主人公は、私ではありませんが、がんばります。
三年生に進級した私は、お父様の命令通り、結婚相手を捜すことにしました。
お父様は同意した私を見て、安堵していました。舞踏会にも行かず、学校では平民と仲良くしていたのです。気をもんでいたことでしょう。それでも何も言わず、見守ってくれていたお父様の期待に応えるべく、私は、生活態度を改めました。
ジルと歴史の話をしていたことが、もう今は、遠い昔のように感じられます。今でも、一言一句、彼と何を話したか、思い出すことはできます。けれど、その思い出たちは、まるで私の心の中にあるアルバムに貼られた色あせた写真のように、現実という感覚ではなく、歴史書のように、他人事という感覚になりました。
それでも、第七図書館に足は向きません。
あそこには、この色あせたアルバムに鮮やかな色を戻す力がありそうで、私は、恐いのです。
私は自分の立場や家のことを考え、結婚相手を選ばなければいけません。貴族と結婚する場合は、相手の家のことを学ぶ準備期間なども必要ですので、そろそろタイムリミットです。
それにしても人選が、とても難しい。
お父様は、王太子殿下を勧めてきます。
多分、私がはいと言えばまとまる縁談なのだと思います。けれど私は、ゲーム機を作り、家政婦は見たのようなドラマが見たいのです。この先国王となる人との結婚など、うざいだけです。むりむり。やる気でない。
私に甘いお父様に甘えながら、相手は自分で探させて欲しいと懇願しました。せめて、もう少し楽そうな家がいい。けれど、ではいざ選ぶとなると、選べません。家柄、性格、将来性。有望な方を何人か選び、お父様と相談し、最後は一人に、と考えていたのですが、すぐに挫折しました。
楽な結婚とは、一体何でしょう。
何を重視すれば良いのでしょうか。
やはり、お父様に選んでもらった方がいいのでしょうか。いえいえ、そうなると、殿下を選ぶに決まっています。
そこで私は、お母様に相談してみました。答えは、将来性。
お兄様は、性格。
お姉様は、財力。
弟は、才能。
妹は、顔。
ふむ。皆バラバラですね。では、私は。私にとって、一番大事なことは、なんでしょうか。
私は考え込んで、ため息をつきました。私にとって大事なのは、ジルなのか、そうではないのか、でした。
ジルなら良い、違うなら、だめ。
と、言うことは、ジルではないなら誰でもいい。誰でも同じだということです。
誰でもいいなら、いい方法があります。
私は顔を上げました。
もう、疲れました。その方法にします。決めました。面倒になった私は、この問題をはやく片づけるために、単純な方法を選びました。
早い者勝ち、これで、いきましょう。
感想などいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。




