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王国を巡る「声」の波紋、変化の胎動

「王国放送」の最初の「朝のニュース」は、王国全土に大きな反響を巻き起こした。魔力波塔が完成し、アリアの「声」が実際に王国中に響き渡るという事実は、多くの人々に驚きと、そして未来への希望を与えた。


王都の城下町では、朝早くから店を開く商人たちが、軒先に置かれた受信機から流れるアリアの声に耳を傾けていた。


「すごいな!本当に王都の端まで、こんなにはっきりと聞こえるとは!」


「南の海岸地域で嵐だと?これは、今日仕入れる品を考え直さないとな!」


商人たちは、アリアが伝える正確な天気予報や、各地のニュースが、自分たちの商売に直結する重要な情報となることに、すぐに気づいた。新しいパン屋の開店情報には、興味津々の客が早朝から列を作り始めた。


辺境の村々では、役場に集まった村人たちが、受信機から流れるアリアの声に耳を傾けていた。遠く離れた王都の情報や、各地の災害情報が、リアルタイムで手に入るという事実は、彼らの生活に大きな安心感をもたらした。


「魔物の群れが東の森に……!これは、念のため警戒を怠らないようにしないとな」


村長が、真剣な表情で村人たちに指示を出した。これまで、情報伝達が遅れることで、魔物による被害が拡大することも少なくなかったため、アリアの放送は、彼らにとってまさに命綱となるものだった。


貴族院では、セレスティとレオも、アリアの放送の反響の大きさを肌で感じていた。食堂や談話室では、アリアの放送の話題で持ちきりだった。


「リンドバーグ殿の妹君の放送は、本当に有能だな!あんなに正確な天気予報は、これまで聞いたことがない!」


レオの学友たちが、口々に称賛の言葉を述べる。レオは、その言葉に、以前のような戸惑いはなく、心からの誇らしさを感じていた。妹の才能が、これほどまでに王国に貢献しているという事実に、胸がいっぱいだった。


セレスティの友人たちも、アリアの放送の有能さに驚きを隠せない。


「セレスティ様、アリア様の放送は、本当に素晴らしいですわ!災害の情報から、王都の新しいお店のことまで、何でも分かるのですもの!」


エレノア・クロフォードが、目を輝かせながら話した。


「ええ、私の実家でも、皆、アリア様の放送を楽しみにしていますわ。特に、物語の時間は、心を安らげると、母が申しておりました」


キャサリン・ウッドブリッジが、穏やかな声で続けた。


フローラ王女は、貴族院の自室で、アリアが贈ってくれた受信機を大切に抱きしめ、放送に耳を傾けていた。アリアの声が伝える、王国の様々な出来事。その声は、王宮での孤独な日々を送っていた王女の心に、温かい光を灯してくれていた。


(アリア様の『放送』は、本当に、たくさんの人々の心を繋いでいるのだわ……)


フローラ王女は、アリアの魔法が、単なる情報伝達の手段に留まらず、王国全体の心に、希望と安堵をもたらす力を持っていることを、改めて確信した。


リンドバーグ家では、アレクサンダーとエリザベスが、ライナー先生からの報告を受け、アリアの「王国放送」の大きな成功に、心からの喜びを感じていた。王国の隅々にまで響き渡るアリアの「声」。それは、人々の生活に確かな変化をもたらし、王国の未来を築く、新たな情報時代の幕開けを告げたのである。

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