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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
七光りだって、仕事なんだから仕方ないですよね!
86/266

ⅣーⅣ

「しかしどうせ内容知ってますし、夏海的に園田ってない奴は飛ばしてもいいくらいなんですが」

 なんてことを言いやがるんだ。

 俺や夏海じゃないとしても、先輩の台詞セリフを聞かずに飛ばすだなんてふざけているね。

「うん、正直ね。でもさ、それはそれでめんどくさくない? つまらない作品じゃないし、普通に見ればいいじゃん」

 夏海をしっかり説得させ、二人並んでテレビの前に正座する。

「お兄ちゃんの素晴らしい声、しっかり聴いてなくちゃいけませんね。いつ喋るか分かりませんし、耳を澄まして聴きましょう」

 確かに俺の台詞量は少なく、よぉく聞いていないといつ話したか分からず終わってしまうほどなんだ。

 そんな俺とは違って、夏海は結構な役をやっている。別によく聞いていなくても、夏海が喋り始めたなって思うレベルだね。

 それも今回の役は、珍しく夏海感のある夏海だったと思う。ほぼ地声に近い声で演じていてくれたから、完全に夏海だなって気がするもん。

「このOP歌ってる人、前にも共演した人なんですよ。とっても優しくしてくれる人なんですが、お兄ちゃんは会ってませんでしたっけ」

 OPが流れ始めると、ノリノリに体を揺らしながら夏海は聞いてくる。

「撮影一緒になった? 多分なってないから会ってない、と俺は思う」

 多分だよ、多分だけどね。

 そんなことを話してるうちにOPは終わり、CMが始まる。普通だったら飛ばしてしまうところだが、いきなり夏海のCMだったから飛ばせなかった。

「これの撮影、凄い大変だったんですよ」

 なんて、夏海は苦労を語り始めちゃうしさ。

 別にわざわざ話を止める必要もないから、俺もわざわざ止めたりはしないけどな。

「へえ、ご苦労様」

 みたいな感じに適当なことを言って、適当に流せばいいだけだしさ。それに俺が止めなくとも、CMが終われば夏海だって喋るのを止めたし。

 そもそも妹が頑張りを話してるんだから、聞きたくないなんてことは思ってないし。

「あっ、夏海ですっ! ってことは、お兄ちゃんももう直ぐ出る筈ですね」

 暫く大人しく見ていると、夏海が演じているキャラクターが出てくる。「夏海です」って、夏海ではないんだけどね。

「わぁ! 今のカッコ良すぎる声、お兄ちゃんですね。絶対そうです」

 一応聞き逃さずに、俺の台詞を聞けはした。

 多分二言くらい話したし、もう出番はないんじゃないかなと思う。

「もっと静かに見ようぜ? ほら、座って」

 興奮してか夏海は立ち上がっているので、兄らしく落ち着いて注意してやった。

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