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プロローグ、あるいはとある少年の嘆き
少しだけ想像してほしい。絶体絶命のピンチ――と聞けば、どんな状況を想像するだろうか。
学校一怖い先生の宿題を忘れた?
内申点を左右する、重要なテストでひどい点数だった?
悪い評判しか聞かない強面の先輩数人に囲まれて、お金を強請られている?
ごく普通の高校生の俺に浮かぶとすれば、せいぜいそんな想像ぐらいだった。ただしそれも、つい一か月ぐらい前までの話。
あの“生涯忘れないであろう出会い”からわずか30日足らず。
不本意ながら、いろんな意味でちっともごく普通では無くなった俺は、今、もっとシンプルで分かりやすい意味で絶体絶命のピンチだった。
つまり――炎上し崩壊する街並みを背景に、血塗れで死にかけている。




