Ⅴ
「はい! そうですね」
元気に一気に子供っぽい声で、ニコニコと夏海は答えてくれた。
静かに宿題をやっていると、玄関からピンポーンという音が聞こえて来たのだ。誰かが来るって話は聞いてないけどな……。
不思議に思いながらも一階に下りる。勿論夏海も着いて来ている。
「遊びに来てみました。夏海様、お久しぶりです」
黒いマントを羽織って顔まで隠れている、明らかに怪しげな人が立っていた。
まあ、声を聞く限りは横島さんだと思うけどね。
「何ですか? その格好は」
さすがの夏海も、尤もなツッコミをしてくれたようだ。いや、夏海にも普通なところがあって良かった。
「太陽の下素肌を晒すなんて行動、あたしには出来なかったもので。しかし夏海教を信仰するものとして、迷惑でない程度に通うべきだとは思いましてですね」
確かに横島さんの肌って、物凄く真っ白で綺麗だよね。
アリスちゃんも凄い白いんだけど、アリスちゃんをも超えるレベルだから相当だよ。でもまあこれだけ頑張ってる(?)んだったら、当然って話だよね。
「なるほど、事情は分かりました。とりあえずあがって下さい」
夏海も相手が誰なのかは分かっているのだろう。
マントを取らせもせず、そのまま家にあげたくらいなんだからさ。
「夏海の部屋だったら、冷房付いてますよ? 暑いですし来て下さいよ」
宿題やっている間付けはしなかったけど、お客様が来ているんだしね。
「あっ、ありがとうございます。夏海様のお部屋へ踏み入ることを許されるのですね? あたしは何と言う幸せ者なのでしょう」
異様に俺にデレデレする夏海に、こんだけデレデレな人だっているんだよな。
「しかし自慢したりはしないで下さいね? 夏海教の信者である時点で、そのようなことしないとは思いますけどね。あんま特別扱いしてると思われたくありませんから」
そうだよね。他のファンからしたら、家に遊びに行くとか羨ましくて仕方ないだろうからね。
「別に夏海は特別扱いしてませんけどね。だって他のファンの方だって、遊びに来てくれれば誰でも夏海は入れてあげますもん。差別とかじゃありませんけどね」
いや、誰でもは不味いんじゃない? それこそ危ない人いれちゃったりしたら大変じゃないか。
ストーカーだっているかもしれないんだし、そうゆう人が来たらどうするんだよ。ったく、危ないこと言うなぁ。
「はい! 夏海教に差別などありません。夏海教は信じる者すべてに平等であります」
何か横島さんのその様子だと、宗教って言うよりも軍団の方が相応しい気がする。




