表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/173

空の斥候、アリアネットワークの誕生

アリアが小鳥たちに「放送」のための情報収集を依頼して以来、貴族院の中庭やリンドバーグ家の庭には、アリアの声に応えるように、これまで以上に多くの小鳥たちが集まるようになっていた。彼らは、王都の隅々から森の奥深くへと飛び立ち、アリアが求める「ニュース」や「天気予報」、そして「情報放送」の種となる情報を運んできた。


しかし、その情報網は、小鳥たちの小さな視点だけでは補いきれない部分もあった。より広範囲な情報、例えば遠方の村で起こる大規模な異変や、森の奥深くの魔物の動向など、上空からの広い視野でしか得られない情報だ。


そんなアリアの思いを感じ取ったかのように、ある日、貴族院の中庭に、一羽の雄大な鷹が舞い降りてきた。続いて、王都の上空を旋回するカラスの群れや、森に生息する他の種類のフクロウたちも、アリアの歌声に惹きつけられるように、彼女の周りに集まり始めた。


「まあ!鷹さんまで……!」


アリアは、その威厳ある姿に驚きながらも、優しく語りかけた。ライナー先生も、その光景に目を丸くしていた。


(アリア、彼らも協力したいと言っている)


ポルンが、心の声でアリアに伝えてきた。鷹やカラスたちは、小鳥たちよりも高い場所から、より広範囲を見渡すことができる。彼らが情報網に加われば、アリアの「放送」は、さらに正確で、広範囲な情報を届けることができるだろう。


アリアは、早速、彼らにも協力を依頼した。


「みんな、お願いです。王国の広い範囲で、何か変わったことや、困っている人たちがいたら、私に教えてほしいの。特に、遠くの森で何か異変があったり、嵐が来そうだったりしたら……」


アリアの言葉に、鷹は鋭い鳴き声で応え、カラスの群れも、大きく羽ばたきながら、王都の空へと飛び立っていった。彼らは、アリアの「声聞魔法」を通じて、彼女が王国のために何をしようとしているのかを理解していた。


ライナー先生は、アリアが構築しようとしている情報網の規模と、その潜在能力に、改めて驚嘆した。


「アリア様……貴女は、まさにこの空を駆ける全ての鳥たちを、自身の情報網として組織しようとしている。これは、王国全体を網羅する、まさに『アリアネットワーク』と呼ぶべきものだ!」


ライナー先生は、興奮を隠しきれない様子で叫んだ。


その日から、アリアの研究室は、王国全体の「空の情報司令部」としての機能も兼ね備えるようになった。アリアは、あまりにも多岐にわたる情報と、その情報提供者の管理のために、ポルンとフクロウの仲間たちを「リーダー」として指名した。


「ポルン、トワイライト、ウィンド、セージ。みんな、お願い。それぞれのエリアの鳥たちをまとめて、私に情報を集めてきてほしいの。ポルンは、王宮周辺。トワイライトは、リンドバーグ家周辺の森。ウィンドは、王都の城下町。セージは、遠方の森と山々……。何かあったら、すぐに私に伝えてね」


アリアの言葉に、フクロウたちは、力強く頷いた。彼らは、アリアの魔法と、彼女が王国のために尽くそうとしている姿を尊敬し、その「アリアネットワーク」のリーダーとしての役割を、誇りに思っていた。


こうして、アリアの「放送」を支える、壮大な「アリアネットワーク」が誕生した。小鳥たちのささやかな目と耳から、鷹の鋭い視点、カラスの広い視野まで。王国全体を網羅する、生きた情報網が、アリアの「声聞魔法」によって構築されたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ