表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/173

予想外の報酬、沸き立つ放送局

アリアの「王国放送」は、朝から夜中まで王国全土に響き渡り、国民の生活に深く浸透していた。朝のニュースは人々に一日の指針を与え、昼の情報放送は各地の知恵を繋ぎ、夕べの物語と歌は人々の心を癒した。フローラ王女の『夕焼け物語』もまた、王族の親しみやすさを伝え、国民の間に大きな反響を呼んでいた。


そして、「宣伝」という新たなビジネスモデルも、王国経済に活気をもたらし始めていた。ゴードンの「酔いどれ亭」の成功は、多くの商人たちの耳に届き、アリアの「王国放送」への広告依頼が殺到した。王都のグリフィン工房は、黒板の売り上げが飛躍的に伸びたことで、放送局の主要なスポンサーの一つとなっていた。


ライナー先生は、王宮の財務省と協議し、宣伝費やスポンサーからの収益の一部を、放送者たちの給与として支給する体制を整えた。彼らは、情熱と才能を王国のために捧げる、かけがえのない存在だ。彼らの生活を安定させ、より良い放送を生み出すための環境を整えることは、ライナー先生にとって、何よりも重要なことだった。


給与支給の日。貴族院の宿舎にあるアリアの研究室(兼放送局)に、30名近くの放送者たちが集まっていた。皆、初めての給与支給に、期待と、そしてわずかな不安を感じていた。これまでの仕事では、満足な報酬を得られない者も少なくなかったからだ。


ライナー先生は、彼らの前に立ち、厳粛な面持ちで説明した。


「諸君。貴殿らの『王国放送』への貢献は、王国にとってかけがえのないものです。つきましては、本日、王宮より、貴殿らの功績に見合った給与が支給されます」


ライナー先生の言葉に、皆が固唾を飲んだ。そして、一人ひとりの名前が呼ばれ、給与袋が手渡されていく。


最初に給与袋を受け取ったのは、元書記官の女性だった。彼女は、恐る恐る給与袋の中身を確認すると、驚きに目を見開き、そして、その場に崩れ落ちそうになった。


「こ、これは……!?ま、まさか……こんなにも!?」


彼女の震える声に、皆がざわめいた。続いて、貴族の三男の番が来た。彼もまた、給与袋の中身を確認すると、絶句した。彼の顔は、信じられないといった驚きと、そして深い感動で紅潮していた。


「まさか……私が、これほどの額を……!」


次々と給与袋を受け取った放送者たちは、皆、驚愕の表情を浮かべた。彼らの手には、これまでの彼らの人生では考えられないほどの、破格の報酬が握られていたのだ。宣伝費と、スポンサーからの費用の一部が加算された結果、彼らの給与は、貴族院の教授や、騎士団の幹部クラスにも匹敵するほどの、とんでもない額になっていたのである。


彼らは、アリアの「王国放送」に参加することで、自分の声で人々を繋ぎたいという願いを叶えただけでなく、経済的な安定と、社会的な地位までをも手に入れることができたのだ。


アリアは、その光景を、感動に胸を震わせながら見守っていた。自分の魔法が、こんなにも多くの人々の人生を変え、希望を与えている。その事実に、アリアは、心からの喜びを感じていた。


ライナー先生は、放送者たちの驚きと興奮に満ちた顔を見渡し、優しく微笑んだ。


「諸君。貴殿らは、この王国の未来を築く、かけがえのない存在です。貴殿らの声が、この王国に希望と繁栄をもたらすことでしょう」


放送者たちは、一斉にアリアに視線を向けた。彼らは、アリアの純粋な心と、その天才的な発想が、自分たちに新たな人生を与えてくれたことを、心から感謝していた。


「アリア様!本当に、本当にありがとうございます!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ