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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
七光りだって、仕事なんだから仕方ないですよね!
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ⅡーⅧ

「ショコラティエのチョコ貰ったことあるんです! 凄くないですかっ!? 夏海さんと唯織さんが、あたしの質問に答えてくれたんですよっ! あたしにアドバイスをくれたんですよっ! あたしあれから、いっつも凹んだ時には自分で自分を励ましてあげてるんです。ショコラティエの歌を聴きながら、自分の頭撫でて頑張れって言ってあげてるんです」

 テンションマックスでそう言う横島さんの声が聞こえたのだが、それ結構怖くない? だってさ、自分で自分の頭撫でてるんでしょ? 夏海も唯織さんも、何を言ったんだか……。

「あ、あれですか……。え、でもあれは……。ふざけちゃったしごめんなさいでってことで、チョコを決めたくらいなんですけど。てか、本当に自分でいい子いい子してるんですか? ごめんなさい。いやあれはね! あれはさ、いおが悪いんですよ。夏海じゃなくっていおが」

 夏海が必死に説明するが、横島さんは急に落ち着いて静かに首を横に振った。

「いいえ。あたしは本当にあのアドバイス、嬉しかったんです。とってもとっても嬉しくて、テストも成績も関係なくショコラティエの言ってたことを繰り返したくて……っ」

 …………熱狂的なファンって言うより、最早ここまで来るとダメな子な気がする。

 でも学校ではそんなことないよね? あまり元気そうな感じじゃないのは、他に熱狂的ファンと巡り合えていないからってだけなのかな。大人しくて真面目で話し掛けずらい、そんな感じのイメージで最終的に名前すら知らなかった。そんなとこなんだけどな……。

「それはいけませんね。あくまでもアドバイスですから、自らを厳かにしちゃいけませんよ」

 突然低い声を出し夏海は、一生懸命カッコ良さげなことを考えながら言った。

 カッコいいと感じたいところだが、夏海の目! 明らかにその場で考えてるようで、次何言おうかと迷う様子がはっきりと表れてるよ。

「はい。ごめんなさい! 師匠、まだ未熟なあたしにもっと修行をっ! 早く師匠のところまで行きたいんです」

 いやしかし、横島さん俺より演技上手いんじゃない? 物凄く必死感のある演技、でも普段の様子からして大人しい子だって全然行けそうだし。

「え? 夏海のところ? もう来てるじゃありませんか」

 一方うちの妹は果てしなく素直で、頭に「??」を浮かべて首を傾げていた。

「あぁ、夏海さんって本当にそんな感じなんですね。もう憧れますよ、可愛いですよぅ」

 まあ、確かにそうだよね。でも天然さんはさ、中々キャラで作れるもんじゃないんじゃないかい。でもそれに憧れるの? そこはよく分かんないけど。

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