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主人公は、私ですので、発明家になりました。


 皆さん、こんにちは、フローレンスです。



 皆さんは、センス、ありますか?


 確信を持って、これはいける!と断言できるセンスを、お持ちですか?


  

 実は、ジルと私は迷っています。


 迷子です。


 完全に迷宮に入りこみ、迷子になってしまいました。




「迷子にならない剣」か「迷わない剣」



 どちらが、センスがあると思いますか?




「どちらも良い名前で分かりやすい。どっちでもいいんじゃない。」


 悩みすぎて投げやりになり、ロボ達でバトルを繰り広げているジルを横目に、私は悩み続けています。



 だって、私は、知っています。商品を売るために必要なのは、イケてる広報戦略と、インパクトですよね?


 商品にインパクトがあるか、消費者を巻き込めるストーリーがあるか、そうですよね?




 ジルと私は、また夜の鍛錬場に来ています。


 ここは、王宮勤めの騎士達が、鍛錬をしたり、武器を磨いたりする部屋です。イメージとしては、学校の道場のような雰囲気で、長方形の広い部屋に、床は石で固いです。まわりの壁際には、様々な武器や鎧が置かれ、奥には、武器庫があります。


 私達は深夜の、真っ暗闇の中、心許ないランプの灯りだけを頼りに作業をしています。





 さて、本題に戻りましょう。



 「迷子にならない険」


 この暗黒時代、助かります。


 夜になると、どこもかしこも深い暗闇に覆われて、生い茂った森などは昼間から真っ暗です。どの道を来たのか。目印がすぐ曖昧になり、人々は迷子になるのです。


 だから、迷子にならない。


 そう言われると、とても安心できます。これで自由に、出かけられる。何か事故がおきて、少しくらい遅くなっても、きっと、大丈夫。



 フローレンスとジルは、何故か森の中で迷子になってしまいました。


 あれ、お母様は、どこかしら。さっきまで、ここにいたはずなのに。


 二人は、鬱蒼と木々が生い茂る中を、手に手をとって歩き回りました。


 もう、だめ、私歩けない。フローレンスが呟くと、ジルが頷きます。


 僕達って、迷子になったのかな。


 ジルの言葉に、二人は顔を見合わせ、剣を取り出しました。剣が、ある一方を、指しています。


 やったぁ、私達助かるね。


 喜んで進んでいった二人の目の前に、なんと、美味しそうなお菓子でできた家が現れました。二人は急いで家の前に行くと、ドアを叩きました。



 このような、夢があふれる剣は、いかがでしょうか。



「お菓子の家か。虫がいそうだな。」


 ジルの一言で、私は悲鳴をあげました。ダメダメ、虫怖い。



 

 では、こちらはどうでしょう。



 「迷わない剣」


 この暗黒時代、助かります。とにかく、何かがあった時に、何をどうすればいいのか、その知識が、皆にありません。


 だから迷子になった時、迷わずこの剣を出せばいい。それを知っているだけで、助かるのです。



 フローレンスはある日、病気になったお婆ちゃんのお見舞いに行きました。


 お土産は、手作りのアップルパイよん。お婆ちゃんは、ベッドの中で寝ていました。


 あれ、おかしいわね。なんか手が毛だらけで色が灰色だし、耳が尖っているし、口が、大きい!


 グサッ。フローレンスは迷わず、狼を仕留めました。



 こんな、実用的な剣は、いかがですか。



「これ、迷わない、の意味あってるのか。」


 ジルの一言に、私は、凍り付きました。テヘペロ、間違えちゃった。




 甲乙つけがたいですね。



 もう、アミダくじで選ぶしかないのでしょうか。


 私がアミダの表をゴミに変身した革の鎧に書きはじめると、ジルが近寄ってきて、私の手元を見つめています。


「これは、アミダくじと言って、運で何かを決めるときに使うと、便利なんだ。」


 私がアミダのやり方を教えると、ジルがへぇと感心して、アミダの長い線を、一本、書き足しました。


 私がジルの意図を掴めず、首を傾げていると、ゴールのところにスラスラと文字を書き込みました。



「マジカルソード☆」


 え。


 私はジルの顔を見て、革の鎧の文字を見て、もう一度、ジルの顔を、ガン見しました。


 白馬の王子様って、こういうキャラでしたっけ。



 私が、爆笑していいものか迷っていると、ジルが一枚の紙を差し出してきました。


 なになに。


 

 ★ワンダフル カラフル ペンシル★

 つ★い★に でたぉ。

 6色もあって、かわいいね!

 ママに、おねだりしてみてね★


 詳細は、魔術師団まで よろぴく★

 


 ブッ。私は吹きました。


 盛大に、吹きました。


 お父様。あの人、こういうの好きなんだよなー。



「我が国の、血と汗の結晶、魔術界の最先端技術を駆使した、奇跡の色鉛筆六色セットの、名前がこれ。」


 ジルががっくりと肩を落としてから、面白そうに、笑いはじめました。


「ここまでくると、文句もでない。」



 私達は、笑い転げて、笑い疲れてしまいました。



 流石、お父様。インパクトが半端ない。



 これこそ、広報戦略ですね★



ブクマ登録、ポイント評価、ありがとうございます。


まだの方、よろしくお願いします。

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