アイリス親衛隊
ターニャ
アイリス専属の侍女。家事から護衛・時に秘書まで何でも熟すスーパー侍女。幼い頃スラムから拾い出され、そのためアイリスを心酔している。お嬢様至上主義なところがあり、少々過激な発言をすることも。
ライル
アイリスの護衛。幼い頃にアイリスに拾われた。護衛隊の報告書等デスクワークもこなしている。力が強い為、それを活かした戦い方が特徴的。金髪の瞳にガッシリとした体つき。
ディダ
ライルと同じくアイリスの護衛。幼い頃に拾われている。飄々とした物言いと雰囲気で、いつもライルに小言を言われている。素早さを活かした戦い方が特徴的。茶色の髪の毛、にほっそりとした身体つき。
レーメ
アルメニア公爵家使用人。図書室の管理を行っている。アイリスに幼い頃に拾われた。アルメニア公爵家図書室の本は全て読了。その為、幅広い知識を有する。アイリスの知恵袋として、偶に助言を乞われることも。現在は図書室の管理と同時並行で、領立の学園の授業も受け持っている。髪は常に三つ編みに結わいていて、大きな分厚いメガネをかけている。
モネダ
元アルメニア公爵家使用人。アイリスに拾われ暫く仕えていたものの、アイリスが学園に入学するために領地を出たと同時に、モネダも使用人を辞めた。その後は、商業ギルドで副会計士を務める。今回アイリスの勧誘により、銀行の初代会長に。時は金なり、という言葉をこよなく愛する、健全な商売人。
セイ
アルメニア公爵使用人にして、執事見習い。なんでもソツなくこなす。個性豊かなアイリス親衛隊の中で、一番影が薄いのでは…というのが悩み。割と押しに弱く、気弱なところがある反面、一旦決めると頑固。特にアイリスに関することに関しては基本頑として譲らない。ここ最近は、執事の仕事から離れて商会の仕事にかかりきりになっている。
メリダ
アルメニア公爵家のお抱え料理人。アイリスに幼い頃拾われた。料理人は基本男性の世界なのだが、本人の意思とアイリスの可愛い我儘で、すったもんだの末に厨房に入ることができた。男ばかりの世界で生き残れるほど、意思と気が強い。本編前半では、商会の喫茶ラインの現場をほぼ任されているため、あまり出番はない。
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「そういえば、皆は仕事以外の時は普段どうしているの?」
「……俺とライルは昼間は適当に身体動かして、夜に飲みに行ってるなあ。師匠のお陰で大分酒には耐性ついてるから」
「ああ……そうよね」
「こいつったら、この前飲みに行った時に女の子に声かけられて、タジタジになっててなあ」
「あら、そんな事が。その話、詳しく教えて」
「ディダ!お嬢様に何て事を話しているんだ!」
「あ、いっけね。じゃあね、姫さん」
「……ディダって本当足が早いわよね…」
「そうだねぇぃ。昔っからああしてライルに追われていた成果なんじゃないのかい?」
「ふふ…。それで、メリダは?」
「私?私は休みの時は普通に過ごしているよ。それこそ、買い物行ったり本を読んだり」
「なるほど」
「この前はセイと出かけたねえ」
「そうですね。この前、気になる菓子屋があるとか言って」
「へえ……セイは休みどうしているの?」
「メリダさんと同じですよ?色々な店を見たり、後は本を読んだり様々です」
「本か…本といえば、レーメは?」
「そうですねぇ……私はぁ、基本本を読んでるのでぇ」
「休みの日も?」
「はぃ!本を読む事が趣味なのでぇ、あんまり休日とか関係ないですねぇ…」
「まあ、確かに趣味が仕事なら…。じゃあ、モネダは?」
「私ですか?私は、金勘定をしてますね」
「それは、仕事ってこと?」
「いえいえ。レーメと同じで、金のことを考えるのが私の趣味なんですよ」
「それって、趣味なのかしら?」
「人の趣味なんて、人それぞれですよ」
「……そう?」
「ええ」
「……それじゃ、ターニャは?」
「……お休み、ですか……」
「そう。メリダみたいに買い物とかをしているの?」
「……お休み、という概念が今一つ分かり兼ねます」
「……そういえば、ターニャ。貴女、最近休み取ったのっていつ?」
「…記憶にございません」
「ターニャ、お休みを取りなさい。気づかなかった私も悪いけど、貴女も積極的に取らないと!明日からにでも、すぐ」
「私には、休みなど不要です」
「休みは重要よ?私も、休まなさすぎて倒れたじゃない!」
「お嬢様は仕事の最中に力加減ができていなかったのですよ。私は手の抜き方というのを習得しておりますので大丈夫です」
「そうは言ってもね、ターニャ」
「それに、それを言うなら他のメンバーにも言うべきだと思いますよ?先ほどの話からディダとライルは休日も訓練をしている様子。メリダはお菓子屋さんに行っていると言ってたのは、要するに敵情視察ですし…セイもメリダと同じ。リーメとモネダに至っては、仕事そのまんまの事をしているじゃないですか」
「……確かに」