雪山
祝初ホラー作品
吹雪それは、雪が風により強く叩きつけられること
今晩雪山に遭難した若者の奇妙な体験について語りましょう
ことの始まりはある朝のことだった…
「はぁーいい天気だなー
こんな日は登山でもして森林浴を楽しむか~」
軽い気持ちで出掛けた若者はこのときはまだあんなことになるだなんて知るよしもなかった
山へと到着をして、辺りを見回しても、人は、誰もいない。だが、ゆっくり楽しめると思いどんどん山を登っていってしまった。
この時引き返せばあんな体験をしなくてもすんだのに……
どんどんと登っていくと、辺りが急に暗くなり雪が降り始めた
この時になって慌てて引き返したが、どんどんどんどん雪は多くなり風も吹き始めた
一時間もしないうちに風が強く吹き始め、道がわからなくなってしまった
どこへ行けばいいのか分からないままあてもなくどんどん進んでいった
やがて雪がやみ周りを見回せるようになった頃には辺り一面真っ暗な闇に包まれていた
しかし、ここで立ち止まるにはあまりにも寒いのでふらふらふらふら進んでいく
持ってきた荷物は、水が500㍉ペットボトル半分になり食料はすでになくなっており、その日は昼に食べたお握り二つ以外の物を口にしていない
おなかが空いたままフラフラ歩いていると目に信じられないものがはいってきた。それは、山小屋だった
雪から逃れるかのごとく急いで山小屋へと入ると毛布にくるまって丸くなった
暖かくてうとうとしていると
ドンドンドンと、戸を叩くおとがしてめが覚めた
時間は、深夜三時頃誰か遭難したか?と思い戸を開けると
目の前に広がっていたのは誰もいないただの暗闇だけだった
今なったノックの音の犯人も分かっていない………
さて、話がずれてきているので戻そう若者はさ迷って小屋へとやって来た。ノックの音が聞こえたのでそとを見ると誰もいなかった
普段なら吹雪いてるし、何かぶつかってノックの音に聞こえたのだろうと思うが、この時は遭難して山のなかにいた。
あなたは、一人暗闇のなか聞こえてきた音に希望を感じたとするこの希望が失われたときどうするか考えてみてほしい
一人、食糧も尽き、寒く暗い山小屋、そこで聞こえたノックの音、人がいるかと思うとそこには誰もいない
若者はこう思った。ゆ、幽霊!?
そこから逃げたい衝動に駆られるも、外は暗い雪山逃げることなんて到底できなかった
若者は一人ブルブルと震えながら早く朝になることを祈る
しかし、時間はなかなか過ぎない
恐怖に震えながらじっと静かに耐えていると小屋の周りをザッザッと歩く音がする
人かっと若者は思う。だが、すぐに幽霊に違いないと考え直した
この時の若者の判断は間違っていなかったとあとで知ることになる
じっと息をこらえて音をたてないようにしていると、外からオーイオイとこ声が聞こえる
しばらくすると小屋を、バンバン叩く音がし
開けてくれ~開けてくれ~と何かが言っている
窓をチラリと見てみると……
人魂のようなものがユラユラ ユラユラと飛んでいる
叫びそうになるがぐっとこらえる
次第に声が小さくなっていきしまいには、聞こえなくなった…
ふと気がつくと窓からは光が射し込んでいた
そう、朝になったのだ
小屋から外へ出て小屋を見てみると……
壁一面に血の手形がビッシリとついていた
驚いて固まっていると遠くの方から人がやって来た
救助の人でなんとかさ迷わずに帰ることが出来た
帰っている途中救助の人によく助かったな…と言われたので気になって話を聞いてみるとはぐらかされた
しつこく聞くと観念したのかポツポツと話始めた
昔ここらの村では山には恐ろしいバケモノが出るので子供は入っていけないと言われていた
しかし、ある日一人の子供が山へと入っていってしまった
村中騒ぎになって村人総動員して山のなかを捜したが、見つかったのはその子の履いていた靴片方だけだった
次の日も捜すと山小屋の近くに血だまりができていた
その近くにはその子の着けていた手袋が落ちている。拾ってみると中には手が入っていた
その事で村人達は、パニックに陥り慌てて下山した
その後誰も山小屋へは近づいていないのにいつまでも綺麗なまま残っている
君は初めて助かった人だと言われた
もしあの時外に出ていたらいや、二度目に開けていたら僕は助からなかったのかもしれない……
勿論その若者は二度と山へは行っていない