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シェア寝泊り!?(愛梨&綾香2泊目)

ひとまず、アパートの外廊下(そとろうか)で立ち話も近所迷惑になるので、二人を家に上げた。

綾香が来ることを見越して、部屋には既に布団が二枚並べられている。


「あれ? もう布団()いてある、早いね」

「久々に運動して疲れましたし、明日も授業あるんで早めに寝おうかなと……」

「そかそか、明日も早いんだもんね」

「はい……」


何だろう、愛梨さんが先ほどとは違い、優しい口調で話しかけてくるのが逆に怖い。一方の綾香は、俺達が仲睦(なかむつ)まじく話している様子を、じぃっと睨みつけるように凝視(ぎょうし)していた。


「それなら、明日も早いだろうし、早めに事情を聞いた方がよさそうだね。で、これはどういうことかな大地君?」


 ニコっと微笑みながら、愛梨さんが本題を尋ねてくるが、眉根を引きつらせ、目は全く笑っていない。


「えっと……これには深い訳がありまして……」

「私が泊めてって言ったんです!」


 俺が言い(よど)んでいると、家に入ってから一言も発さなかった綾香が、俺をフォローするように堂々とした口調で愛梨さんに言いきる。それを聞いた愛梨さんが、戸惑った様子で俺に確認してくる。


「えっ……大地くん、もしかしてだけど、二人はもう付き合ってるの?」

「へっ……!?」


そうだったの!? と、目を見開いて、綾香へ視線を向けると、綾香はブンブンと手を横に振って否定する。


「ち、違いますよ!」

「じゃあどうして、わざわざ大地君の家に泊る必要があるのかな?」

「そ、それは……愛梨さんも同じじゃないですか? 大地君と付き合ってる訳でもないのに、どうして泊まりに来てるんですか!?」

「そりゃ、大地君は私にとって()()()()()だからよ!」


 胸をぶんっと張って言い切る愛梨さん。その時、ジャージ越しにも分かる大きな胸がぷるんと揺れたのが横目に見えた。


「と、特別って……! そんなこと言ったら、私だって大地君は()()()()()です!」

「なっ……!?」


 顔を赤くして、必死に俺の必要性を訴える綾香。

 綾香の爆弾発言に、俺はあんぐりと口を開いたまま唖然(あぜん)とした表情を浮かべることしか出来ない。

 

 その間にも、二人のバチバチとした俺に対する言い争いは続く。


「綾香ちゃんの特別は、どういう意味の特別かしら」

「それはもちろん……そ、そのままの意味です!」


 えっ!? そのままの意味って、どのままの意味!? 期待した意味で受け取っちゃっていいの!?


「ふぅーん。あなた、芸能界では清純派人気女優で通ってる(わり)には、案外肉食系なのね」

「なっ……何か問題でも?」


 二人は向かい合って、お互いに顔同士を超近づけて睨み合っている。

 愛梨さんの凶暴なまでのふくよかな胸と、綾香の小柄ながらも膨らみのある胸が押し相撲をしているような形になり、若干愛梨さんが優勢に見えるという、なんとも素晴らしい光景……じゃなくて!


「ちょっと二人とも落ち着いてください! 俺を置いてきぼりにしたまま、二人で話しを進めないでください!」

「大地君は黙ってなさい!」

「大地君は黙ってて!」


 同時に二人から鬼の形相で睨まれながら言われ、俺はその場に再びしゅんと身体を丸くして縮こまる。


「って、いやいやいや可笑しいですよね!? ここ俺の家だし、さっきから俺のことが特別だとかなんだとか色々言ってますけど、結局どういうことなんですか!?」


 特別という言葉でお茶を濁さないでちゃんと言って欲しい。

 そう言った意図で俺が問うと、二人が呆れた瞳を俺に向けてくる。


「それくらいは自分で考えなさい」

「そうだよ。私たちにばかり聞いてないで、大地君も自分の事ちゃんと考えて! というか察してよ」

「へっ!?」

 

 二人とも怒ったように怒気を強めて、特別の意味を自分で考えろと言ってくる。

 考えろったって、分からないから聞いてるのに!


 だが、俺を叱ったことで二人の熱が少し冷めたのか、愛梨さんは額を人差し指で押さえながら息を吐き、綾香は腰に両手を当てながら深いため息を吐いた。


「なんか、張り合ってるのがバカみたいに思えてきちゃった」

「本当ですね」


 なんか知らないけど、お互いにほとぼりは冷めたらしい。


「どうしよっか?」


 改めて、愛梨さんが今度は綾香に尋ねる。


「この(さい)、仕方ないです……」


 そうだよね、こんな状況で泊まれるわけないもんね。

 時間的にはまだ終電もあるし、今日はお互いそれぞれの家に帰って……


「今回は二人で大地君をシェアして一緒に寝ましょう」

「……はっ?」


 俺は思考がフリーズした。え? 一緒に寝る、どういうこと?


「わかったわ、仕方ないわね」


 綾香の意見に、納得したように頷く愛梨さん。


「いやっ、何が!?」


 意味が分からない。どうしてつい先ほどまで俺を巡ってバトルしてたはずなのに、どうして一緒に俺をシェアして寝るという斜め上の発想の結論に至るわけ!?



 ◇



 二人の間で和平が結ばれて、今日は俺をシェアして寝ることになった愛梨さんと綾香。

 俺は今、二つの布団をぴったしと隙間なく敷き直して、その中央に寝っ転がっている。


 首を右に回せば、ふぅっと俺の匂いを嗅ぎながら、満足げな様子の綾香がいて、左を見れば、俺の腕に巻き付いて、その自慢の豊かな胸を存分にアピールするように押し付けながら、俺のことをじぃっと微笑んで見つめてくる愛梨さん。


 まさに俺は、両手に華状態になっていた。


 愛梨さんも綾香も、それぞれお風呂上がりのいい香りが漂ってくるし、色々と柔らかい所が密着していて、寝付くどころの問題ではない。


「ちょっと二人とも……もうちょっと離れてくれませんか?」

「いやよ」

「大地君とくっついてないと眠れないもん」

「大体、誰のせいでこんなことになっているのか、よく自覚しなさい!」


 そう言いながら、愛梨さんは足まで絡ませてきて、さらに身体を密着させてくる。

 ジャージ越しでも愛梨さんの柔らかい感触が左半身に伝わってくる。


「むぅ……!」


 その様子を見て対抗心が芽生えたのか、綾香も俺の右足に足を絡ませて、さらに密着してくる。俺の腕に両手を巻き付けて、俺の胸部に顔を埋める。


 二人が密着してくるおかげで、下手に身動きが出来ない状態になってしまう。


 かたや人気清純派女優、もう一方には俺が一目ぼれした先輩。

 周りから見たらうらやまけしからん状態で、美少女二人に密着されてるとか、ホントどういう状況!?

 

 そんなことを考えているうちに、二人はスヤスヤと寝息を立てて心地よさそうに眠ってしまったが、俺は眠気どころか、色々と気になりすぎて、朝までその柔らかい感触を味わいながら、一人悶々とする羽目になってしまった。

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