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色分けられた情報、王国を動かす知の連携


アリアネットワークが本格的に稼働し始め、早朝から集まる鳥たちから、膨大な量の情報がアリアの研究室に届けられるようになった。アリアは、その全てを自身の黒板に書き込み、整理する作業に没頭した。


「ポルン、これは『ニュース』かな?それとも『情報放送』かな?」


アリアは、ポルンと心の中で相談しながら、色とりどりのチョークを手に、情報を分類していった。


【赤色:緊急ニュース】


「南の村で、魔物の群れが目撃された!移動速度が速い!」(鷹からの情報)

「北の国境付近で、不審な部隊の動きあり!」(カラスからの情報)

【青色:天気予報】


「東の海岸部で、大規模な嵐が接近中!高波に注意!」(海鳥からの情報)

「明日の王都は、一日中晴れ!洗濯日和!」(スズメからの情報)

【緑色:昼の情報放送】


「西の森の奥で、珍しい薬草が群生している場所を発見!」(フクロウ・セージからの情報)

「王都の城下町で、新しい果物が市場に出回り始めた!」(スズメからの情報)

【黄色:その他、要確認情報】


「〇〇村の近くで、子供の笑い声が聞こえる……夜遅くまで」(小鳥からの情報)

「リンドバーグ邸の庭で、新しい花が咲いた!」(ミツバチからの情報)

アリアは、鳥たちから得た情報を、このように色分けして黒板に書き込んでいった。視覚的に情報を分類することで、何が緊急で、何が放送に載せるべき情報なのかを、一目で把握できるように工夫したのだ。ライナー先生も、その分類の効率性に感心した。


「アリア様の発想は素晴らしい。これならば、膨大な情報の中から、必要なものを瞬時に見つけ出すことができます」


しかし、黒板に書き込むだけでは終わらない情報もあった。特に「赤色:緊急ニュース」に分類されるような、魔物の出現情報や、国境付近の不審な動きなど、アリア自身や研究所のメンバーだけでは対処できない、王国全体の安全に関わる重大な情報だ。


「先生。この魔物の情報や、不審な部隊の動きは、すぐに王宮の各省庁や騎士団に伝えないと、大変なことになりますよね?」


アリアが、不安げな表情でライナー先生に尋ねた。


ライナー先生は、力強く頷いた。


「ええ、アリア様。貴女の情報は、王国の防衛において、かけがえのないものです。私たちが、責任を持って各省庁に届けましょう」


こうして、アリアネットワークの情報処理スタイルが確立された。アリアは、鳥たちから得た情報を色分けして黒板に書き込み、その中から、自分たちでは対処できない緊急性の高い情報(主に赤色で分類されたもの)を、別の紙に正確に書き写す。そして、その紙を、ライナー先生や研究室のメンバーが、それぞれ担当の省庁や騎士団へと直接持ち込み、報告するという連携体制を築いたのだ。


ロジャーは軍務省へ、エディスは情報省へ、フェリックスは魔導具省へ、そしてリリーは主に広報的な側面を担当する部署へと、それぞれの情報を持って駆けつけた。ライナー先生は、全体の統括と、国王や女王への直接の報告を担当した。


早朝、アリアの研究室は、鳥たちの情報が飛び交う、賑やかな「情報司令部」となる。そして、日中は、研究所員たちが王宮の各省庁を駆け回り、アリアがもたらした「王国を動かす情報」を届ける。


アリアの「声聞魔法」は、単なる個人能力の域を完全に超え、鳥たちのネットワーク、アリアの情報整理術、そして研究所員たちの連携によって、王国全体の危機管理と情報伝達の要として、その役割を確立していった。アリアの「放送」は、まさに王国を動かす「知の連携」の象徴となっていたのである。

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