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故郷の誓い、探求への決意

セレスティの貴族院入学式という華やかな一日を終え、アリアは両親と共に馬車で実家へと戻ってきた。王都の喧騒と活気、そして何よりも、誇らしく成長した姉の姿と、驚くほど穏やかになったレオ兄様の言葉は、アリアの心に深く刻み込まれていた。


慣れ親しんだリンドバーグ家の門をくぐり、自室へと戻ったアリアは、まずはポルンを肩に乗せ、大きく深呼吸をした。部屋はいつもと変わらないが、アリアの心の中には、新たな風が吹き込んでいた。


机に置かれた木箱型の送信機を見つめる。そして、壁一面に広がる黒板の地図と、びっしりと書き込まれた情報に目を向けた。王都で見た世界の広さ、そして姉がこれから学ぶであろう知識の深さ。それらは、アリアにとって、自分の「声聞魔法」と「放送」が持つ可能性を、より強く意識させるものだった。


(お姉様も、レオ兄様も、それぞれの場所で頑張っている。私も、負けてはいられない)


セレスティの凛とした宣誓の姿、そして「アリアの声には特別な力があるのかもしれないな」と呟いたレオ兄様の言葉が、アリアの脳裏に蘇る。かつて「落ちこぼれ」と蔑まれ、コンプレックスを抱いていた自分を、家族が認め始めている。その事実が、アリアの背中を力強く押してくれた。


「ポルン……私、もっと頑張るね」


アリアがそっと呟くと、ポルンは彼女の頬に頭を擦りつけ、小さく鳴いた。


翌日からのアリアは、ライナー先生との授業に、これまで以上の熱意で取り組むようになった。午後の授業が始まると、アリアは真っ先に、王都での出来事、特にレオ兄様の態度の変化について、ライナー先生に話した。


「レオ兄様が、私の魔法について、初めて認めてくれたんです……」


アリアが、嬉しそうに報告すると、ライナー先生は温かい眼差しで頷いた。


「それは素晴らしいことです、アリア様。貴女の魔法が、周囲に理解され始めるのは、喜ばしい変化ですね。それは同時に、貴女の『放送』が、もっと多くの人々に受け入れられる可能性を示唆しています」


ライナー先生は、アリアの「声聞魔法」の原理を、さらに深く掘り下げて教えてくれた。小鳥たちが集まる現象と、魔力の共鳴、動物たちの記憶と情報伝達の仕組み。アリアは、それらの学問を、自分の魔法と結びつけながら、貪欲に吸収していった。


特に、ライナー先生は、アリアの「階層構造魔力回路」の発想が、貴族院の魔導具研究者たちの間でも、革新的なものとして注目される可能性を指摘した。


「貴女の発明は、魔力の効率的な利用という、長年の課題を解決する糸口となるかもしれません。いつか、貴女の『放送』が、王都の貴族院にも、その存在を知らしめる日が来るでしょう」


ライナー先生の言葉は、アリアの探求心をさらに刺激した。


「家内放送」も、これまで以上に力を入れた。集めた情報を黒板に整理し、分かりやすく、そして何よりも、聞く人々の心に寄り添うような言葉を選んで語りかける。物語だけでなく、魔物の注意喚起や、森の恵みの情報など、実用的な内容も増えていった。

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