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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
七光りだって、仕事なんだから仕方ないですよね!
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 夏海にはちょっと違う意味で伝わってしまったみたいなので、俺は優しくそう説明してあげる。

「まあこれは、全員一致ですね。この店のおススメ商品、冬樹さんどうぞ」

 ぷぅっと頬を膨らませつつも、夏海はちゃんとそう言って俺にふってくる。まあゲストなんだから、俺が答えるんだよね。台本にも書いてあるし……。

「絶対おススメ、『異次元メモリー』! 皆もどうぞ」

 でもこのラジオは、いつから宣伝番組になったんだって話だよな。宣伝番組ってか、本当に商品の紹介を目的とする番組もあるでしょ? ランキングとか……。

「続いての質問は、普通の主婦さんからです。ありがとうございま~す! 僕はなーちゃんと同い年なんですけど、親が受験のことを言うようになってきました。しかし僕はいい高校にも大学にも特に興味がありません、少なくとも問題集を何個もやるほどには……。親が勉強勉強言って来る時に使える、おススメの逃げ方はありませんか? お願いします」

 唯織さんとは違って、夏海は書いてあった文全てをしっかり読んだ。夏海と同い年? へえ、何で主婦なんだろう。

「園田家は別に、受験とか成績とか言われないんですよね」

 父さんが基本、やりたいことをやれという考えなもんで。俺も夏海も、案外フリーだったというか……。

「ワタシもですね、テストの点数でとやかく言われたことありません。むしろお母さんとか、演技についての方がいろいろ言って来ますよ? ここ、もっとちゃんと読め! ……とか」

 何それ、凄い家だな……。

「それだったら、いおはそう言われてるときどうするんですか? それが使える方法なら決定ですよね」

 あぁあ、夏海頭良い。俺達は親が言ってこないから、逃げ方とか何も考えたことない。その時点で、おススメの方法も何もないだろ? でも勉強のことじゃないにしろ、唯織さんは言われるんだもんね。同じかも……。

「お母さんのアドバイスはありがたいと思ってますので、ワタシは逃げ方なんて考えたことありませんよ。だって、折角注意してくれてるんですよ? 聞けばいいじゃないですか」

 あ……。それじゃ、誰もこのメッセージを送ってくれた人の気持ちは分からない。結論は、それでいいかな……? おススメ、答えなきゃダメ? 分かんないのに……。

「それじゃおススメの逃げ方って、どうするんですか? さっきと違って、結構難問ですけど」

 話が纏まらない、と言うよりも意見が出ない。それでも諦めまいと、俺は二人に再び問い掛けてみた。

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