。」

 皮鎧に皮の脛当てと手袋、そして首から上をすっぽり覆う鉄兜。

 ややもすると、駆け出しの冒険者にも劣る防具ではあったが、無数の傷と修繕痕が、その戦歴の苛烈さを表していた。

「しかし・・・」

 冒険者としては上級に位置するようになって久しい男が、先刻から仄かな違和感を覚えていた。

「ギャウッ!」

 背後から飛び掛ってくるゴブリンを、わずかな動作で回避すると、その背中に長剣を突き刺す。

「八つ。」

 足で背中を蹴り、剣を引き抜く。

 地に沈むゴブリンの背中を見下ろし、不意に男は、あることに気がついた。

(ゴブリンどもは、何を襲っていた?)

 小さな集落だった。

 粗末な家屋と畑、周囲を取り囲む板塀も低く、大型の獣相手では効果はないだろう。

 村と言うのも憚れるほど小規模な集落を、ゴブリンが襲う。

 それは、取り立てて珍しくもない出来事・・・の、はずだった。

 だが・・・

 小ぶりな円盾を構えつつ、手近な小屋の戸を開けると、生き物の気配を感じ、男は部屋の奥に目をやった。

 幼いゴブリンが三体、身を寄せ合って、震えている。

 ゴブリンは、すぐに増える。

 たとえ子供であっても、殲滅せねば、やがて成長したゴブリンは人を襲う。

 ほとんど反射的に振りかぶった剣が、宙を飛んできた石礫に弾かれた。

 間をおかず、振り返りざま、男は背後に盾を突き出した。

「ぐぅッ!」

 うめき声をあげたその者の姿を見て、男は大きく目を見開いた。

 床に倒れたその者は、人族の少女の姿をしていた。

(囚われていたのか?

 いや・・・)

 先ほどまで震えていた幼いゴブリンたちが、倒れた少女に覆いかぶさるようにして、必死に庇おうとしている。

 信じがたい光景に、立ち尽くす男。

「ゴブリン、引き上げたみたいね。」

 戸口の方から聞こえてきた声に振り返ると、久しく見慣れた姿が、そこにはあった。

「・・・えっ?」

 男と同様、彼女もまた、目前の光景に絶句する。

 違和感の正体に気がついた男が、搾り出すように、ようやく言った。

「ゴブリンに襲われていたのは、ゴブリンの村だ。」

次回予告

ゴブリン村の危機を救った男は、村の司祭と邂逅する。

司祭の口から語られた村のあらましとは・・・

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