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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
恐怖だって、ファンなんだから仕方ないですよね!
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「夏海が作詞してもいいですか? いいですよね」

 何を思ったか、夏海はそんな提案をしてくる。でもそれってさ、俺が決めることじゃないんじゃね。

「自分で歌う歌ならね。ただ、俺のはやめて」

 それに、夏海が作った歌とか恐ろしさしか感じないから。もう、勘弁して下さいって感じ。

 作詞することはいいんだよ? ただ、俺に提供しないで欲しいってだけで。

「どうしてですか! では、こんなのどうでしょう。夏海の歌はお兄ちゃんが作って、お兄ちゃんの歌は夏海が作るんです。雇わなくて済みますし、作詞の才能を見ることも出来ます。それにファンたちも最高に喜ぶと思いますよ」

 メッチャいい提案した。さすがだろ。

 みたいな感じにドヤ顔を決めている夏海。でもさ、俺はそんなのしないよ? 作詞とか絶対無理だし。作っても、歌ってるの聞いたら笑っちゃうもん。

「はい、少なくともあたしは大喜びします。冬樹さんとか、作詞みたいなのメッチャできそうですもん。夏海様により描かれた詩というのも見てみたいですね」

 ファン代表のような感じに、ハイテンションな横島さんは言う。

 でもメッチャできそうとか言われたって、やったことないもんそんなの。そんなんできないもん。

「でしょ? 夏海天才ですよね」

 そんだけ言われたって、俺は絶対やんないから。

 夏海が描いた歌詞で歌うとか恐怖だし、自分が描いた歌詞を歌われるとか恥ずいし。ほんと、シンガーソングライターとかは神だと思う。

「却下、勘弁して」

 二人のハイテンションについて行くことは諦めよう。

 ってことで、宿題やりながらも却下させて貰った。だってさ、恥ずかしくてしょうがないでしょ? 恥ずかしくなくても、夏海がまともなの描く訳ないし。

「何でですか! 最高にいいと思ったんですけど」

 本気で最高にいいと思っちゃってるの? 何でとか聞くまでもないでしょうよ。

「嫌だ。絶対無理」

「何でそんな我が儘言うんですか! 夏海の最高の案に対して失礼でしょう」

 絶対却下だからもう一度言ったのだが、かなりの即答で夏海に文句を言われてしまった。

 いやいや、夏海の最高の案て自分で言うなし。失礼でしょうとか自分で言うなし。てか我が儘じゃないし。

「正式にそう頼まれたなら仕方がない。だけどさ、夏海に頼まれただけでしょ? そんなのさ、我が儘とか言われたって困るんだけど」

 でもこれだとやっぱ、俺が子供みたいな感じだよね。

 いやまあ、テンションを見る限りは夏海の方が子供だけどさ。でも言ってること、俺が本当に我が儘みたいじゃん。

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